一人ぼっち。

嘘だと言ってくれ

女子たちの視線が俺に注がれた。

誰とも目を合わせないようにしながら、自分の席を探し、座った。

しーんとした雰囲気の中、机上にあったプリントを読んだり、各々で、時間を潰していた。

俺も特にすることがないから、プリントを読みながらも、周りを眺めていた。

とにかく、人数が少ないのが目立つ。クラス的にそうなるはずなのだが、他の学年に比べても圧倒的に少ない。

こんなのでやっていけるのか不安だ。

隣の席の女をそっと覗いた。

綺麗な顔の部類に入るレベルだろうか。

長い髪を一本にまとめ、いわゆるワガママなお嬢様気質が漂っていた。

名前は上野捺姫(ウエノナツキ)というようだ。

…怖そうだ。怒らせないようにしよう。

じゃああだ名は「プロレスラー」だな。

「さっきから何見てんだよ、お前」

プロレスラーがいきなり睨んできた。

「いや…何でも…ありません」

「ふん、女々しい。」

怖ぇ…

こんなクラス嘘だ。

嘘だと言ってくれ…