ガブリエラの妹
◆
三つの物件は、どれも劣らず俺にはもったいないものだった。
ミダスの案内で二頭立ての馬車に乗り案内されたのだが、正直なところ再び商会に戻った所で俺は頭を悩ませている。
「断然、最後の所だろ!」
応接間のテーブルに物件の資料を三つ並べ、見比べている俺の横でガブリエラが言った。細く白い指が、一番左の物件を差している。
「どうして?」
正直、俺には違いが分からない。
どの物件も小さな門があり、前庭と中庭がある。前庭には厩舎があって、馬を五頭程度は飼えるようになっていた。どれも離れがあって、奴隷達はそこで暮らすのだと説明を受けている。
もっとも、奴隷頭だけは一緒に住むという。そうしないと、わざわざ俺が毎朝、離れの鍵を開けに行かなければならないからだ。
なので一般的には、信頼出来る者を奴隷頭にして離れの鍵を持たせるという。
だからといって全ての奴隷を信頼し、自由に振る舞わせた場合、寝首をかかれて逃亡奴隷を量産してしまう可能性があるとのこと。
それにしても、どうしてガブリエラがこの物件を選んだのか、さっぱり分からない。
「どうしてだと思う?」
ガブリエラが腕を組み、「ふふん」と鼻を鳴らしている。いったい何を勝ち誇っているのだろうか。
「さあ……中庭が少し広かったかな?」
「違うっ!」
今度は眉を吊り上げ、怒り始めたガブリエラ。感情の変化が目まぐるしいのは、女になってしまった弊害だろうか。
「じゃあ、なに?」
「おれの家から一番近いだろ」
唇を尖らせ、そっぽを向く。それから俺に向き直り、「せっかく逢えたんだ。いつも一緒にいたいって思うのは、おれだけなのか……?」と潤んだ瞳で訴えるガブリエラ。
なるほど。
確かに前世の記憶がありながら、この世界で生きるのは孤独だ。たとえどれほど親しくなった相手でも、この世界のことしか知らない者には全てを語ったところで伝わらない。
その意味において俺とガブリエラは、親友という枠さえ超えているかもしれない。俺だってガブリエラに何かあれば、本当の意味で一人ぼっちになってしまう。
だから、なるべく自分の目が届く場所にいて欲しい。不意に消えてしまうのではないか、もしかしたら夢なのではないか、という不安が常にあるのだ。
「いや……俺もだよ」
俺は頷き、ガブリエラに微笑んだ。
「そうだろ? だから本当は一緒に暮らせたら一番いいんだけど、それはメディアに止められたしさ……まあ、確かにおれは女でお前は男だ……仕方が無いというのも分かる……だからせめて、な?」
ガブリエラも白い歯を見せ、笑っている。一緒に暮らせたら、きっと楽しいだろうな、毎日が修学旅行みたいで。それにガブリエラとメディアが、いちゃつく所も見ることが出来るかもしれないし。
ていうか、コイツはメディアのことをどう思っているんだろう? 童貞を捨てたいらしいから女性に興味があるんだろうが、あまり積極的とは思えないし。
「おい、アレク、笑い方が気持ち悪いぞ。せっかくカッコいい顔に生まれたんだから、シャキッとしろよ!」
俺がカッコいいだと? どうした、コイツの美意識。
まあいい、きっと親友補正というヤツだ。気にしないでおこう。
「ところで、どうなさいますかな?」
ミダスがおずおずと言った。俺とガブリエラを交互に見て、他にも何か言いたいことがあるようだ。
「ここにします」
俺はガブリエラの提案の通り、最後に見た物件を指差した。
「……商談成立、ですな。ところでアレクシオスどの、そちらの女性は、高貴なるお方でありましょう?」
ミダスが目を瞑る。
「そうですね」
否定する必要も無いので、俺も頷いた。
「……仲がよろしいのは結構なことですが、あまりに違う身分の恋は、双方の破滅を齎しますぞ」
柔らかな微笑を浮かべ諭すように言うミダスは、遠い昔の記憶を辿っているようだ。そして思い出話を語り始めようというところで――
「かくいう私も……」
「ぶぷーっ!」
ガブリエラが盛大にお茶を吹き出した。
噴射された茶がミダスの顔面に当たり、零れ落ちて衣服を濡らす。
ガブリエラがテーブルをバンッと激しく叩いた。
「恋? 恋だと!? おれが恭――アレクに恋をしているとでも言いたいのかっ!? おれの名はガブリエラ・レオッ! レオ家の名誉に賭けて、おれと恭――アレクは親友だ! 昔も今もこれからもっ! だからそういう関係じゃない! 貴様ごときが邪推などするなっ!」
おおー、と俺は思わず拍手をした。そうだよ、俺とガブリエラは親友なんだ。そりゃあ親友がちょっと美少女になって、大きなおっぱいをぶら下げているが――本質的には何も変わらない。
「おや? ですが貴女は先程、アレクシオスどのの童貞がどうのこうのと……」
「あれは、おれより先にアレクが童貞を捨てるのが嫌なんだっ!」
「そう、それでございます。貴女様がアレクシオスどのの童貞を欲しているように聞こえましたぞ」
「おれが、アレクの? は? ……あっ!」
赤面したガブリエラが、両手で頭を抱えている。あほ毛が項垂れ、「ち、違う……」と彼女は小さく呟いた。
「そ、想像しちゃっただろ……おれがアレクの童貞を……その……でも、出来る……んだよな? おれ達」
ガブリエラの視線が俺の股間に注がれる。
ていうか二人とも童貞、童貞とうるさいぞ。
「出来ない」
「それは、おれに魅力が無いってことか?」
どうしてそう解釈する?
俺だって、観葉植物である前に男だ。お前を女性だと認識すれば、誰よりも魅力的に見えるぞ。だがな……
「おれじゃ、たたないのか……?」
「た、たたな……? か、観葉植物だからな、俺は」
どうしよう、ガブリエラが壊れた。仮にたったとして、ここでたったらバカだろう。なんで家を探しにきて、親友に発情しなきゃいけないんだ。
そう思っていたら、ガブリエラが俺の肩に手を乗せた。「それでいいんだ、アレク」
「みろ、ミダス、これで証明されただろう。おれはアレクを親友だと思っているし、アレクもまた、おれとは出来ないという。お前の忠告は見当外れもいいところだ」
ニヤリと笑ったガブリエラが、はっきりと言い切った。けれど、どこか寂し気な表情に見えたのは、俺の勘違いだろうか。
「これはこれは、たいへん失礼を致しました。それを聞きまして、私も安心致しましたぞ。さ、この書類に著名を頂けましたら、次は奴隷をお見せ致しましょう。お二人が親友であるだけならば、私がお薦めする奴隷もきっと気に入って頂けるかと存じます。なに、女性ですが問題ございませんでしょう、ガブリエラさま?」
「いや、それは……」
「仮にアレクシオスどのが女奴隷に童貞を狩られたところで、ガブリエラさまに何の不都合がありましょうや?」
ガブリエラは下唇を噛み、小さく頷いた。
「特に問題は無い。だが、たかが奴隷にアレクの童貞が狩れるかどうか……」
いや二人とも、なんで俺が童貞狩りに遭う前提なんだよ……。
◆◆
ミダスに先導してもらい、邸の中を歩く。先程からムスっとし続けているガブリエラが、左右にいるトガを着た護衛に声を掛けた。
「お前達、警戒しているようだが残念だったな。武器も無く、おれに勝てると思っているのか? もしもおれがその気になれば、お前達を主人ともども始末するのに十秒と掛からんぞ」
そう言って腰の左側に右手をやり、見事に空を切るガブリエラ。大きく口を開き、左手の指を咥えている。
「どうしようアレク、剣を忘れた!」
「始末するのに、十秒以上掛かっちゃうね……」
「うん」
……どうやらガブリエラは、彼等に対して絶対の勝算があるらしい。しかし最も得意とする剣を忘れていたことで、完全に意気が消沈した。
二人の護衛は、そんな彼女をチラリと見ただけで何も言わない。多分こっちもこっちで、「こんな小娘に負ける訳が無い」と思っているのだろう。
「さ、こちらでございます」
地下へと続く階段を下りてゆくと、湿度を含んだ冷たい空気が流れてきた。
赤い絨毯が敷かれた廊下が妙に陰気くさく、気分が滅入る。明かりも左右に立ち並ぶ燭台の、蝋燭によるものだけだ。
少し先に進むと、重厚な金属製の檻に入れられた屈強そうな男達が手枷、足枷を嵌められている。とうてい彼等に家事が出来るとは思えなかった。
「こんな感じのヤツだ! なあ、コイツら料理は出来るか!? ほら、もうコイツ等で良くないか?」
ガブリエラが目を輝かせ、牢に近づく。すると一人の奴隷が彼女の頬に唾を吐きかけた。
「俺に近寄るな……殺すぞ」
「貴様……牢の中にいて、どうやっておれを殺す?」
長く伸びた茶髪の下から、奴隷の残忍そうな双眸が覗いている。
ガブリエラは唾を服の袖で拭き、怒りも露に床を踏みしめた。
「戦闘奴隷ですか?」
俺はミダスに聞いた。
「はい。元は海賊でして、殺される所を私が買いました。ですが教育が進まず……申し訳ございません、ガブリエラ様」
“ガシャン”
ミダスが慌ててガブリエラを奴隷から引き離そうとしたが、時既に遅かった。
ガブリエラが牢に手を突っ込み、戦闘奴隷の髪を掴んでいる。
「ぐわっ!」
強引に奴隷の頭を引っ張り、牢にガシャガシャと打ち付けるガブリエラは烈火の如く怒っていた。
「どうやっておれを殺すんだ、え? やってみろよ、ほら! 答えてみろよ!」
しかし、奴隷は答えられない。幾度も頭を鉄格子に打ち付けられた奴隷は、既に失神している。鉄格子が歪むほど頭を打ち付けたのだから、仕方が無いだろう。
俺は奴隷に回復魔法を掛けて、「大丈夫か?」と聞いた。
「う、うう……ちくしょう……なんだ、この女は?」
意識を取り戻した濃い青色の瞳が、俺を見た。
「ガブリエラ、やり過ぎだ」
ガブリエラを奴隷から遠ざけ、二人の間に割って入る。
「だって、コイツが」
ここでようやく二人の護衛が、ガブリエラの恐ろしさに気付いたらしい。
いくら枷を嵌められた奴隷とはいえ、少女に掴まれ頭を打ち付けられただけなら、普通は失神などしない。
ましてや奴隷は、百九十センチ近い巨躯である。本来ならば頭を掴まれたところで、どうということの無い体格差だ。
「医者に見せろ」
ミダスは護衛の一人に言うと、俺達には先を促してくれた。
だけどこれ、大丈夫なんだろうか? 一応の回復魔法は使ったが、頭だから心配だ。
この奴隷が死んだりしたら、代金を払えとか言われちゃうんじゃないだろうか? そう思っていると、ガブリエラが殊勝なことを言い始めた。
「すまなかった。あの奴隷はおれが買おう。怪我をさせたし、もしかしたら死ぬかもしれない。それでミダス、お前が損をするなら、おれの責任だから」
「ふざ、けるな。こんなもんで死ぬ程、ヤワじゃねぇ」
茶髪の戦闘奴隷が、プルプル震える足で立ち上がる。
「そうか、では、せいぜいおれの下で役立って貰おう。で、幾らだ?」
ガブリエラがミダスに問いかけた。ミダスは顎に指を当て、「うーん」と唸る。
「教育も終っておりませんし、この有様では……」
「言い値でいい。教育など、こちらでする。戦闘奴隷というなら、これから先、戦う場所には困らんからな」
「ほう……お前、何者だ、女」
「おれは男だ」
大きな胸を反らすガブリエラ。
奴隷は目をぱちぱちと瞬き、俺を見る。「は? コイツの頭は大丈夫か?」と言っているようだ。
ていうか、俺は君の友達ではないのだが。とはいえ、自らの命運を握る人物が何者かも知らなければ、奴隷にもなりたくないだろう。
俺は親切なので、ちゃんと教えてあげることにした。
「こほん。彼女の名はガブリエラ・レオ。レオ公爵家の長女にして、帝国軍第六軍団長だ」
ミダスがいつの間にか取り出した羊皮紙の資料を見て、ガブリエラに示す。
「では、奴隷の値段ですが、私の買値――百金貨で如何でしょう?」
なぬ? 百だと? えーと、日本円なら一億ってことだよね? なんでこんな男にそんな値が付くんだ? 確かにプロレスラーみたいな体格だけども。
「ちょ、ちょっと待ってくれ。単なる戦闘奴隷にしちゃ、高過ぎませんか?」
俺の言葉に、ミダスは大きな腹を揺すって笑った。
「彼は東の海でその名を轟かせた海賊――鮫のヴァレンスと呼ばれた男なのですよ。齢十九にして一船を指揮し、二十五の時には五十隻にまで膨れ上がった艦隊を纏め上げ、海を荒し回っていた……偶々、船が難破したのでしょうな、浜辺で行き倒れていた所を、奴隷商人に捕まったようで。軍に引き渡される所を、私が懸賞金よりも高値で引き取ったという次第です」
「分かった、買おう」
「「は?」」
俺とミダスさんは声を揃え、ガブリエラの蒼氷色の瞳を見つめる。
コイツは札付きの海賊だし、高過ぎる。つまりミダスさんには、売る気がないってことだろう。
「だから、買うと言っている。コイツは戦争が出来るんだろう? だったら多少弱くても、おれの役に立ちそうだからな。もしも役に立たなければ、殺して鮫の餌にでもしてやるよ」
あー……そういうことか。ガブリエラはバカなようでいて、何も考えていない訳じゃないらしい。
ミダスさんは諦めたように項垂れ、ヴァレンスに事情を説明した。
ヴァレンスは笑みを浮かべ、「あの女よりは、あんたに買って貰いたいね。どうせ同じく、公爵家のボンボンなんだろ?」と言ってきた。
「俺は単なる騎士爵だよ。金も無いし、百金貨なんて出せないね。だいたいさ、君は弱くなんか無いよ。あれだけ頭を打ち付けられても、急所は外していたんだろ? そんな人を近くに置いたら、俺の方が殺されそうだ」
「……コイツは驚いた、分かるのか。あんた、いったい誰なんだ?」
「アレクシオス・セルジューク。しがない軽装歩兵の百人隊長をやっている」
「そうかい。あんたなら、すぐ将軍と呼ばれるだろうが……まあいい、俺はアンタに借りが出来た。何かあれば力になるぜ。つっても単なる奴隷だがな、今の俺は」
ヴァレンスが自分の頭を指差し、苦笑した。
なるほど、コイツは俺が魔法を使ったことを知っていたのか。予想以上に侮れないヤツだ。
こうしてガブリエラがヴァレンスの売買契約を結ぶと、いよいよミダスさんが俺に無料で渡したい、という奴隷がいる場所へ向かった。
場所は更に階段を下った先で、暗さも増している。だがしかし、その奴隷は闇を晴らす程に輝く銀髪で、紫水晶のように輝く双眸を持つ美女だった。
ていうか、ミネルヴァだ。
「あなたが私のご主人様ね? アレクシオス・セルジューク」
透き通った硝子細工に指を当てて鳴らした様な――果てしなく澄んだ声。絶世の美女が、手足を鎖で縛られ座っている。
だが、その顔はどこか恍惚として、この状況を楽しんでいるようにも見えた。
「いいえ、違います」
ジト目でガブリエラが答え、踵を返す。
「ひどいじゃない、ガブリエラ、いきなり全否定なんて。私とアレクシオスの仲を裂かないで欲しいわ」
「お前、馴れ馴れしいぞ! おれのアレクに近寄るな!」
「何よ、私と貴女の仲じゃない、固いことを言わないで」
「どんな仲だっ!」
「一騎打ちをした仲?」
「敵同士だろうが、それはっ! アレクのことだって殺そうとしたっ!」
「なによ、二人とも死ななかったじゃない。だからこうして会えたよの?」
「それはお前の失敗だろうがっ!」
「そうね、私は……私達は失敗したの。だからキミに力を貸してほしくて、ここへ呼んだのよ」
ミネルヴァは目を細め、俺を見ている。
「なるほど……ミダス卿は貴方がこの国に潜り込ませた間者だったのか……だけど、どうして?」
「取引がしたかったの、キミと」
「俺なんかと取引をして、貴女ほどの人に得があるとは思えないけれど」
「あるわ、私にはキミの知謀が必要なの」
「その代わり、おれの奴隷になると?」
「そうね、力を貸してくれるなら、絶対の忠誠を捧げるわ」
思わず俺は眉を顰めてしまった。
この、どこまでも信用できないドM女の忠誠とは、どんなものなのか。
そうまでして俺の力を借りたいなんて、一体なにがあるんだろう。
「嫌だ。お前の忠誠なんかいらない」
「貴女には言っていないわ、ガブリエラ。私はアレクシオスと取引をしたいの」
真剣な眼差しで、俺を見つめるミネルヴァ。
「とりあえず、事情を話してくれないか?」
肩を震わせて怒るガブリエラを抑え、俺はミネルヴァの話を聞くことにした。
いつの間にかミダスの姿は無く、ミネルヴァは手枷を外し牢の外に出ている。
手首を軽く摩りながら、ミネルヴァは話し始めた。
「父が敗戦の罪に問われて、本国に送還されたの。処刑されることは無いでしょうけれど、何事も無ければ一生、牢から出ることも出来ない。だって母を人質に取られているんだもの。だから私は国に帰らず、キミと接触する機会をうかがっていたのよ。キミなら、父も母も救うことが出来ると確信していたから」
そんなことを言われたところで、俺には無理だ。断ろう。
確かに、ガイナスを牢から出す手立てなら思いついた。しかし、それをやるにはリスクが高過ぎる。何より、そんなことをしてまでミネルヴァの忠誠心なんて欲しくない。平穏な観葉植物としての生活が遠のくだけだ。
ガブリエラがギリギリと奥歯を鳴らしていた。
「なんて身勝手なんだ……!」
まあ、そうだよな。ミネルヴァは実に身勝手だ。
よほど怒っているのだろう、ガブリエラは壁を殴り、あり得ないことだが凹ませている。
「ラヴェンナ共和国め、腐ってやがる! おれが滅ぼしてやるから、覚悟しやがれっ!」
あれ、ガブリエラ? そっちに怒ってるの?
「ミネルヴァ……心配するな! お前の父も母も救ってやる、必ずだ!」
ミネルヴァをギュッと抱きしめ、ガブリエラが泣いている。絵面だけ見ると、とても尊い。
「ありがとう、ガブリエラ。やっぱり一度剣を交えると、友になれるのね」
なれねーだろ! とツッコミたいが、抱き合う二人の美女を前に、俺はすっかり観葉植物モード。
「友だと? 違う! もうおれ達は、心の通った姉妹だ! あとは全部、アレクに任せれば大丈夫! なんとかなるっ!」
「ええ……そうね、ガブリエラお姉様」
ファッ!? お姉様だと? ふふ……ガブリエラが姉でミネルヴァが妹……? ふははは、尊いじゃないか、コイツぁ!
わかった、俺は頑張るぞ。命を賭けて、この百合の為に。