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モルグドラハ・機械兵団の勇者1

 モルグドラハの一角で、無数の機械兵が動いていた。

 彼らが目指すのはモルグドラハに偶然居合わせていた地球から来た異世界人達。

 今、対応しているのはバグパピヨン、仮面ダンサーステップ、海賀 雅巳、笹垣 薺、藍染亜衣子、李 蘭爛という面々である。


 黒い蝶をモチーフとした改造人間にしてバグソルジャーという正義の味方に所属していたバグパピヨン。今は想い人がラナリアの怪人であるためラナリアに籍を置き、最愛の人森本王利と毎日のようにラブラブチュッチュしているただのエロ娘と化していた。

 それでも、闘いの時は黒死の力を振るい、毒蝶怪人として猛威を振るう。

 その鱗粉に含まれる猛毒は鱗粉を吸った人物を敵味方問わず死へと直進させるため、今の現状ではめったやたらに飛ぶ事ができない。


 何しろ敵は機械兵団。

 息をしなければ肺に入った鱗粉でどうにかなる存在でもない。

 むしろ生身の人間さえいる仲間の方への被害が甚大化するため、下手に鱗粉を広げる訳にはいかなかった。

 その分ハンデとして地上戦を強いられており、他のメンバー共々苦戦気味であった。


 仮面ダンサーステップもほぼ生身、他のメンバーは正義の味方としては半人前。徐々に押されつつあるメンバーをフォローしながら闘うには、バグパピヨンのみではかなり辛い。

 それでも未だ戦線維持を行えているのは、ひとえにバグパピヨンの戦闘経験の賜物であった。


「ひゃー。これキツい」


「地球帰りたいっ」


「ブツクサ言てる間に身体動かすアル!」


 笹垣薺と藍染亜衣子に李蘭爛が激を飛ばす。同じヒストブルグのクラスメイトなだけあって、彼らの動きはそれなりに良い。

 連携が出来ているのもプラスになっている。

 問題は、索敵やら分析特化の海賀雅巳であろう。この面子の唯一の男でありながら、非力な彼は中心で皆に守られていた。

 その分皆の動きも悪くなっており、徐々に旗色が悪くなっているのだ。

 特に、生身で機械兵を殴り蹴りしている仮面ダンサーステップのダメージが酷い。

 できるならば回復させてやりたいが、回復役も近くには居ないのだ。


「皆、もうちょっと粘って! エコーデリーターが他のメンバーを呼んで来てくれてるから、後少し粘れば……」


「あぐぅっ」


 バグパピヨンが皆を元気づけようと声を張り上げた時だった。

 ついにステップの拳が壊れた。

 右腕を諦め左腕で相手を破壊し、一度撤退する。

 雅巳の傍まで戻ってきた彼女に代わり、蘭爛が突出する。

 発勁を使い動力炉破壊を行うため、力任せに機械を破壊していたステップよりはスマートだが、相手の急所を狙うため、相手の攻撃を避けながらの闘いとなり時間がかかる。


「ちょっと、マズくない?」


「まー、なんとかなるっしょ」


「流石に楽観視しすぎなんじゃ……」


「……いえ、来たわ」


 皆が焦る中、バグパピヨンが初めに気付いた。

 別の場所から機械兵が爆散する。


「あら? まだ増援?」


「くぁーっ。かったいッスわー」


「あたりまえだ阿呆。機械に突撃する奴があるか。せめて継ぎ目を狙えリベルレ」


「そうは言うけどー、ほら、リベルレキックをお見舞いしたんだって。足折れるかと思ったし」


「だから突撃で自分への衝撃も増加しているのだ。前々から分かっていたことだろう」


「でも先輩、すっごくカッコ良かったです!」


 離れた場所から最初のリベルレキックを筆頭に、バグリベルレ、バグカブト、バグアント、バグワスプというバグソルジャーのメンバーが集結した。

 出現と同時に力任せに機械兵を持ち上げ別の機械兵の群れに投げ飛ばすバグカブト。

 粘着液を吐き出しバグアントが機械兵たちの動きを阻害する。

 バグワスプは皆の動きに一喜一憂しながら無難に蹴り技で機械兵を破壊していく。


「パピヨン、先行して助っ人に来た。皆無事か!」


「カブト! ええ。皆無事よ。ちょっとヤバかったけど。あと回復役は? ステップが拳壊しちゃって」


「生身で殴ったのか!? 無茶をする」


 素早くリベルレが飛行してステップの保護にやってくると、彼女を抱えて飛行する。

 トンボの怪人であるリベルレは、高速飛行を可能としており、射撃を行う機械兵を潜り抜け、ステップを安全地帯へと連れて行く。

 そこに遅れてやって来たエルティアとレウコクロリディウム。

 さらに遅れ、ラナ、クルナ、エコーデリーターがやってくる。


 他のメンバーは? 思ったバグパピヨンだが、それは杞憂というものだった。

 既に他のメンバーは到着しており、各々各方面から攻撃を仕掛けていたのである。

 機械兵達が各所で爆散、あるいは空へと舞い上がる。


 ヒストブルグ勢を守るようにバグソルジャーが集結する。

 エルティアたちにステップを預けたバグリベルレもそちらの輪に加わり、上空からほたるんが機械兵一機を破壊して降り立つ。


「久々にバグソルジャーとして団体戦だな」


「私抜けてるけどね。でも、今回だけは新旧全員集合ってことで!」


 バグカブトとハイタッチを行い、バグパピヨンは気合いを入れ直した。

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