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第29話 私(わたくし)はあの時からずっとお慕いしていますのに……

あけましておめでとうございます

もう2月の後半ですが

今年もよろしくお願いします

ある日のこと

一人の女の子が複数の男に囲まれていた

「なぁ姉ちゃん、俺たちとつきあわねぇ~?」

「いい思いさせてやるからよ?」

強面の男や柄の悪いやつばかりだ

「…………」

女の子は恐怖からか声が出ないようだ

「何も言わねーな~」

「つうことはOKってことだよね~」

勝手に話を進めていく男たち

しかし女の子は手を行くのがイヤがる様子

それでも無理やり引っ張っていく

「ほら行くぞ!」

「…………」

女の子は留まろうとするが男の力が勝りどんどん引っ張られていく

「よってたかって女の子を強引に引き込むとはそれでも男か?」

現れたのはガタイのいい大男。部活帰りか手には胴衣を持っていた

「なんだ? お前は」

ある男は睨みつけた

「図星だから反論できないってか? こんな大人数でしか女の子を口説けないんだから肝も小さいんだな? きっと」

大男はまた一言付け加える

「なんだと!!?」

それに感化された男たちは大男に迫って来る 

「仕方ない。相手してやるか」

そういうと1分も掛からずに華麗な柔道技で男たちを倒していった

倒された男たちはおきあがることもできずまさに再起不能状態だった

「誰一人として立ち向かってこんとは……全く骨がないな~」

おとこたちに言い放つと女の子に駆け寄り

「気をつけて帰るんだぞ? じゃあな」

大男は去っていった

その瞬間女の子の中で何かはじけた

(見つけた……私の旦那様……)


帰宅中の斉藤は周囲を見回す

(誰かにつけられてる気がするな……)

「うぅ~気味悪いな~……さっさと帰ろう」

身震いをして足早に帰宅のとにつくのであった





数日後

生徒会室はいつものメンバーで話をしていた

そんな中斉藤がある悩みを打ち明けた

「俺、最近どこからかずっと視線を感じるんだ……」

その悩みに伊織は食いついた

「ずっとってどういうことですか?」

僕が話の中身に入っていく

「前は帰るときだけだったんだが、そこから家でも視線を感じるようになって、最近は朝起きてから夜寝るまで四六時中感じるんだ」

その詳細を話す斉藤

「心当たりは?」

尋ねる茜

「ないから困ってるんじゃないか」

斉藤はため息をついた

「狙われてるとか?」

思いつたことを口にする伊織。

確かに柔道をやってるから目をつけられる可能性はあるけど、普通そこまでするとは思えない

「よほどの恨みがあるのだろう」

厳燐丸が推測する

「ストーカーとか?」

遥がふと口にした

「ないない。斉藤くんに限ってそんなことありえないわよ」

伊織がバッサリと否定した。

ハッとした由良が

「もしかしてお主、女の子にやましことをしたのではあるまいな?」

ドスの利いた声で斉藤を問いただす

「してねぇ~よ!!」

即座に否定する斉藤

「どうだか?」

茜は疑いのまなざしを向ける

「信じてくれ! 谷口俺はなにもにもしとらんぞ!!」

なぜか僕に訴える斉藤に僕は苦笑いを浮かべる

結局なにも解決しなかった




その日の夕食

「恵子ちゃん、またきたの?」

やや不満そうな斉藤

「いいじゃない? ここの方がスタジオ近いし」

悪びれる様子もなくご飯を口に入れる

「それはそうだけど……あ! 醤油とって?」

「はい……醤油でございます」

「ありがとう」

なにげなく受け取る

いるはずのない人が醤油を渡していた

「ってお前誰だよ!!!?」

気づきようやくツッコミを入れる

「やっとお気づきになりましたね。旦那様」

淡々としゃべる女の子

「旦那様!!?」

斉藤はびっくりする

「いつの間にそういうができたの?」

目を輝かせて身を乗り出す恵子

「あらあら、そういうがいたなら私にも紹介してほしかったな~」

目を細めて息子を見つめる斉藤の母親

「違うわ!」

「……なぜそのようなことを……わたくしはあの時からずっとお慕いしていますのに……」

女の子は明らかな大根芝居。

「そうなんだ、そうなんだ」

さらにテンションが上がる恵子

「どこで知り合ったの? そうそうお名前は?」

話を続ける母親

完全に2人は騙されていた

「私の名前は霧島夏実きりしまなつみと申します」

「霧島ってもしかしてあのキリシマ財閥の?」

キリシマ財閥とは日本有数の名家でひとたび本気を出せば一国を黙らせることぐらい容易ぐらいの権力とお金を持っているつまりかなりいいとこのお嬢様なのだ

「すごーい!! こんなお嬢様を射止めるなんて明」

テンションマックスじゃないかと思うくらい目がらんらんとしている恵子

「知らないから!! とにかくお嬢様だろうがなんだろうがお前は知らないし結婚するつもりもない。だから出てけー!!」

なんとか夏実を追い出した




「おはようございます」

夏実は斉藤が出てくるのを見計らって現れた

「うわ~なんでここにいるんだよ!!」

「旦那様のテレパシーを感じましたので」

冷静に言ってのける夏実。

「そ、そうなのか……」

彼女に言葉に詰まる斉藤

「さぁ行きましょう。早く行かないと遅刻してしまいます。今日の紅白戦がんばって下さい」

「お前学校違うだろ!!? なんでそんなこと知ってんだよ!!?」

自分しか知らないことなのでとても驚いた

「夫のスケジュールを妻が知るのは当然の努めですし、妻が夫に付き添うのも当然です」

と言い放つ夏実。

そして2人は出発する

歩いている間ずっと

ジーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

斉藤の横顔を見つめ進んでいく

「なんだよ?」

気になり夏実の方をむくと

「ポッ……そんなに見つめないでください」

顔を赤らめ顔を背ける夏実

「ずっと見てるのはそっちだろ!!」

そんな態度だから斉藤もどうしていいかわからない状態だった

そんなこんなで学校に着き、僕たちと出くわした

「斉藤さん、おはようございます。その人は?」

知らない女の子をみて質問する

「……明様の嫁です」

と宣言する夏実

「へぇ~斉藤さんにも彼女ができたんですね? おめでとうございます」

祝福する僕

「いや! 違うんだ」

弁解する斉藤を置いて僕は教室へと向かった

その後も夏実は四六時中付け回り、斉藤も日に日に疲弊していく様子が見て取れた


生徒会室では

「はぁ~……誰も遠くへ行きたい」

斉藤が机に寝そべってぼそりと言った

「お疲れ様です……」

僕は斉藤に苦笑い

「そろそろ部活だ。行ってくる」

斉藤が席を立つと話題の張本人が斉藤の肩をたたく。

「はい……忘れ物です……」

斉藤に胴着を届ける

「ありがとう……ってなんでお前がここにいるんだよ!!!?」

斉藤が問いただす。

「あの……お義母さまから届けるように頼まれまして」

それに答える夏実

「それにしても本当に熱心よね? まさか学校まで押しかけてくるとはヒューヒュー斉藤くん」

伊織が茶化す

「ちょっと会長……」

茜が伊織を制止する

「……お前……もういい加減にしてくれよ! いつも俺の嫁、俺の嫁って、前にも言っただろ? お前を嫁にした覚えはないし、そうやって付きまわれる理由も無い! はっきり言って迷惑だ!!」

彼女にそれまでのストーカー行為のことををはっきりとNOと突きつけた

「……そうですよね? いきなり知らない人から旦那様とか言って着いてくるのは迷惑ですよね? そこまで追い込んでしまった私も悪かったです。わかりました。今後、一切明様には近づきません。その代わり最後に1つお願いがあります」

夏実は決意をしたようだ

「なんだ?」

尋ねる斉藤

「私とデートしていただけないでしょうか?」


デートをすることとなった斉藤さん、果たして夏実さんとはどうなるのでしょうか?

次回、私は大好きな明さんの隣にいられてとても幸せでしたよ?

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