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第20話 無理してんな? ありゃ

やく2ヶ月ぶりです(汗)まだ信虎くんつづきますが気にしないでください(笑)

「嘘だろ……」

僕はこれを見た瞬間いっきに体が固まってしまいました。背筋が凍るってこういうことをいうのでしょうか? 愛する彼女の熱愛報道、頭が真っ白になるのは当たり前。とりあえず学校にはいかなければなりません。

「いこっか? くるみちゃん」

こうして虚ろな目で学校へ向いました。



加藤秋真。人気急上昇中の若手イケメン俳優です。壊された日々というドラマでデビュー。それが密かに話題となり、ノートパソコンのCMで一気に知名度が上がりました。演技はうまく、誠実でとても優しいと周りから言われています。その上おぼっちゃまときてる。僕には足元にも及ばない……




僕が学校につくと

「あの見た? 小倉智子と加藤秋真の熱愛発覚」

「あ〜あれかなりショックなんだけど。私、秋真のファンだったのに〜」

とかなり落ち込む女子。

「そうだったんだ?」

「ホントむかつくよね〜あの女のことだからきっと秋真を色仕掛けでもしたんでしょ? あの女マジで許せないんだけど?」

こんな会話や

「朝の見た?」

「ああ! 見た見た! トモちゃん顔に似合わずやることはやってんだな」

という男子たちなど。

彼にとってはとても心ない言葉が飛び交います。

(なんだよ! なにもしらないくせに!)

僕は拳を握りしめました。

(うだうだ考えてたら、谷口君たちに迷惑がかかる。とにかくいつも通りに)

そう思いながら教室へ向かいました。




教室につくと

「ほら! 謝れ!」

と村内くんが2人をつきだします。

「マジでごめん!! まさか本当にそうなるとは思わなかった」

「縁起でもないこといっちまったな……悪い!」

何のことだと思えば2人は昨日のことを言っているようでした。

「ああ別にいいって」

気にしてないそぶりを見せます。

「大丈夫か?」

倉本君が言葉を発する。

「何が?」

といつも通りに振る舞います。

「トモちゃんのことだよ?」

福川に尋ねらました。

「ああ、全然気にしてないよ?」

「加藤秋真ってけっこうかっこいいらしいしね」

そう他人事のように言いました。

「お前それでいいのかよ?」

と問い詰められましたが

「遠くの親せきより近くの他人っていうしね。仕方ないんじゃない? ねぇ〜くるみちゃん」

いつものようにくるみちゃんと話した。

(いつも通り、いつも通り……)

「それはちょっと違うぞ?」

と村内が突っ込みました。

「そっか、そっか。アハハハハ……席につこうか? くるみちゃん」

と僕は席に着きました。

(ふぅ〜何とかごまかせた)

とホッとする僕。




そんな僕をみて

「無理してんな? ありゃ」

と心配する村内くん。

「やっぱりそう見える?」

谷口くんも答える。

「やっちゃったな……」

と苦笑いする倉本君と福川君。

「このままじゃ元に戻ってしまうわ」

と水島さんは考え込みます。

「いや下手したら……」

とつぶやく村内くんでした。




その頃、

「いいね!! くれぐれも頼むよ!」

と最後にそう念を押され個室で社長や上司を交えた今回の件の話終えた。そして私は

「はぁ〜……」

とため息をついた。そこに

「これはどういうことですか!!?」

と詰め寄るのは事務所の後輩のシンガーソングライター、高井梢枝。彼女は唯一事務所の中で信虎くんのことを知っている。

少し興奮気味での彼女を落ち着かせる私。

「ちょっと! 落ち着いて? まず深呼吸しようか」

そして彼女も落ち着きを取り戻す。

「でこれはどういうことなんですか?」

と改めて尋ねられる。

「見てのとおりよ」

「それじゃあ今日のワイドショー全て……」

梢枝ちゃんの動きが止まる。

「トモちゃん? 行くよ」

とマネージャー声がかかる。

「ちょっと! まだ話は!!」

という梢枝ちゃんを無視して仕事に向かった。




僕は今朝のショックで今日一日を無気力で過ごしていました。力は出るわけもありません。

そんな僕の前に彼が現れた。そう校門には加藤秋馬です。とてもカッコイイです。思わず見とれてしまいました。

「ちょっとあれ見てよ?」

「あれって加藤秋馬じゃない?」

「なにやってんだろう? 行ってみよう」

と下校する生徒が気づいたようです。

そして下校中の僕に彼は口を開きました。

「君か? 智子さんに付きまとってるってやつは? 困るな〜 そんなことされたら」

「そんなことしてません!!」

僕は否定した。

「へ〜? いつもメールしたり、電話したり彼女のイベントに必ず手作りの差し入れを持っていったり、それを押し付けたりそれが付きまとっていないといえたもんだな」

とどこから仕入れたのか僕が智子ちゃんにいつもやっていることを次々とあげていく。

「聞いた? 今の?」

「だいたいなんでアドレスや番号知ってんだ?」

「完璧にストーカーじゃん」

と野次が引きます。

「だいたい君は付き合ってると思っているかもしれないが、彼女は全くそう思っていないみたいだ? むしろ困ってるって聞いたよ」

と淡々と彼は説明します。

「どういうことですか? 向こうから告白してきたんですよ?」

わけがわかりませんでした。向こうが告白してきたのです。困るくらいなら最初からそんなことはしません。

「実はあれゲームで負けて仕方なく告白したんだと。それで君がOKしたもんだから告白した手前断れず無理して付き合っていたんだって。つまり君は最初から相手にされてなかったってこと。わかる?」

彼は僕に言い聞かせるように言いました。

「そんなことありません!!」

と全力で反論しました。

「どう反論しようとかまわないけど、みんなの目はどっちが正しい思うかな?」

と余裕の笑み。そしてこう続けました。

「それに君と智子ちゃんでは釣り合わない。君みたいなオタクと今をときめくアイドルである智子ちゃんではね!!」

と明確な一言。決定打を打ち彼は去って行った。

間が悪くこの言葉だけ聞いたので

「うわ〜オタクだよ……」

「いるよね? 妄想と現実を一緒にする人」

「お前とトモちゃんと付き合ってただと思いあがりもいい加減にしろよ!!」

「きっと強要されたのね。怖かったのね? かわいそうに……」

「加藤秋真の言う通りだよ。 自分の立場をわきまえろって〜の! 一般人ならともかく。だからオタクってやつは……」

と何も知らない野次馬に罵詈雑言を浴びせられます。

(やっぱり……オタクなんて……)

そして僕は立ちつくしたのです。




(ふん、これで邪魔者はいなくなった。もともと俺の足元に及ばなかったがな)

と心の中でほくそ笑む。そして必死で笑みをこらえる秋真であった。





事務所についた私は、一気に何かが込み上げてきてその場にいた梢枝ちゃんに泣きついた

「うわ〜ん!! 信虎君と別れたくないよ〜!!」

そんな私を見た梢枝ちゃんは

「どうしたんですか!!!?」

と驚いたものの

優しく受け止めてくれた

しばらくして

「落ち着きました?」

という彼女の眼差しは優しい母親のようだった。

いつの間にか今回のことを話している自分がいた。



案の定だった。

熱愛報道後の信虎は前にもまして自分の殻に入るようになった。いやこうなったのは熱愛報道だけの原因じゃないようだ。しかしそのことは話さない。それどころか

以前のように話しかけても返事をしない。ついにはあのくるみちゃんとも話さなくなった。そして、どことなく虚ろでため息ばかり、空という感じだ。

やはり本人は気にしてない風に装ってはいるものの相当こたえているようだ。

「あれは重症だね……」

「やっぱりな……」

と僕たちは信虎を見てため息をついた。

(なんとかしてあげたいな……そうだ!!)

僕はあることを思いついた。そして教室を1人でていった。




彼女から別れを切り出して数日、僕が抜け殻のようになっていました。そんなある日のこと

その日放課後ある女の子が正門に立っていました。

「あなたが大道信虎さんですね?」

と尋ねられます。

「そうですけど。何か?」

僕がそう答えると

「ちょっとお話が」

と彼女に手を引かれ、

「え? ちょっと! 待っ」

何もできずただ車の中へ連れていかれる僕でありました。

完璧にフラれた信虎 次回 いや勝ってもらわなくては困ります

大道信虎、男……見せます!!

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