第14話 路線変更をしてみたらどうだ?
番外編です
2クール目からもよろしくお願いします
「ちょっと!! いままで書いてたやつじゃないじゃないの!!」
と茜は怒りだす。
「仕方ないじゃない。まだ次の話ができてないんだし」
と僕がなだめる。
「そうなのか?」
と質問する由良。
「そうなんだよ。それにこれから今後に向けて大事な話し合いをするんだから」
「話し合いって何ですか?」
と遥は首をかしげる。
「そうだよ。6月から連載してきたこの気弱な僕の強気な生活(仮)ついに2クール目に入りました。ついにユニーク総数も1万7千人突破(2008年8月29日現在)して勢いに乗っています。そこで今回はもっと盛り上がるためどうすればいいかをみんなで考えたいと思います」
「はい」
と勢いよく手を挙げる斎藤。
「はい。斉藤さん」
「路線変更をしてみたらどうだ?」
「どういうことですか?」
「つまりこういうことだ」
ある日俺は恋をした……
あの時まではただのイラつく気弱なもやしっこだったのに……あいつと関わるたびにものすごい弱くて、頼りなくて、オドオドしてていらつく。でも誰よりも強くて、頼りになるやつで優しい。いつもこいつのペースに巻き込まれる。
なぜだろう? あいつを考えるだけで胸がいっぱいになり何も考えられなくなる。
あいつばかりを見てしまう。
ぼくはある日恋をした……
あの時まではものすごい怖い人だったのに……
あの人と関わるたびに、怖くて、暑苦しくて、ウザい。でも誰よりも不器用だけどおおきて、広くて温かい。
なぜだろう? あの人を考えるだけで胸が苦しくなる
あの人のことばかり思い出しちゃう…
そうやって2人は禁断の花園へ入っていく……イジメラレっ子と体は大きいけどとても優しい男の子が織りなす禁断の純愛ラブストーリー弱気な僕の強気な生活(仮)好評連載中
「てのに変えていくのはどうだ? きっと女性読者は増えるぞ」
と自信満々に親指を立てた。
「却下」
「却下だ」
「却下ね」
「却下ですね」
「却下に決まってんじゃない」
一往にみんな否定する。
「なぜだ!!! なぜなんだ!!? 」
と斎藤は大げさに落胆する。
「完璧に趣味に走ってますよね!!?」
「いやそんなことないぞ? もっと女性の読者をだ」
「まず、気持ち悪い。だいたいその系統は一部の人にしか受けませんよ。よって却下です」
と説明する僕。
「そうか……」
と大げさに肩を落とす。
「斉藤君は趣味に走るからいけないのよ」
と伊織が口を開く。
「ほう? では明神いい案はあるのならぜひ聞かせてもらおうか?」
伊織の言葉に不満を持ったのか斎藤は好戦的な口調になった。
そこは麻薬密売組織。そう私たちは大物政治家が関与しているという情報が入りこの潜入取材を命じられたのだ。
壮絶な現場。死といつも隣り合わせ。
果たして私たちは取材は成功するのか?
ヘタレ新人社員と敏腕女性記者が送るガンアクション満載のハードボイルドストーリー気弱な僕の強気な生活(仮)好評連載中。
「てのはどう?」
と提案する伊織。
「めちゃめちゃ世界観変わってるよ!!」
と僕はツッコむ。
「いけない? 題名とぴったりじゃない」
と悪びれた様子もなく答えた。
「ぴったりじゃありません!! 全然! これは、基本ラブコメディーです!! どこから拳銃とか出てきたんですか!!? いきなり世界観がかわりすぎると読者が混乱します」
「ほら某軍隊の子がとあることから女の子を守ることになった話あるじゃない? あれみたいに兵器や武器を使って非常識な行動みたいな感じでやればラブコメは変わらないわよ」
と反論する伊織。
「パクリです!!」
「それならこれは?」
「却下の方向でお願いします」
「そう」
と伊織はため息をついた。
「これならどうでしょう?」
とおずおずと遥が手を挙げた。
私の名前は宮内遥ごく普通の高校生。でも私には秘密があるの。それは……
ボーンボーンという爆発音で街の建物が壊されていく。
「また街が攻撃されてるよ!! 遥」
と私の相棒、魔法獣のクルが私に語りかける。クルは魔法獣だけど見た目は小鳥の姿なの
「わかったわ」
そして私は路地裏に隠れ
「ランク・ルー・ギランダー!!」
と唱え変身する。ピンクふりふりのスカートに胸には真っ赤なリボン右手にはステッキを持って戦う少女
そう私の秘密は世界の平和を守るために戦う魔法少女ハルカなの。
「やめなさい!! これ以上街を壊させないわ!!」
「来たな? 魔法少女ハルカ! 今日こそお前の息の根を止めて、世界征服してやる」
という怪人
「そんなことさせない」
「果たしてそれはどうかな?」
怪人からは無数の触手が伸びてきてハルカを拘束し、身動きできないようにした。
「これで終わりだ!!」
と怪人の触手から何十万ボルトという電流が流れた。
「う〜」
だんだん意識がもうろうとしていくハルカ。ハルカの絶体絶命のピンチ!!
そんなとき救世主が現れた。
「ハルカ!!!!」
という叫び声。その叫び声で朦朧としていた意識もなくしかけていた気力も取り戻した
それはクルだった。クルの口ばしでどんどん触手は切れていった。
「うわ〜!! なんだと!!」
拘束されていたハルカは解放された。一気に形勢逆転。
「いくわよ!! クル!」
「OK」
クルは形をかえ巨大バズーカに変身した。
説明しよう魔法獣は魔法少女と一体化して武器になることができるのだ。
「愛のクラック砲発射!!」
巨大バズーカから出た炎は一気に怪人迫ってきた。
「まだ童貞だったのに〜!!」
という最期の一言を残して怪人は儚くも散っていった。
こうしてまた世界の平和を守ったのであった。
少しドジで方向オンチな遥ちゃん。でもひとたび変われば魔法少女に大変身。
魔法少女ハルカ今日も元気に活動中!!
「というのはどうですか?」
「題名がもう変わってるよ!!」
「萌え〜!!」
どういや斎藤は虜になったようだ
「これで決定だな!!」
と興奮する。
「いいかもしれないね。遥ちゃんそういうの似合いそうだし」
と冷静の僕は言った。
「本当ですか?」
と嬉しそうな遥。
(よしいままで出た案を整理してみよう。BL、ガンアクション、魔法少女と)
「他には? ないかな?」
「時代ものにしてみるのはどうだ?」
と腕組みをする由良。
世は戦国時代。下剋上なんて当たり前。そんな中一人の女剣士がいた。
彼女の名は涼風由良。とても腕が立つ。別名風来坊の由良。彼女が戦乱を鎮めるべく
旅に出た。行くところ行くところ刺客と遭遇したり、村に入れてもらえなかったり。前途多難な旅となる。果たして戦乱を鎮め、平和にすることができるのか?
風来坊の由良好評連載中。
「ていうのはどうだ?」
「それも世界観が変わってるから難しいね。てかなんで路線変更説ばっかりなの?」
「そうか。いけないのか」
と由良はまた考え込む。
「茜はどう思う?」
とぼくは茜に聞いた。
「まぁベッタベタな感じだから大どんでん返しとかあったらおもしろいんじゃない。思いつかないけど」
「そっか。倉本君は?」
「特にないな」
「わかった」
「ということで第1回企画会議終了!!」
斉藤の出来ことから数日後龍二は映画のチケットを見つける
次回、だから一緒に行かない?
ぎりぎりだ・・・




