100日後に死ぬワニの炎上についての私の所感
昨夜から、100日目で死ぬワニが完結した夜にすぐさま間を開けずに追悼ショップが開かれ、なおかつ、その運営に電通が関わっているとしてTwitterで炎上している。
Twitterでは、様々な意見があるが私が思うのは、タイミングが悪すぎたというただそれだけである。
後ろに電通がいたからやれ反日企業は嫌いだとか、過労死が出てる企業で「死」を題材にするのかという意見は私にとっては非常にどうでも良い。
私が言いたいのは、あのタイミングで追悼ショップを開設したのは物語の内容的にあまりにもナンセンスだと思うという事である。
私の場合は、
「ワニくんが何気ない日常を送っているのに死んでしまうなんて...一体どんな終わり方をするのだろうか...」
と思いつつ最終日を迎え、最終日のツイートを見た。そして、そのツイートの中のワニくんが死んでしまったコマを見て、
「あぁ、遂に死んでしまったのか...儚い物語だったな...」
と余韻に浸っていたのである。ただ、その余韻の短さが問題で、2時間も待たずに追悼ショップを開かれてしまっては興醒めと言わざるを得ない。何故ならば私は翌朝起床しその時点で、
「あぁ、今日からワニくんはいないのか...」
と思いつつ翌朝を迎えたかった(ここら辺は作者のエゴかもしれないが...)。しかし、まだ、死んだのを飲み込まないままウキウキでショップがオープンしたなどと宣伝されて良い気分になる筈がない。Twitterでも言われていたがまさに
「死んだ故人の葬式で自分が悲しんでいるのにその席で故人の名前を使って金儲けの話を持ち出された」
というシチュエーションである。
こんな事されて良い気分になる奴はよっぽど薄情なやつか又はサイコパスだろう。
それくらい、今回のこの漫画のテーマは重かった筈だ。「死」を題材にしておきながら、その「死」という題材を軽く扱われて、どう物語を味わい余韻に浸れというのだろうか?
今回の様に題材が重く無かったらこんな炎上など起こらなかっただろう。今回の件はTwitterで毎日上がっているクソネタなどでマーケティングをするならばタイミングは悪くないと思う。皆んなが忘れる前にグッズ展開するのはその場のノリで購入する人もいるだろうし悪い手ではない筈だ。ただ、今回は題材を軽く扱いすぎ、すぐに金稼ぎに走ってしまった(その意図はなくてもその様に見えてしまった)事によって
「作者はただ金稼ぎしたかっただけか」
「作者に裏切られた」
という風に思われた。
何故か
「金稼ぎは当たり前だろ...無料で見させてもらってるのに何言ってるんだ?」
という意見があるが論点はそこじゃないのである。今回の論点は金稼ぎというイメージが先行しすぎて、「死」という題材で金を稼ぐというイメージが作者に付いてしまったから起こった炎上であり、有料・無料は全くもって無関係であると言っていい。
マーケティングとしては商品や又はその商品を作った人や企業に悪感情を植え付けてしまった時点で失敗と言っていい。今回はまさにその状況に陥ってしまった。
今回の騒動から私達が学ばなければならない事は
「マーケティングをする時には、慎重にその「ネタ」の性質を見極めなければ、ブームが来た時に長続きさせる事ができず、肝心の金稼ぎの時に売り上げが少なくなると言う事」ではないか?というお話しでした。