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マイノアルテ・最終決戦8

「あはははは。そーれホーリーアロー!」


 茉莉の攻撃を避けながら、反撃の供物蛇の輪舞会リヴァイアス・ロンドを叩き込む。

 しかしプリズムリフレクションにより跳ね返され、不規則に移動する供物蛇が地面を穿ちヌェルティスの動きを阻害する。


「ええい、邪魔だぞ茉莉!」


「邪魔してるんだもん。ほら、レウちゃんがやっちゃうぞー」


 悔しいが茉莉の言う通り、自由になったレウはステッキ片手にジルベッタ向けて走り出す。

 咄嗟に庇うマグニア。その口から、ごめんねガルニエと声が漏れる。

 ジルベッタを全身で隠し、目を瞑るマグニア。無情なレウは二人に向け、ステッキを突きだす。


駆け抜ける閃光フラッシング・レーザー!」


「なっ!?」


 マグニアの背をステッキが貫く寸前だった。

 一条の光が空より降り注ぎエルフリーデの心臓を打ち砕く。

 衝撃で吹き飛んだエルフリーデが地面に倒れ伏す。


「がはっ!? な、あ?」


「ふふふ、愚者、愚図、愚物の大間抜けっ。相手の生死確認せずに放置したのが貴女の敗因よレウッ」


「が、ぁ、馬鹿な……エンド?」


「エンドお姉ちゃんっ!!」


消える事無き命の焔ザ・ニューライフにちょっと時間掛かったわ。待たせたわねジルベッタ! お姉様が来たからには任せなさいな」


「ありえん、なぜ……」


「貴女の自慢の茉莉ちゃん。彼女が改造人間であるように、私、エンド・オメガは城内真一という祖先が開発した技術を使ったお父さまが作りだしたシンキングセル。そして私の能力はコピー・アンド・ペースト。お姉様たちの能力を纏め上げ全員を両性具有にして未来に適応できる動植物を作りだそうと作られた人造人間よ。フェニックスの能力を持つお姉様にはゴキブリやらプラナリアの能力が詰め込まれてますから、スキル消える事無き命の焔ザ・ニューライフを使えば瘴気を使った再生のようなことも可能なのですわ」


「ぐぅ、よくわからんが元があのクサレマッドサイエンティストだったか。ええい小癪な」


「ここでお消えなさい。霧雨の隔壁ミズル・ウォール


「いかん、茉莉ッ」


「ほえっ!?」


「行かせるか! 使い魔、邪魔をしろ!」


 慌てて身体を起こしながら逃げ出すレウ。心臓は貫かれたがもともとエルフリーデの身体を間借りしている身なので彼女の身体が幾ら壊れようと動けば問題なく身体を動かせるのだ。

 茉莉にフォローを頼んだ彼女に、戸惑いながらも手伝いに向かおうとする茉莉。その視界を邪魔するように無数の蝙蝠が群がってくる。


「わひゃぁ!? 見えない、前が見えないよヌェルティスちゃん」


「この位しかできんのが口惜しいな……やれ、エンドッ!!」


「言われなくともっ。吶喊!」


 回転する水の刃を纏ったエンドが突撃する。

 何とか逃げようとするレウだがエルフリーデの身体では逃げることなど出来はしなかった。

 すぐに追い付かれ右手が消し飛ぶ。


「く、クソぉぉぉぉっ!!」


「惰弱、脆弱、虚弱なお嬢様ァ、さよぉならぁッ、アハハハハハっ」


 ぐしゃり、エルフリーデを押しつぶし、エンドがレウへとトドメを刺す。

 防壁を解き、ふぅっと息を吐くエンド。

 立ち上がったそこにエルフリーデの姿は欠片も存在しなかった。


「エルフリーデには悪いことをしてしまいましたわね。いえ。身体を使われることに比べればマシでしょ「それはどうだろうな?」……う?」


 エンドの勝利。そう思われた直後だった。エンドの身体からレウの声が聞こえ出す。


「クハハハハ。詰めを誤ったなエンドよ。我は健在。貴様が能力を解いた瞬間貴様に乗り移らせて貰ったぞ!!」


「うわーおレウちゃんえげつない」


「阿呆かエンド!? これでは余計儂らの立場が悪くなっただけではないか!?」


「クソ、やられた……」


 はぁ。と溜息を吐き、エンドは朗らかな笑みでヌェルティスに視線を向けた。


「ヌェルティス」


「な、なんだ?」


「後はそいつだけ。貴女に任せますわ」


「エンド?」


優雅なる火炎の灯エクセレンス・フレア


 強力な炎の弾を頭上に掲げ、そのまま自身に被せる。


「エンドお姉ちゃん!?」


「ごめんねジルベッタ。「は、貴様がどうしたところでもはや貴様の身体は我が……」後は、ヌェルティスに守って貰って? 「お、おい? 何を、自身を燃やしたところで復活できるのだろう!?」我は汝の行為を禁ずプロハビット・アラウズ!」


 そのスキルは能力封印。

 エンドは自身のスキル、特性全てを禁止して、静かに佇む。

 燃えるエンドの身体から逃げ出すことも出来ず、レウがわめくが、能力封印されたか弱き体となったエンドの身体を操ったところで火を揉み消すのは不可能だった。


「おのれ、おのれエンドぉぉぉっ!!」


「はぁ、まいったなぁ、出来れば最後まで残りたかったんだけどなぁ。ヌェルティス、負けてはなりませんわよ?」


 そう微笑みながら、エンドはレウを道連れにして消え去った。

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