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第21話 いや勝ってもらわなくては困ります

どうも2月ぶりです(汗)

おそらく一連の信虎君の話は支離滅裂だとおもいますが気にしないでください(笑)

「ちょっとお話が」

と彼女に手を引かれ、

「え? ちょっと! 待っ」

何もできずただ車の中へ連れていかれる僕でありました。




ついたのは街のファーストフード店。

そこでハンバーガーとオレンジジュースを頼み席に着きます。

「私は、小倉智子さんの後輩の高井梢枝と申します。実はお願があるんです!!」

と梢枝さんがかしこまりました。

「智子ちゃんの後輩……」

その言葉で何を聞きに来たのか範囲は絞られます。

「先輩を、智子さんを助けてください!!」

と頭を下げる彼女。そんな彼女に僕は

「助けるってどういう……それに彼女とは別れましたから、もう関係ありません」

冷めたひと言。

「本当にそれでいいんですか? このままだと本当に加藤秋真のモノになっちゃいますよ!!?」

またこの言葉。この言葉をここ数日何回聞いたでしょうか?

「いいですよ、もう。お役御免って感じだし。結局敵わなかったんだから」

と自嘲的になりました。

「逃げるんですか?」

と梢枝は真剣な顔で睨みつけるようにそう聞いてきました。

「だって仕方ないじゃないですか。 好きな人ができたって言うんですから、だいたい勝ち目ないしそれに僕が行ったところで迷惑なだけですよ」

と諦めに似た一言。

「そうですか……あなたにとって先輩はその程度だったんですね!! がっかりです!」

とイラついた様子で席を立ち、去ろうとしました。

「違う……そんなんじゃありません……本当は!! 僕!!」

と声を大きくすると彼女は振り向き、再度僕を見ました。

「本当は……悔しいです……でも聴いたんです。罰ゲームでいやいや付き合ってたって、僕に気持ちは最初からなかったみたいですから。それに僕と智子ちゃんじゃ誰が見ても釣り合わないから。向こうはとてもイケメンだし、しっかりした人だし、僕なんかじゃとても相手になりません……」

そう言う僕をみて彼女はニヤリと笑いこう言いました。

「そんなことはありませんよ。十分勝機はある。いや勝ってもらわなくては困ります」

その言葉に一瞬耳を疑いました。

「それってどういうことですか?」

僕は聞き返しました。

「あなたは彼の本当の姿を知りません。あなたが見ている、いやみんなが見ている加藤秋真は仮面を被っているのです」

「彼の本当の顔……?」

再度復唱しました

「そして今回の一連の報道の真実も」

と彼女は真剣に僕を見据えて言いました。

「まずはこれ」

と梢枝ちゃん取り出したのはICレコーダー。

何か録音されているようです。

「では聞いてみましょう」

そこに入っていたのは




「なぁあれって本当のか? 秋真」

そんな質問する男の人。どうやらどこかのドラマ現場のようです。

おそらく共演者なのでしょう?

「あれって?」

「あれだよ。智子ちゃんの熱愛報道」

とぼける秋真に対して説明する共演者。

「ああ。本当だよ? あの子は俺のものになるために生まれてきたんだ」

「この間まで新人アナウンサーの玉田美由紀、その前はベテラン女優寺本里桜。ホント飽きねえな」

共演者は皮肉を言う。

「うっせー。今まではお遊びだ。でも今回は違う。やっと運命の人が現れたんだ。必ず手に入れるよ。 どんな手を使ってでもね……」

そう言う秋真に

「あ〜怖い怖い」

とからかう共演者。

「本番はいりま〜す」

スタッフの声が入る。

ここで止まっていました。




「これは?」

そのICレコーダーの中身について聞いてみました

「これとある所に頼んで調べてもらったんです」

犯罪と思いますが、あえてスルーします。

「これが彼の本当の姿です。そう、目的のためなら手段を選ばない。それで何件も事務所がつぶれたということもありました」

「それで今回は?」

と恐る恐る聞いてみます。

「まず彼のお祖父さん、加藤潤一は国会議員ってことは有名な話ですよね?」

確認を取る梢枝ちゃん。

「はい。何度かテレビでみました。それと今回の熱愛報道とどういう関係が?」

その確認に疑問を持つ僕。

「その加藤潤一の支持が多い業界が芸能界。いろいろと芸能事務所から献金をもらったり、芸能事務所の支援もしてます」

芸能界の裏のドンといったところでしょうか? 僕はピンときました。

「ということは利用したということですか?」

思いついたことを即座に聞きます。

彼女はゆっくり大きく頷き

「そう、彼には甘い加藤潤一は彼の言うことを何でも聞きます。不都合が起こればお祖父さんに言っていたそうです。今回も手回しして報道関係者に情報を流し、それを認めさせるのです、圧力をかけて。これを認めないと事務所を潰すとね。もちろんバックに大きな組織があるため上層部は手出しできないため説得するのです。彼女もそのことを知っているので従わざるを得ません。これで今回の件も認めないといけなくなったというわけです。

こうしてこの一連の報道の全容が明らかになったのです。彼女はじっと僕を見て

「これを聞いてどうします? それでも関係ないと意地を通すか、それとも……」

僕の答えはもう決まっていました。

「……行かせてください……加藤秋真の所へ行かせてください!!!」

僕がその答えをだすと彼女は一瞬鼻で笑い

「そうこなくっちゃ」

と彼女はどこか安心したように微笑みかけました。

僕たちは彼、加藤秋真の所へと向かいました。




「これでOK?」

と呆れたように尋ねる女の人

「はい。ありがとうございます。これで彼も」

「で君はどうなのよ? 一緒に暮らしてんだし」

その人のお礼にからかう女の人。

「今は関係ないじゃないですか」

と恥ずがるその人であった。




僕たちは向かったのは加藤秋真の所属事務所、和田部プロ。彼女を返してもらいに。

そしてこの問題の終止符を打つため……

「加藤秋真に会いたいんですけど?」

「あの……非常に申し訳ございませんが、一般の方の立ち入りはお断りさせていただいております」

しかし受付で門前払いでした。まぁ当たり前ですがね。

それでも僕たちは食い下がります

「彼に会わせてください!! 話したいことがあるんです!」

「お願いします!」

と梢枝ちゃんも頭を下げます。

すると

「なんだか騒がしいなぁ〜」

と彼が階段から下りてきたのです。

ご都合主義お許しを。

「誰かと思えば、君は智子さんに付きまとってるストーカー君ではないか」

わざと大きな声そう言ってニヤリと嫌な笑みを浮かべます。

広いフロアの周りの人たちは一瞬僕を見ます。

「ストーカーだってよ」

「うわ〜キモ!」

という痛い視線。

「まぁいいや。僕に話があるって言ってたっけ? 聞いてあげるよ」

「でも次の仕事が」

マネージャーがそれを止めるが適当に理由つけて遅れると連絡しろと振り切った。

「じゃあ行こっか」

そして僕は外へ出た。

「話ってなんだい? もしかして彼女を返してほしいとかいわないよね?」

秋真は温和な表情で尋ねた。

「そうだよ」

と答えると、彼は僕に近づき思いっきり腹部を殴りました。とても重くずしんと入り僕はその場でうずくまりました。

「信虎さん!!」

梢枝ちゃんが思わず叫びます。

「ふざけんなよ! 寝言は寝て言え! じぶんの顔を見てみな。誰が見たってキモいんだよ!! お前なんか誰も相手するわけないだろ! それに言ったよな? お前じゃ智子さんじゃ釣り合わないって! お前なんか二次元の中だけで生きとけばいいんだよ!!! この!! この!!」

秋真はサッカーボールをけるように僕蹴り飛ばし、踏みつけましてました。

「もうやめてください! 彼、ぐったりしてるじゃないですか!!? これ以上」

梢枝ちゃんが必死でやめさせます。しかし

「そんなん知らねえよ。こいつが傷つこうが、死のうが。それにおじいちゃんに頼めばこんなのもみ消せるしな。なぁこの最低ストーカーオタク野郎?」

彼は僕の胸倉つかみ一発殴ると僕は吹っ飛びなおも彼は殴り続けます

「なんだ? ケンカしてるぞ?」

「あれって加藤秋真じゃねえか?」

そしてだんだん野次が増えていきます

「どっちが最低なんですかね?」

ボソリと彼女は口を開きました。

「なんだと?」

と秋真は振り向きます

「結局はおじいさんなんですね? 目的のためならおじいさんの力を使い、無理やり自分の思い通りにしていく。何か不都合が起きればすべておじいさんに尻拭いをさせて。それでいてすべて自分の力でやったんだって思ってる」

口調を強くします

「何が言いたい?」

彼は彼女を睨みつけます。

僕は立ち上がり

「本当に欲しいものは這いつくばってでも誰の力も借りずに自分の力で手に入れようとするもの。少なくともいま言えることは自分で売った喧嘩くらい自分でかたをつけろってことですよ!」

と僕はだんだん彼に近づき、後ろから襲いかかり右ストレートが左頬に綺麗に入り彼は倒れました。

「ぼく勝ったんだ……」

そして僕はいしきが途切れました




眼が覚めると野次は引き、

「目覚めたんだね? どこか痛くない?」

見上げると智子ちゃんの心配そうな表情がありました。

「智子ちゃん!! なんでここに? 痛い」

僕はびっくりしました。しかし体は動かせません。

「大声出すからよ。梢枝ちゃんから連絡あってね。急いできちゃった」

と満面の笑み最高にかわいいです。

「ありがとう。加藤秋真はどうなった?

僕お礼を言ってその後動向を聞きました。

「病院に運ばれたよ? 加藤さんの車でね。結構騒ぎが大きかったからニュースになりそうな感じだね」

深刻な彼女の口調に僕は

「そ、そうだね……人気若手俳優に傷をつけたって厳しい非難をうけるかもね……」

僕はいつになく落ち込みます。すると

「なんてね。今回は裏で加藤さんが手を回してこの事は表沙汰にはならないようにしてあるから、大丈夫」

安心する一言。

「そっか」

ホッと一安心。

「そういえば梢枝ちゃんから聞いたよ? 秋真のでまかせ聞いて信じたんだって?」

でまかせ? 何のことでしょうか?

「なんのこと?」

尋ねてみました

「罰ゲームでいやいや付き合ってたって」

「いや、それは……」

うろたえる僕。

彼女は膝の上にある僕の額をぺチンと叩き

「信じたんだ? ひど〜い私、そんなに信用されてない?」

彼女はため息をつきます。

「そんなことないよ」

必死でフォローします。

逆効果だったみたいで

「やっぱり信用されてないんだね……」

さらに落ち込むと

「仕方ないな〜信用出来ないのなら信用させてあげる」

こう言って彼女の顔は近づけ何度目かの唇を交わしました。

初めてよりもドキドキしたかもしれません。

「これで信用できた?」

恥ずかしそうに顔が赤いです。

「う、うん。ぼ、僕も智子ちゃんに釣り合うように頑張るから!」

ムードをぶち壊しのここでいう必要のない宣言をしましたが、彼女は

少し笑い

「頑張って」

と包み込むような表情でその一言だけでした




翌日

朝、僕はいつものようにテレビをつけました。

それを見た瞬間かたまりました。

やっていたのは朝の情報番組。いつものように芸能ニュースに芸能記者の人と女子アナがスポーツ紙の1面の紹介をしている。そこには

「加藤秋真VSオタク、勝者はオタクトモちゃん、勝利のプレゼント」

とでかでかと書いてありました

記事の内容はもちろん昨日のことキスの写真まで載せてありました

「嘘だろ……」

こうして僕たちの関係は公に知られることになったのです


ついに2学期、生徒会最後の大仕事の文化祭の準備に励む伊織であったが・・・

次回、大丈夫ですか?

伊織さん〜!!!

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