第10話 知らないで連れてきたのか? お前
ベタ恋企画第2弾作品ゴメンねの元ネタです。
てか同じ話です(汗)
この日もいつも通り登校していた。すると校門のとこに髪の長いかわいい女の子が立っていた。
(あの制服はルドルフ学園の)
ずっと校舎の方を見ていた
「どうしたんですか?」
と声をかけると
「あの大道信虎っていうひとこの学校に」
「はい。いますよ。僕のクラスに。それがどうしたんですか?」
「いやなんでもないです」
といって足早に去っていった。
(なにしにきたんだろう?)
昼休み
「大道、へ〜買ったんだ?」
「あ、うん」
「よくそんなん買うよな? 好きなのか? けっこう金かかるんだろ? それって」
(話しかけてくれた)
大道君は嬉しそうに口を開いた。
「まぁそういうやつもあるけど」
「村内、お前そんなに興味あんのか? 気持ち悪い」
「なわけねえだろ? あ!」
としまったという顔で大道君をみる村内君。
うつむいてこういった
「ゴメン用事があるから。うるさいから教室でよっか? くるみちゃん」
と悲しそうに大道くんは教室から出て行った
(は〜また自分の殻に入っちゃったよ……)
そう僕のクラスには未だにクラスメートのみんなに
なじめない人がいる。それは大道信虎くん。出席番号3番
いわいるオタクって人である。村内君が見せろっていってたのは
くるみちゃんのフィギアである。くるみちゃんとは今大人気
のアニメのヒロインである。もともとアダルトゲームのヒロイン
でオタクの間ではその時からメジャーになっていたが、アニメ化されて一気に
一般の人たちにも人気に火がついた格好となった。
いつもこんな風に話をかけてはいるが、一言二言返事してあとはフィギアとしか話さない。
そんな彼に僕たちは手を焼いている。
「おい!二川ジャマしてんじゃねえよ!!珍しく好感触だったのに」
「まただね」
「誰のせいだよ?」
「いつもあ〜だもんな」
「私あの人苦手。キモいし」
「でもなんとかしないと・・・」
「そうね、私達のクラスメートだし」
と僕たちは話し合った
僕の名前は大道信虎。小さい頃からアニメやゲームが好きでずっと夢中になっていました。
おおきくなっていくに連れて周りもいつの間に避けられていました。そして中学2年の時
衝撃的なことを言われたのです。
それはある日忘れ物を取りに教室に戻ったときのこと
何人か教室に残っていたのです。
「なぁ大道、きもくねぇ〜」
「うんうん、すげーオタクだし」
「この間さ、あいつと話してたらさ、俺まで白い目で見られてよ
まいったぜ」
と小さい頃からの友達の望くんの言葉でした。
すごいショックでした。それに追い討ちをかけるように
「小倉?大道お前のこと好きらしいぜ?」
「十分あるぜ。だって唯一の女友達だもんな」
「木根くん?それは冗談でもやめてよね。ゾッとしちゃったじゃない」
「あんな薄気味悪い人から告白されたら・・・いや想像しただけでも気持ち悪い」
「誰だってそうだよ」
「すげー小倉鳥肌立ってんじゃん!!」
「フッたら呪われそうじゃない?」
「ハハハハ。ありえるぜ。夜な夜なうなされるみたいな」
「ちょっと」
ちらっと廊下を見る小倉。
(信虎くん!!……)
と好きな子からあんなこと言われたのです。その時僕は必死に走りました。そういままで仕方なく付き合ってたのです。
所詮オタクは普通世界から排除される存在と悟りました。
それからはフィギアにしか話さないようにしました。それが一番傷つかずにすむから……
「みんな、表面だけでしか付き合わない、腹の底では……僕をわかってくれるのは
くるみちゃん、君だけだよ」
と屋上でグラウンドを見ながら大道はそういった。
放課後部活も終わり茜と一緒に帰っていると今朝の女の人がたっていた。
「あっ今朝の」
「ちょっとお話が」
と女の人が言った
僕たちは喫茶店にいった
「話ってなに?」
「実は信虎くんに私あやまりたいんです」
といきなり大きな声をだした
「どうしたんですか?いきなり。それに謝るって何を?」
「実は……」
と中学のことを話す小倉。
「そっか。それでか。実は10月になっても大道君クラスになじめてないんだ」
「そうなんですか…・・」
「なじめるようにするにはどうすればいいかな?」
「それなら自分も同じ目線で付き合ってみるのはどうだ?」
「同じ目線ね?……って斉藤さん!!!! なんでここにいるんですか?」
「細かいことは気にしない。しっかしお前も水臭いな。そんな相談ならいつでも
乗ってやるのに」
肩を寄せられた僕
「暑苦しい……離れてください!!」
と必死に僕は斉藤つき離した。
「う〜ん……オタクとか関係なく誠心誠意を持って接する。それが1番!!」
とどこかから聞き覚えのある声が聞こえた
「結構難しいよ? それ……伊織さん!!なんでここに?」
「気づかなかったの?私、ずっとここにいたのよ」
と伊織は腕組みをしてきた
「そうですか」
「それどうでもいいけど、会長くっ付きすぎはなれてください」
と茜がもすごい剣幕で僕と伊織につめよった。
「そうだ! 抜け駆けは許さんぞ!!」
(斉藤さん……)
と苦笑いを浮かべる僕。
「一度遊んでみるのは? このケーキおいしい〜」
「いいアイディアだね。遥ちゃんじゃない!!!」
「あれ? 先輩たちなんで私の家に?」
「え! ここ遥ちゃんちなの?この喫茶店」
と驚く茜
「喫茶店?」
と首をかしげる遥。そして外にでてみる。
「あ!ホントだ。あれ確かに私んちに向かってたんだけど」
と遥はいつも通りの方向オンチを炸裂した。
(普通わかるだろ……いつもどうやって家に帰ってんだろう?)
と不安をよぎった。
「難しいな……」
(その声は?……厳燐丸。ということは……)
「私はやはり自分から歩み寄らねば仲良くなれんと思うが」
「由良ちゃんまで!! まだ登場すらしてないよね!!!」
「なにか問題でもあるのか?」
「もう……いいです」
と僕は諦めに似た感情を抱いた。
「そうだ!!彼、1週間後……」
と話し合うみんな。
「それだ!!」
「いいね。それ」
「でもうまくいくかな?」
「やってみないと」
翌日もその次の日ももみんなしつこく大道君に話しかけた。
しかしみんな惨敗……そしてまた教室をでていったそんな日が1週間続いたある日の放課後
「くるみちゃん? 今日もいい天気だね? このまま寝ちゃいそうだよ」
「あっ! いたいた。大道君」
「なんのようだい?」
ととげとげしい口調で大道くんがいった。
「何してんのかな?って思ってさ。いつもここで日向ぼっこしてたんだ」
「いこっか? くるみちゃん」
「釣れないな〜相変わらず。僕はいや僕たちはただ君と友達になりたいだけなのに」
「どうせ上辺だけだろ?腹の底ではきっと僕は気持ち悪いと近寄りたくないとか
思ってんだろ?」
「果たしてそれはどうかな?ちょっと来て欲しいとこがあるんだ?」
と僕は大道くんの手をひいて教室まで連れて行った
「ドア開けてごらん?」
と誘導する僕。大道君はドアを恐る恐る開けてみた
パーンパーン
パチパチパチ
「誕生日おめでとう!!!大道君」
「おめでとう大道」
とそこにはパーティー会場があった
「みんな……」
「実はさ今日が大道君の誕生日って知ってね。みんなでパーティーしよう
ってなってね」
「俺はさ、お前がなじめないのにパーティーやっても意味がないっていったんだけどな?」
と村内くんそういう言うと
「何言ってんだよ? 一番張り切ってたのはおまえじゃん」
「うるせ〜」
と福川くんが突っ込む。
「村内君はね、いろいろと指揮してくれてセッティングしてたんだ? いつもはふざけてばかりの福川くんだって、水島さんだって」
「この料理やケーキは全部、谷口が作ったんだぜ?調理実室つかってな」
「みんなそれぞれ一生懸命このためにやってきたんだ。それでも上辺だけ
だと思う?」
「ありがとう。こんな僕のために」
「当たり前じゃねえかクラスメートだもん」
「僕、オタクだよ?」
「そんなの関係ねぇ〜よ。それだけ夢中になれるものがあるってことだろ?」
「うらやましいな。私も夢中になれるもの見つかるかな?」
大友が関心するようにいうと
「なに言ってんだよ?もう見つけてんじゃねえか」
「なに?」
「福川くん」
と大道君がいった
「言われちゃった」
「ハハハハその調子だ。大道」
「はい。プレゼント」
とみんな大道君にプレゼントを渡す。
そして僕の番になった
「ちょっと待ってて」
と僕は教室の外にでた。
「大丈夫かな?ちゃんとできるかな?」
「できるよ? そのために来たんでしょ? それにこれがメインなんだから勇気を出して」
とドアを開けその人の背中を押して教室にいれた。
その瞬間みんな一瞬の沈黙の後に驚きの大フィーバーが起こった。一方大道君は一瞬にして顔色が変わりうつむいた。
「小倉智子じゃねえか」
「お前これはやりすぎなんじゃ?金結構かかんぞ?」
「そんなにすごい人なの?この人」
「たくいつもそういうのにうといんだからお前は!!」
と水島くんに言われた。
「去年ミスラガジンでグランプリとって今、くるみちゃんの声もやってる、今大人気のグラビアアイドルさ」
「へ〜そうだったんだ」
「知らないで連れてきたのか? お前」
「うん」
「お前な〜……」
と呆れるみんな
「いや自分から言ってきたんだよ?ていうかこのパーティーも小倉さんが発案者
なんだ」
「そうなの?」
小倉さんは大道君の前に行った
「ゴメンね?大道君、いや信虎くん」
「謝られても」
「そうよね?心に深くついた傷は『ごめんなさい』一言じゃ治るはずもないわね」
「今更なに謝りにきてんだよ。帰れよ!!俺がこうなったのはお前のせいなんだから」
「大道が俺っていった!!」
と驚く福川
「そんなこと言わないでよ。小倉さんだって意を決してきてんだからさ」
となだめる僕
「そうよ。私のせい、全ては私のせい。私が素直になれなかったから……」
「どういことだよ?」
「あの時ね」
「なぁお前って好きな人とかいるのかよ?」
「いや」
そのときドキッとした
「そっか。」
とホッとしたのもつかの間
「大道とか?」
私はすごく動揺した。必死に見せまいと……
「・・・といってしまったのゴメンね。その結果あなたを傷つける
ことになってしまった。一生その傷は消えることはないだろうけど。
謝っても謝りきれない。」
「もういいよ。そんな話聞いたっていまさらどうにもならないし」
「それを謝りにきたのともう一つ。お願いがあるの」
「なに?」
彼女は改まって
「大道信虎さん、私、あなたのことがずっと前から好きでした。
付き合ってもらえませんか?」
「嘘!!! 大道がアイドルに……」
と福川が驚き
「これは夢だ。絶対に夢だ」
倉本が悔しがる。
「さぁ?どうする?アイドルからの告白だぞ?」
と村内が返事を促す。
「はい!! よろこんで」
こうしてオタクとアイドルというオタクにとっては夢のようなカップル
が誕生した。そしてその日を境に彼どんどんクラスに溶け込んでいった
今では
「ここのクリアの仕方わかんないんだけど?」
「ああここね、みんなここで躓くんだよね。こうやってこことおってグラウンブレス
をとって……」
「大道君? 智子ちゃんとどうなってんの?」
「あぁ昨日久しぶりに1日デートしたんだ?」
「まさか大道君からのろけ話きけるなんてね」
でも
「くるみちゃん、みんなが誘ってくれたんだ。一緒に行こうね?」
と相変わらずフィギアと話すことはやめなかった。
「彼女いるのにね」
「あぁ。でもあれがあいつだよ。あいつがフィギアと話さなくなったら
本気で心配するよおれ」
という福川くんに対して
「そうだね」
と僕はうなずいた。
夏休みが待ち遠しくなってきたころ、転校生がやってきた
次回、涼風由良だ。よろしく
またやっかいな……
次回は8月15日なのだ。お〜終戦記念日ですね^^




