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降魔一郎の東方異聞録~見える  作者: めけめけ
第7章 日記その1
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日記 田宮一郎19歳 4月21日

 拝啓、母さん、失敗しました。

 少し調子に乗りすぎたようです。”あいつら”に無暗に関わってはいけませんね。考えてみれば当然のことなのですが、世の中にいい人もいれば悪い人もいるように、”あいつら”にもそういうのがいてもおかしくないわけですが、僕はてっきりそういうものには無縁というか、もしかしたら僕は特別じゃないのかと思っていました。でも、そうではないということが早いうちにわかって、これは不幸中の幸い、災い転じてなんとやらなのかもしれません。

 公園のベンチに座って本を読んでいると、小さな女の子が近づいてきて、僕にはそれが”あいつら”の仲間だとすぐにわかりました。大して面白い本ではなかったので、僕は気まぐれに話しかけてしまったのです。「こんなとこで何をしてしているんだい、お嬢ちゃん」って。少女はおかっぱ頭に赤い色のワンピースを着ていました。最初、そうだと思ったのですがよく見るとそれはもともと白だったことがわかりました。僕は気分が悪くなって、自分から話かけておきながら、そのあと彼女を無視しました。

 それがいけなかったのか彼女はひどく機嫌を損ねて泣きはじめました。今もずっとここで泣いているんです。まったく迷惑な話です。人の家に勝手に上り込んでずっと泣いているんです。今夜は眠れそうもありません。子供は嫌いです。まだ小さかった僕を母さんはとてもよくしてくれました。それには本当に感謝をしていますが、その結果がこの有様です。こういうのを有難迷惑というのでしょうか。ろくに話もできないような輩には、今後関わらないようにします。

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