第19話 どうでしょうね!?
今回は久しぶりの信虎君ストーリーです^^
そして今回はいつもよりよりべたですが、気にしないでください(汗)
「ありがとうございます〜」
「応援してますからね!!」
とファンに握手して声援をもらう。
ここはとあるアニメショップ。今ここで若手人気アイドルのCDお渡し&握手会が行われていた。
そのアイドルの名は小倉智子。押しも押されぬ人気急上昇中のアイドルだ。
「また買いますからね?」
「ありがとうございます」
とファンに対応しながら周りを見回す。すると
(あ! 信虎君だ!! 来てくれたんだ? わざわざ)
と自分の恋人が来たのを確認する。自然と心が暖かくなる。思わず信虎く〜んって叫びたくなる。
「あの〜……」
とお客の一人が呼びかける。
「あ! すいません。ありがとうございます!」
信虎くんに見とれてしまった私は我に返り、
(いっけない、いけない。仕事、仕事!)
と仕事に集中する。
「久しぶりに会えるね?」
並んでる間いつものようにくるみちゃんに話しかける信虎。
周りは
「うわ〜……こんな奴もトモちゃんのファンとは」
「いや、こんな奴だからだよ。現実に女の子と触れたこともないから、トモちゃんに幻想を抱いてるんだよ」
と引いた目でみる。
そして信虎の番
「ありがとうございます」
とCDにサインをして、握手する。
そして
「来てくれてありがとね。くるみちゃんもありがとう」
とくるみの頭をなで小声で智子はニッコリと笑う。
「あ! これ差し入れ」
と弁当をこっそり手渡す。誰も気づいていない。
「ありがとう。いつもいつも。信虎君のおいしいよ」
「そういってもらってうれしいよ」
信虎はいつもイベントに来ればこうやって弁当を持ってくるのだ。
「じゃあね。ありがとうございます」
と普通のファンのように去って行った。
そうお互いは特別な存在。だが周りは信虎のクラスメートしか知らない。
イベントも全て無事に終わり
「お疲れ様でした!!」
と会場を後にする智子。
「お疲れ〜」
「また来たんですか?」
そこには人気イケメン若手俳優の加藤秋馬であった。
「懲りないですね。しつこいですよ?」
嫌悪感丸出しの口調
「いや〜粘り強いって言ってほしいな? それにたまたま現場が近かっただけだよ。どうこれから? もうこれで今日は上がりなんだろう?」
と詰め寄ってくる。
「結構です!」
相手にもせず、きっぱりと断り智子はマネージャーの車に乗り込んだ。
(あのクソ女が……)
その帰りのマネージャーの車の中
「良かったね? お客さんたくさん来て」
「ええ。そうですね」
今日の成果について話す二人。
「でも一人、とても気持ち悪い人いたよね。なんかフィギアと話してた人。あれ絶対オタクだよ……ああいうの気をつけたがいいよ?」
と嫌そうにいうネジージャー。
「いいじゃないですか? ファンになってくれてるんですから」
とフォローをする。
「まぁね? でもこんな仕事してない限り絶対関わりたくないね。ああいうの。そう思うでしょ? トモちゃん」
まるで汚いものでも見るかのような言い方に
「どうでしょうね!?」
と強い口調で智子はプイっとそっぽ向いた。
やはり好きな人の悪口を言われるといい気分ではない。
「オタクってそんなに嫌われるのものなのかな?」
と智子はボソッとつぶやいた。
翌日
「どうだった? トモちゃんのイベント。行ったんだろ?」
と福川くんがつめよる。
「ちょ、ちょっと近いよ……くるみちゃんもびっくりしてるじゃないか」
と戸惑う信虎。
「楽しかったよ?」
と平然と答える信虎。
「そうじゃなくて、ちゃんと話せたのか? ちゃんと」
という問いかけに
「いや何も。でも小さな声でありがとうって言われたよ?」
信虎は何気なく答える。
「それだけかよ!」
とツッコム倉本。
「だって仕方ないじゃない? 向こうは仕事中だったんだし……」
と信虎はそういった。
「いいのかな? 本当にそれで?」
目を細めて信虎を見つめる福川。
「なに?」
福川の行動に信虎は少しうろたえる。
「向こうはあの芸能界にいるんだぜ? スキャンダルの一つや二つあってもおかしくないだろ?」
続ける福川たち。
「どういうこと?」
と信虎はつめよる。
「お前らやめとけって。大道がかわいそうだろ?」
と村内が割って入る。
「そうだよ」
と僕も便乗する。
「だってよ? あのトモちゃんだぜ? 実際スキャンダルがないにしても裏で何してるか分かんないぜ? もしかしたら……」
と不満そうな顔の倉本。
「裏の世界で……ってやつもありそうだもんな?」
「そうそうこの間もアイドルの裏世界のカリスマって言われてた人が捕まってたし」
「やっぱり、芸能界って怖いな」
「変なこと言わない! 大道君みてよ?」
と目線を信虎に向けると
ブルブルブル
震えていた。
「そんなことない、そんなことない。そうだよね? くるみちゃん」
と信虎はうずくまり、ボソボソとくるみちゃんに話しかけていた。
「ほら! もう自分の世界に入っていったじゃない」
「冗談だ、冗談」
と申し訳なさそうにフォローする。
それを見ていた由良は
「弱い者いじめなどけしからん!!」
という一言だけだった。
「で? 最近はどうなのよ?」
と女子も食いついてくる。
「最近は、昨日久しぶりに電話したよ」
とオタクの恋バナ談義に花を咲かせた。
(学校では自分の世界に入ってたけど、智子ちゃんは大丈夫だ。行ってた通りにはならない)
とどこかに変な安心感を持っていた信虎であった。
そんな矢先のことだった信虎のその安心感がもろくも崩れさるのは――
今日も一日が終わり
「もう寝ようか?」
とくるみちゃんに声をかけベッドに入りかけた時ケータイがなった。
着信を見ると愛する智子ちゃん。テンションが上がり電話に出ると
「もしもし信虎くん? 急にごめんね?」
その声は信虎のテンションに反してとてもさめた声であった。
「どうしたの?」
元気のない智子を気にかける。
「あのね? ……この関係お終いにしましょう」
声を詰まらせそう続けた。
「え……?」
一瞬わけがわからずおもわず聞き返してしまった。
「私、好きな人ができたの。 だから別れましょう?」
「どういうことだよ!!」
突然の最後通告に動揺する。
そして
「さよなら」
と一方的に電話を切る智子。
そして翌朝
何気にテレビをつけた信虎は衝撃を受けた。
一瞬目を疑った。これは夢なんだとも思った。しかしこれは現実……
やっていたのは朝の情報番組。いつものように芸能ニュースに芸能記者の人と女子アナがスポーツ紙の1面の紹介をしている。そこには
加藤秋真、小倉智子熱愛発覚!!の文字。
「嘘だろ……」
智子の突然のスキャンダル騒動 果たして本当のことなのか
次回無理してんな? ありゃ
大丈夫かな? 信虎くん




