10/動く死体②
どうもはじめまして、かいみん珈琲です。
こちらのサイトに投稿は初めてですが、よろしくお願いします。
作品の紹介として、
作風として『ゾンビらしくないゾンビ』×『死生観』というテーマです。
あくまでもゾンビ風にしているので、スプラッタなシーンは少ないです(笑)
表現もソフトにしています。
温かく完結まで見守っていただけたら幸いです。
●とある廃屋
「手間かけさせやがって……さ、コレット。結局、どうするんだよ?」
再び司教を縛り直した一同。
口が寂しいのか、メメントは火がついていないタバコを咥えている。
エインは、未だ胸にナイフの刺さったままだ。
「それは……その……」
と、コレットはエインへの驚きもあり、しどろもどろになっている。
「――バカな……死体など死や神への冒涜だ。あってはならない」
と、冷静な口調で司教がコレットの言葉を遮る。
「お前さん崇める神様にはわりぃが、私は無神論者なんだ。生きる目的のためならなんだってする」
司教の視線がエインに向く。
「生きるために、兄を死体にしたと? 滑稽すぎて笑いが止ま――ぐぎッ!?」
メメント、虫の居所が悪くなったのか。
しなやかな蹴りで、司教の身体をくの字に曲げる。
「うっせクソじじい。宗教だと豪語して、信者を麻薬で操ってる悪者にいわれたくねぇよ」
「私は操ってなど……」
「コレットの両親も、ここの住民も麻薬におぼれさせて街の治安を悪化させる。そして市場価値も物価も下がった、この土地を買いあさる」
そんなとこだろ、と咥えたタバコを司教の顔に飛ばす。
「この街は港にも近いからな。貿易や人の流れも見て、さぞ高く売れると思ったんだろ。領主と結託して、街ごと買い占める。ボロ儲けだな」
「そんなの、で、でたらめだ!」
いい淀む司教。
あっそ、とメメントは興味が失せたように答える。
その目線は、終始、コレットを見つめている。
「……なんか長くなりそうだから。兄さん、後は頼んだ」
メメントは新しいタバコを着火させながら、部屋を出ていく。
「――コレット。自分でちゃんと考えて、答えを出しな」
結果として、コレットは司教の命を奪う事はなかった。
怒りの感情が高ぶる事はあったが、父との安寧が勝ったのだ。
街の警察に護送する際。
往生際が悪い司教に対して、つい勢い余って脛を蹴り飛ばしてしまったのはご愛敬だろう。
エインは警察を呼びに行った後、現場に戻る事はなかった。
メメント同様、住んでいる墓所に戻ったのかもしれない。
そして、その翌日から街中に噂話が飛び交った。
――”死済教”の支部が、猛獣でも暴れたような惨状だったとの事。
――幹部並びに信者達が皆、支部の前に昏睡していた事。
――コレットの自宅やその周辺の家々から、数多くの麻薬が徴収された事など。
それらはすべて、捜査難航していた警察にとって晴天の霹靂だった。
今まで色々ともみ消していた信者達がいなくなった事により、証拠があふれ出てきたのだ。
ここまで読了、ありがとうございました。
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・文字のボリューム(1000~1500文字程度)
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・ダラダラした、尺を長くする描写を控える
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