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魔王は世界征服よりも平凡を望み、ヤンデレは避けたい。

作者: 桜

よろしくお願いします。

私は死んだ。普通に転んで怪我しただけなのに、傷口から化膿して病気になりそのまま呆気なく。


しかし、そのまま死んだはずなのになぜか見知らぬ場所におり、見知らぬ椅子に優雅に座っていた私。


なんとなく記憶がジワジワと蘇ってきて、現在私が魔王になったらしい。


しかも世界征服を野望にしているらしい・・・。



今時世界征服って・・・それに、人間平和が一番に決まってます。世界を征服して結局はどうするんだ。

私は今度こそ長生きできればそれでいいのだ。



というわけで、世界征服を却下し私は平凡に生きることにした。




このよく分からない異世界に来て数週間がたった。


どうやらこの体は魔王だけあってチートらしい。ほしいものを声に出すだけで出てくるのだ。お腹がすいたら「ご飯」といえば食べきれないほどのフルコースが現れ、「お風呂」と言えば猫脚付きの可愛いバスタブが現れるのだ。なんという便利な力だ!!チート最高!!


こうして優雅にニート生活を送っていると、ある日家(城)に誰かが侵入したらしい。近くにいた魔物が教えてくれたのだが、なんでも魔王を倒すべく派遣された勇者一行らしい。


え?私倒されちゃうの??と思っていても私は悪いことをしていないので気長に待つ。


「魔王!!勝負だ!!!」


扉が開かれ大きな声で叫ぶ男が勇者のなのだろう、後ろに魔術師と弓使いがいる(魔物情報)。男三人のパーティーらしいが・・・普通ヒロインみたいな女の子も居そうなのに・・・残念。


まぁ、三人とも種類の違うイケメンだから目の保養はばっちりだ、凛々しい勇者、綺麗な魔術師、可愛い弓使い、眼福眼福。


「どうも初めまして。」


「・・・お前が魔王か?」


私が挨拶をすると勇者一行は驚きを表す。どうも魔王が女だと知らなかったのだろう。


「そうです。私が魔王です。」


「ならば貴様を倒す!!」


「なぜ???」


私が聞き返すと狼狽える勇者一行。


「なぜってお前が世界征服を企むから・・。」


「企んでません。私は平和主義です。」


「嘘だ!!」


「嘘じゃないです。逆にお聞きしたいのですが世界征服してなにが楽しいのでしょうか?そして征服してその後どうするのでしょうか??私は争いごとは好きではないので、平和に暮らしたいです。」


「信じられるか!」


「確かに私はチートですがその力はもっぱら私事で争いや人の迷惑になることには使ってません。」


「確かに今は落ち着いているが・・。しかし以前は!」


「私が魔王になったのは数週間前です。その以前のことは私のことではないはずです。」


「交代したのか?」


「いえ、気づいたらココに居たんです。そのまま魔王になっただけです。」


私の答えに不信感があるのは認めるが三人でコソコソ話さないで欲しい・・寂しい。


「立ち話もなんですし、お茶にしませんか?『ティーセット』」


喉も乾いたのでお茶にしようとティーセットを出せばすごい警戒されたが、なんとか説き伏せて座ってもらい、お茶を入れれば警戒されて飲まないので私が口をつけてお菓子を食べれば勇者一行も恐る恐るだが手をつけ始めた。


「この城の外ってどんな風になってるんですか?」


なにも会話がないの淋しいので勇者一行に尋ねてみればすごい驚いた顔をされた。


「あなたはこの城から出てことがないのですか?」


おぉー魔術師様は見た目と同じで声も綺麗とは・・美人ってすげーー。


「私はいきなり数週間前にココに居たので外に出るのが躊躇ってしまって。今まで外に出たことがないんです。」


「出てみたいと思わないの?」


弓使いは見た目通り可愛いな!ショタではないが撫で回したい!!


「出てみたいと思いますが・・なにぶん世間知らずですから。外に出ても外の常識が分からないので出ることが少し怖くて。」


「怖い?お前が?しかも常識が欲しいのか?」


勇者様は先程とは違って落ち着いた声!イケメンは声までイケボイスとは・・恐れ入るね!


「常識ないと買い物もできないしお茶も飲めないでしょ?街への道も分からないし、ココがどのへんなのかも分からないですよ?帰ってこれるかも不安だし、かといって魔物のみんなは付き合ってくれないし・・。」


そう、外に出られない一つは異世界なので、お金の通貨も常識も道もさっぱりなのだ。お金も持ってないので街に行っても欲しいモノが買えないとかどんな拷問よ!!


「・・お前変わってるんだな。」


勇者よなぜそんなに笑う。私は普通で平凡な魔王だ!!


「よかったら俺達と一緒に王都へ来ないか?」


勇者よ一体なんだ・・・。


「行ったら殺すの?」


「そんなことしない。お前は悪いことをなにもしてないんだろ?」


「そうだけど、一応魔王だよ?」


「大丈夫だ。魔王としてではなくお前自身として王都で暮らせばいいんだ。」


「??どういうこと??」


「お前俺の嫁に来い。」


「は?」


「お前なんかいい奴だし、面白いし、気に入いった。」


え?なに言ってんのこの人。馬鹿なの??

魔術師や弓使いの人だって唖然としてるよ?空気呼んでフォローしてよ!!


「お前外に出たいんだろ?なら一緒にくればいいじゃねぇか。」


「いやいやいや。一緒に行くよりも嫁って言ったよね!?嫁に来いって言ったよね!?」


「あぁ。そんな何回も言わすなよ\\\」


照れるとこじゃねーよ!!!なんだ嫁って!この世界はそんな簡単に嫁を募集するのか?一夫多妻制なのか!?


「あ、普通嫁も旦那も一人ずつだぞ。」


心読まれたーーーー!!しかも、一人ならなんでそんなに軽いの!?この世界の結婚的常識ってなに!?


「お、落ち着いてください魔王さん。」


魔術師よ、この世界はこんなに結婚は軽いのか?


「いえ、神殿の祝福もいただきに行くので別れる事はよっぽどのことが無い限り認められません。しかも、社交界には必ず夫婦同伴ですし、結婚しているのにも関わらず他の方と関係を持つと、不敬罪でどちらも処刑されます。」


罰重!!重過ぎない!?そりゃ不倫はよくない!良くないけど死刑なの!?


「相手が居るにも関わらず手を出すのも、容認し受け入れるのも重犯罪です。」


つまり、この世界の結婚は本当に一生その人だけを愛するってこと??


「そういうことです。余所見をするだけで罰金が課せられます。」


重すぎでしょ!!余所見って、あの人綺麗だな~って思うことすら駄目なの!?


「えぇ、お互いを尊重しあう相手ではないと結婚は出来ません。」


尊重って・・・ある意味超絶級の束縛・・またはヤンデレ?


「俺は浮気しないし、余所見もしない!だから結婚しよう!!」


勇者のキラキラスマイルでのプロポーズ・・・。



「出来るかぁぁぁぁぁ!!!!!!!」







その後は、なんとかチートな魔力を使って勇者様一行を追い出したのだが・・・。


「なぁなぁ結婚しようぜ~」


なぜか毎日のように勇者が遊びに来ては口説かれるようになった。









ありがとうございました。

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