第26話 動いちゃいけません!!
どうも2週間ぶり?です
今回はすごく強引すぎで、いろいろ超展開すぎるところがありますが気にしないでください(汗)
「ライア〜ンごはんだよ〜」
大きなネコを呼ぶ遥
そこからおもむろにのさのさと姿を現したのは
「もしかして……」
「これが……」
「ウソ……だよな?」
僕と茜が絶句し、斉藤が恐る恐る聞いてみる。
「そんなことだろうと思った。遥チャンらしいわね」
あきれる伊織。
「なんのこれしき」
さわやかに言ってのける由良。
それは熊だった
「みんな!! 死んだふり!!!」
僕はパニックになりそう叫ぶ
すると茜、斉藤は一斉に寝転がり死んだふりをする
「何をしてるんですか?」
状況がわかっていないのか遥は一人キョトンとしていた
由良は
「これくらいでわめくとは情けない」
そう言いながら厳燐丸を取り出し熊に正面突破を試みる
(結局由良ちゃんも怖いんじゃん……)
内心そうつぶやいた。
「ダメですよ~! ライアンがけがします~」
遥は由良を必死で止める
熊はというと僕の叫び声に驚いたのか僕たちにめがけて一直線で向かってくる。
「コラ! ライアン! ダメですよ!」
と熊をしかる。
まるで遥が母親のようだ。
すると熊の足は失速したものの変わらずこっちに向かってくる。そして僕の前にやってくる
(やばい!!)
「僕を食べてもおいしくないよ!!」
思わず熊に向かって助けを請う。
しかしその言葉もむなしく熊の顔が僕に向かってきてドロッとした粘液が僕の服に付着する。
(もうダメだ!!!)
覚悟して体自然とに力が入るが一行にドロッとする粘液が付着する以外は何も起こらない。
すると
「アハハハハハ!! くすぐったいよ!」
僕は笑い出した。
熊もといいライアンを見てみると僕の全身を舐めていた。大きな舌で。
その後茜や斉藤も笑い出した。同じことをされたようだ。
じゃれているらしい。どうやら僕たちは気に入られたようだ。
遥は準備していた大量のライアンの食料をどんどん取り出していく。
中には明らかに業務用だろうというような大きい袋や何十人用かわからない大きな魚、ダンボールに入っている飲み物が入っていた
遥によればこれが一食に食べる量らしい。おそらく食費2か月分ぐらいだろう。恐ろしいほどの食欲。
まぁ秋だから冬のためにたくさん食べなければいけないけど
「確かに大きなネコだけど……」
僕は改めて目の前の大きなネコの迫力に苦笑いしてしまった。
「ねぇ~あれ何?」
そんな時茜は熊の前足に指をさす
包帯が巻いてあった
「うん……包帯だな」
斉藤が考え込む
「どうしたんですか?」
考え込む斉藤に声をかける
「そうか! わかったぞ! 宮内、お前熊と戦ったんだな!! だから負い目を感じた宮内は熊を世話をしだした」
突拍子もないことを言い放つ斉藤。
「なわけないじゃないですか? いきなり何言い出すんですか……」
呆れ果てる僕。
「それでどこからこれを拾ってきたんだ?」
厳燐丸をしまい由良が尋ねる。
「実は……」
遥が口を開いた
みんなと紅葉狩りにいったあの日帰り道
私はみんなと別れて家に帰ってるうちに道に迷ってしまいました。
気づけば周りはまったく知らないところでシャッターが閉まっているお店ばかり。それに外灯も疎らで私の右側には林か森か木がたくさん密集していました。
そこをぽつぽつ歩いていると遠くから黒い物体が現れました。
何かな?と思っていると物体がのしのしと私の方に向かってきます。その影はしだいに外灯に照らしだされ姿があらわになってきました
それは焦げ茶色の大きな体につぶらな瞳の熊でした。それはまるで途方にくれてに歩いてるようでした。
それに足を引きずっていたのでよく見てみると前足から出血が。恐らく猟師の人に撃たれたのでしょう。
とにかく熊さんの治療をしなければいけません。
しかしお腹が空いていたのか私を見たとたん襲い掛かってきました。今は冬眠に向けてたくさん食べないといけませんからしかたありません。
「ダメですよ! ケガしてるんですから動いちゃいけません!!」
そんな熊さんに私は一喝しました
すると熊さんはおとなしくなりました
とりあえず常備していたマクロンとバンソウコウで応急処置をして熊さんを匿う場所を探しました そしてあの場所にたどり着いたのです
その後ちゃんと家から救急箱を持ってきて手当てをしました
その時
「こら! じっとしててください!」
熊さんは少し暴れたもののなんとか手当てができました
そして家にある食料をたくさん持ってました
きっと足りないだろうけど……
「たくさん食べてくださいね」
私はその食料を差し出しました
熊さんは恐る恐る差し出した食料に向かうと臭いを確かめ、ゆっくり顔を近づけ食べはじめました
「そういえば……まだ私名乗ってませんでしたね? 私宮内遥っていいます。あなたの名前は……あるわけないですよね……」
黙々と食べている熊さんの横で私はしばらく考えました
「う〜ん、何がいいかな?」
ふと思い浮かびました
「ライアン。そうだ! ライアンよ! 今日からあなたの名前はライアンです!」
そうやって私は勝手に熊さんの名前を決めたのでした
それから私とライアンの日々が始まりました
「てなわけなんです」
今までのことを話した遥
「まぁ大変だったんだね……」
どこからツッコめばいいかわからないから僕はそう苦笑いを浮かべるしかなかった
「ホントに何から何まで遥ちゃんらしいわね」
珍しく優しい笑みの伊織
「それにこの子とも仲良くなるのも遥ちゃんぐらいしかいないだろうし」
冗談半分のため息をつく茜
「お前にそんな一面があったとはな」
驚く斉藤
「でこのライアンとやらはいつまで面倒みるつもりだ?」
現実に引き戻す由良
「そ……そうですよね? いつまでもっていうわけにもいきませんし……ケガが治るまでみようと思ってます」
そう由良を真っすぐ見つめた
「そうか」
そのサッパリ一言で終わった
その日から僕たちもライアンの世話に参加するようになった
「食べすぎだよ」
大食いのライアンに圧倒される僕
「ちょっとくすぐったいってば」
ライアンになめられ笑う茜
もともとライアンが人懐っこいのかそれとも遥がそうさせたのか警戒心のに強い熊にとってこうやって人間と遊んでることはとても珍しい。
それから数週間が過ぎ傷も大分癒えてきたころ
「ここか」
一人の男が廃工場の前にたっていた
「ちょっと君たち? いいかな?」
男の人にそう言って中に入ってきた
しばらくライアンの全身をくまなく観察し
「間違いない」
一人男の人は納得してこう告げた
「これからこの熊を射殺します」
次回
やっと2クール目の話が終えた・・・
ということで次回の第27話は番外編
やっぱりさ、更新が途絶えるのはあれじゃね?
え? まだ遥ちゃんの話終わってないよ~?




