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第13話 あんな恥ずかしいことできなよ……

何と1クール!!

それにユークス16000人突破本当にありがとうございます!

夏休みに入って僕は倉本たちの手伝いとして柔道場に駆り出された。

「うりゃー」

「セイヤー!!」

と大きな声が木魂する。

「休憩!!」

「はい」

とみんなどこかの軍隊のような返事する。

「すごいね」

僕は稽古の風景に圧倒されて

「うん。なんかおとこって感じ……」

茜も顔が引きつってうなずいていた。

「なぜ私はこんなの見学しなきゃならんのだ」

「何を言っておるか!! 由良。柔道というもの武士道の一つ。

剣の道にも通ずるところもあるはずだ」

嫌がる由良に説教をする厳燐丸。

「なんか練習に熱入ってますね?」

「それもそうだよ。もうすぐインターハイなんだから」

パシャパシャと写真を撮りながら答える倉本。

「誰か出るんですか?」

と遥が尋ねる。

「斉藤さんじゃないの?」

「その通り。他にも三人でるんだ」

と伊織ははりきって答える。

ふと僕は斉藤さんを見てみると

はぁ〜と何度もため息をつき、深刻な顔している。

「なんか斉藤さん元気ないね」

「よくわかんないけどスランプらしい」

「どういうこと?」

「練習も最近やる気がないというか力が出ないみたいで、この間の練習試合だって

格下相手に負けちゃったんだ」

「お! 来てたのか? しっかり見学してろよ」

「はい」

どこか浮かない顔が印象的だった。



数日後

「斉藤さんが変?」

「ええ、そうなんです」

と部活が終わった後、神妙な面持ちで語るのは柔道部の副部長、光瀬和太雷みつせわたらい

そして続ける。

「最近ずっと浮かない顔で取材のときでも見てくれたように部活もあんな感じだし……」

「まぁ確かに前よりもやつれた感じはあったわね」

と取材の時の感想を言う伊織。

「それに見たんです。斉藤さんがちっちゃい女の子と一緒にフィッシュロードに入って行くところを」

「フィッシュロードだって!!?」

「フィッシュロードですか?」

「フィッシュロードって、あの!!」

と僕と遥、茜がさらに驚く。

「フィッシュロードってなんなのだ?」

もちろん来たばかりの由良は知らない。

フィッシュロードとは風俗店やラブホテルが立ち並ぶ通り。

そのことを由良に説明すると

「いかがわしい!!」

と一蹴した。

「お願いです!! その原因を突き止め元の斉藤さんに戻してください!! このままだインターハイ三連覇どころか一回戦で負けてしまいます。そうなると斉藤さんの夢そして僕たちの夢が潰えてしまいます。斉藤さんに憧れて入ってきたという人も少なくありません。僕もその一人です。人一倍練習熱心でたくさん努力してきたのに今のままじゃ確実に後悔するのが目に見えています。そんな姿ではなく彼の三連覇をこの目でみたいんです。僕だけじゃなく柔道部みんなも。だからお願いです!」

と懇願する光瀬。

「わかった。わかったから落ち着いて」

「そんなに熱くならなくても……でも斉藤さんを少し見直しました」

「その気持ちよくわかります」

「なかなかいい仲間を持ったではないのか斉藤は」

と茜、僕、遥、由良、が感心した。

「仕方ない。調べようよ。伊織ねぇ〜」

「そうね。いいネタが入りそうだしね」

「伊織ねぇ〜またこの前みたいに行きすぎた行動は止めてね」

と倉本が伊織にくぎを刺す。

というわけで斉藤の身辺調査が始まった。




翌日

部活の終わりの時間。インターハイが近いため日も暮れるまで練習をしていた。

みんなで体育館から出てきた斉藤の後をつけた。

「いい? くれぐれも見つからないように」

と尾行する前に倉本がみんなに注意する。

「わかってる。わかってる」

そしてどんどん尾行していき、一番の繁華街銀法通りについた。

「よし。ここからよ。いい? 見失わないように」

と伊織が注意を促す。

「うん」

その時だった。

「みんな!! あれ!!」

と大声で指をさす倉本。

「うそ!! そんな……」

驚きの表情を隠せない伊織。

「え〜!!?」

「ウソ〜!!」

「本当に斉藤さんなんですか〜!!? あれ?」

「信じられん」

「想像できた気もするけど……」

と僕と茜と遥と由良は一往に驚いた。

そこには140cmもないちっちゃい女の子と斉藤がそこを歩いていた。





斉藤ターゲットはというと少女と接触中。その会話まで聞こえる。

なぜなら取材中に伊織が

「頑張ってね」

「お、おう」

と肩をたき、超小型の盗聴器を仕掛けたからだ。この時点で犯罪なのだが……気にしないでおこう。

さて会話内容を聞くことにした。

「え〜今日もやるの?」

と少女が怪訝な表情。

「仕方ないだろう? 自分でも昨日言ってたじゃん。明日もやるって」

「あんな恥ずかしいことできなよ……」

と不満そうな少女。

「俺だって腰が痛いんだからな」

そんなこと言う少女に反論した。

「それは明があんなに激しく動くからでしょ?」

「それより昨日は気持ち良かっただろう?」

「そうね。今日もお願いよ」

「それはお前次第だな」

「なによ、もう」

内容を聞いた僕たちは

「やるって!!?」

「恥ずかしいことって一体どんな……」

「腰が痛くなるほど激しく動いたって?」

「気持ちいいこと!!?」

と倉本、遥、由良、僕はソレを連想させるような言葉を聞き口をパクパクさせた。

「間違いないわ」

と断定する伊織に

「このままだと犯罪者になっちゃいます」

とアタフタする遥。

(いやもうなってるから……)

とそんな遥を僕は心の中で突っ込みをいれつつ

「とにかく少女が危ない!!」

といたたまれなくなったの僕たちは斉藤の所に駆け寄る。

「斉藤そこまでだ!!」

「そんなのダメですぅ〜いくらスランプだからって小学生に手を出すなんて……」

「本当に最低なやつなんだから」

「BLの次は幼女か。キリがないね〜君は」

と由良、遥、伊織、茜が罵声を浴びせる。

そんな彼女たちにキョトンとする斉藤と女の子。

「え? 小学生? 幼女?」

と女の子の顔を見る斉藤。

「ハハハハハハ。小学生だって、幼女だとよ。ハハハハ。あ〜腹痛て〜」

笑う斉藤の横でお餅のように頬を膨らませて怒る女の子。

「そんなに笑わなくていいでしょ? 明」

「ごめん。ごめん」

「どいういうことですか?」

みんな状況がつかめないので僕が聞いてみた。

「紹介するよ。従姉の稲村恵子いなむらけいこ。こう見えても26歳だから。それに俺は谷口一筋だから心配するな」

と誇らしげな斉藤。

「そうですか……」

苦笑いを浮かべる僕。

「でさっき話してたことは?」

「それは、くればわかる」

と斉藤に僕たちも連れて行かれた。

フィッシュロードに入り

「はじめまして。あなたちって明のお友達?」

「まぁそうですけど」

「そうなんだ? あなたにも友達いたんだ」

「ひでぇ〜よ。そんな言い方」

「こいつ小さいころは人見知りでな、いつもわたしの後ろばっかついてくんの」

「いつの話をしてんだよ!! 恥ずかしい」

「柔道を始めてから、こいつみるみる変わっていった。明るくなって心も体も強くなって……まぁ暑苦しくなったけどね」

どこか遠くを見るような目でそう言った。

フィッシューロードに入りそんな会話をしていた。そのうちに目的地に着いたようだ。

「ここよ」

と恵子が指をさした。

そこにはライブハウスフィークルーブという看板が目に入る。

「ライブハウス?」

「ええ、実は私バンドやっててね。もちろん明もね」

「斉藤さんが?」

「ウソだろ?」

「ホントなんですか?」

「信じらんない……」

驚きを隠せない表情を見せる僕たち。

「恵子さんがムリヤリ参加させたんじゃないか? こっちはインターハイが近いって言うのに」

「細かいことは気にしない」

話によると恵子がいきなり思い立ちムリヤリ斉藤を参加させたという。それで昨日と今日ここのライブハウスで演奏するため必死にほぼ寝ずに練習をさせられ部活にも身が入らなくなったということだ。なんというか不運である。

「恥ずかしいことって?」

「ああ、初めてたくさんの人の前で歌ったのが恥ずかしくって」

「そうだったですか」

「で斉藤さん? なんで激しく動いたですか」

「オレギターでソロがあってね見せつけるためにたくさん動いただけ」

中に入り2人は準備を始めた。



巡り巡って斉藤さんたちの番になり素晴らしい演奏を披露してステージを後にした。

「やっと終った」

と安堵の表情を見せる斉藤。

「まだまだ課題はたくさんあったわ。ということで明日からもみっちり練習ね」

と恵子がいうと

「そんな」

と崩れ落ちる斉藤。

その後も恵子の監視のもとバンド練習は続いたという。




そんな中入ったインターハイ。

「ほとんど練習してないのにここまで来れるとは思いませんでしたよ」

と興奮する光瀬。

斉藤は3連覇まであと1つまで来ていた。つまり決勝だ。そして決勝が始まった。

開始10秒で体落としを決められ技ありの相手にポイントが入ってしまう。3連覇のためには1本とるしかない。もう試合時間は半分過ぎていた。どんどん焦る斉藤。それでも時間は過ぎていくばかりだ。試合は降着状態。というよりも相手が守りに入っていて技をかけても相手はかわすばかり。試合時間は1分を切り絶望的だった。しかし残り27秒一瞬のすきをつき小外刈りが決まり1本勝ちで大逆転優勝をおさめ斉藤はは見事に3連覇の偉業なしとげた。

(やっぱりすごい)

斉藤のすごさを改めて感じた数日間であった。

次回は番外編

2クール目に入ったこの作品。

この先どうすればいいのだろう

次回、未定

ストックねー!!

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