言葉数が少ない僕と話せないキミ。
僕の名前は 『島田 はると』23歳、本屋さんで働いている。
僕は子供の頃から、あんまり話さない無口な男の子だった、、、!
だから友達にも、よく無愛想だなと言われる...。
話さないだけじゃなく、表情も変わらないからだ、、、!
仕事でも、【いらっしゃいませ】【ありがとうございました】
をボソッと小さな声で、表情一つ変えないで言うもんだから、、、!
よくお店の店長に怒られる、、、!!!
『島田くん! もっと大きな声で言ってくれないかな? それともっと
笑って! スマイルだよ~いいね!』
『・・・ははい。』
でも、、、そう簡単に人間は変われないよ...。
時間が経ったら、、、また元の僕に戻っている。
店長も、少し僕に呆れているよ、、、!
*
そんな時だった、、、!
お店に新しく入ってきた、バイトの女の子がいた、、、!
店長が、僕に新しく入ってきた女の子を紹介してくれた、、、!
『島田くん! 今日から新しく入ってきた! 西川 はんなちゃん、
島田くんが、西川さんの教育係ね! あとはよろしく! あぁ!
それと、西川さん! 話せないから、頑張って!』
『えぇ!? 話せないって、、、?』
『声が出ないんだよ! でも人の言ってる事は聞き取れるし! 何か?
西川さんから言いたいときは、紙に書いてか? 携帯で教えてもらえるよ!』
『・・・あぁ、分かりました。』
『じゃ~西川さん! 島田くんは優しいから、ちゃんと仕事覚えてねぇ~!』
彼女は、店長に【コクリ】と頭を下げた。
▽
『・・・あぁ! 僕の名前は、島田 はると! よろしく!』
彼女は手に持っていた! 小さなメモ用紙に書いて僕に見せてくれた。
【私は、西川 はんなです! よろしくお願いします!】
『僕も、話すの得意じゃないから、、、口数多い方じゃないし!
なんで? 店長は、僕を西川さんの教育係にしたんだろう、、、?』
【島田くんは、優しいからって! 店長が言ってましたよ!】
『えぇ!? 本当!? 僕、よく店長に怒られるのにな~』
【信頼されてるんですよ~】
『アハハッ、もしそうだったら? 嬉しいけどね、、、!』
【ご迷惑かけると思いますが、よろしくお願いします! 島田くん!】
『島田くんって事は、西川さんも僕と同じ歳ぐらいなのかな、、、?』
【私、11月1日で23歳になったばかりなんです!】
『じゃ~学年も同じなんだね! おめでとう!』
【ありがとう!】
『じゃ~仕事の話をしようか? 先ずは、ここの掃除からはじめて、、、。』
*
彼女は、一生懸命に僕の話を聞いて持ってきたノートに書き込んでいた。
彼女は、話せないけど、、、?
仕事はちゃんとできそうな女の子だ、、、!
1か月もしたら、、、?
彼女は、仕事を完璧に覚えていた、、、!
真面目で、仕事も休まないし、努力家で頑張り屋さん。
彼女の笑顔が僕の凍り付いていた心を溶かしていくようだった、、、!
▼
『ねえ? 西川さん! 好きな人とかいるの?』
【えぇ!? そんなのいませんよ!】
『好きな人のタイプとかは、、、?』
【無口な人がイイかな? 例えば、、、島田くんみたいな人!】
『えぇ!? 僕みたいなやつでいいの、、、?』
【うん! いいよ!】
『なんか? 照れるな~』
【私も恥ずかしい!】
『僕もね! 西川さんみたいな人がタイプだよ!』
【えぇ!? ホント!?】
『うん!』
※
こうして、僕と西川さんは付き合いだした、、、。
付き合ったと言っても、ふたりで話しをしたり一緒に何処かに行ったり
するだけで、、、僕は彼女の手も握れない、、、!!!
それにまだ、、、彼女に【好き】だとも言えていない、、、!!!
それでも、僕はキミといると、、、?
物凄く、安心するんだ、、、!
ゆっくりでいい!
時間をかけて、いつか、、、?
キミに言うから、、、!
『好きだよ! これからも僕の傍にずっと一緒にいて欲しい』と。
それまでは、僕とキミとの優しい時間を過ごしていきたい、、、!!!
最後までお読みいただきありがとうございます。