第3話
おまっとさんです!!
先日の早朝、コンビニで「夕飯用」のお弁当を買った時に
「こちらのお弁当暖めます!」と店員さんに言われ
「え?あぁ…はい。」と夕飯用のお弁当がレンジの中を回転する様を眺め続けた…【猫間三礼】です!
感想&評価&苦情&暴言(←ぇw)をいただけると嬉しいんです!!なまら嬉しいっす!
だってドMですから!!
あっ、勘違いしないでよねっ!!べ、別にドSだって嫌いじゃないんだから///
では、こんな感じで始まり始まり☆
ピンポ〜ン♪ピンポ〜ン♪
「(満面の笑みで)ありがとうございましたぁ。また、お越しくださいませっ…………スッ(無表情に戻る)」
ピンポ〜ン♪ピンポ〜ン♪
「(眩しすぎる満面の笑みで)いらっしゃいませぇ〜…)………スッ(無表情に戻る)」
「あ、あの〜ゆずちゃん?その最後の「…スッ」って無表情に戻るのは…いったい」
「………削減」
「…?え?削減?何を?無表情で何を削減してるの?」
「………笑顔」
「笑顔っ!?笑顔の削減!?何故にっ!?」
「…………エコブーム」
「エコブーム!?いやいやいや!確かに、この不況でエコとか節約とか流行ってるけど、笑顔は削減しなくていいんじゃないかな!?いや、むしろこんな世の中だから笑顔が必要なんじゃない!?出してこう!?もっと笑顔出してこう!?」
「…………………」
「感情電源OFF!?ゆずちゃん!?ゆずちゃーん!?せめて電源いれとこう!?その、使ってない時はコンセントを抜いてます。的な顔は見てられない!」
第3話
「看板娘は着脱可能?鉄仮面は今日も笑う」
「はい、こちら80円のお返しになります。ありがとうございましたー!!」
目の前のお客さんに、お釣りの小銭を渡し、大きな声で【普通の】挨拶をする。
「うん!だいぶ慣れてきたみたいだね、小塚君!」
「はい、ありがとうございます!レジって思ったより簡単なんですね。」
「そうだね〜焦らずに落ち着いてやれば何も難しい事は無いよ〜それより、【進化系挨拶】を…」
「しません!言いません!言いたくありません!!」
「え〜あの頃の小塚君、輝いてたのに〜」
俺は店長の言葉を遮るようにはっきりと全力で宣言した。
誰がするか!
二度とあんな恥ずかしい思いはしたくない、てか…
「星野店長も言ってないじゃないですか、俺に言わせる前に自分で言ってくださいよ【レベッカ!プルシェンコ!!】って」
ちなみに【レベッカ!プルシェンコ!!】とは、他店との生存競争を生き残る為の戦略として店長自慢の娘、ゆずちゃんが考え出した【進化系挨拶】である。
レベッカ!プルシェンコ!!は、いらっしゃいませ!!の進化系挨拶で、他にも申し訳ありませんなどの進化系挨拶が存在するが、長くなるので紹介するのはやめておこう。
「えっ?僕は言わないよ?だって恥ずかしいからね〜。あんな挨拶をお客さんの前で言うなんて〜ハハッ、小塚君、それは冗談かい?」
「なるほど、なるほどぉ…!喧嘩売ってるな?店長このやろう!!よぉしその喧嘩買った!!表でろ!!」
「せっかく、ゆずちゃんが考えてくれたのに誰も使ってくれないから小塚君に使ってもらおうと思ったんだけどな〜。ん?もうすぐお昼じゃないか、混み始める前に休憩行っておいで〜。あっ店から飲み物持っていっていいよ〜♪おごってあげる〜」
「話聞けよ!てかっ…急に優しくしないでしないでくださいよ!この振り上げた拳と怒りはどこに向かえばいいんですか!?」
「あはは、とりあえず飲み物持って休憩所向かえばいいと思うよ〜?」
「微妙にうまいこと言われた!?」
まあ、休憩もらえるのはありがたいな、進化系挨拶の練習からの流れでレジ練習したから正直疲れたし。
「はぁ…それじゃ、休憩はいらせてもらいます」
俺はモヤモヤした気持ちを感じたまま事務所に向かった。
店の奥にある事務所はかなり広く、そのほとんどが在庫商品を置く為の倉庫として利用されていて、テーブルと椅子がある事務所は休憩所としても使われている。
「……っふぃ〜!!はぁぁ、疲れたー」
事務所にある椅子に腰掛けペットボトルに入ったお茶を一気に半分ほど飲み干した後、背もたれにだらしなく寄りかかる。
「作業としては大変な事なんてないんだけどなぁ、
まぁ慣れるまでは仕方ないか。」
やはり初めてやる仕事は大変だなぁ〜と思いつつ、暫く座りながらぼけ〜っとしていると、不意に奥に積まれた段ボールの間から、キィー…ッバタン!!とドアを開け閉めする音が聞こえてきた。
どうやら、積み上げられた商品で隠れていたが、この部屋には裏口があるらしい。
予期せぬ物音に多少ドキドキしながらも、物音をした方向に目を向けると。
「………帰宅…配達終わり」
小さな、静かな声と共に1人の少女があらわれた。
肩まで伸びた綺麗な黒髪。白く透き通るような肌。淡く薄ピンクの唇。
つぶらな瞳と合わさり、綺麗と言うよりは可愛らしい印象の彼女は、つまり…
美少女である。
もう一度言おう。
目の前に【美少女】が現れた♪
すまん、もう一度だけ言わせてくれ。
目の前に【美少女】があらわry
「…………誰?」
いきなり現れた美少女を見てテンションをたぎらせつつあった俺と目があった美少女が、凄く…凄く不信感溢れる顔と声で訊ねてくる。
「…………不審者」
「え、いや違っ!あのっ、今日からここで働かせてもらうことになった、小塚です」
危うく不審者として確固たる地位を築きそうになったので、慌てて訂正する。
と、その時、店長がやってきた。
「あ〜ゆずちゃん!おかえり〜配達ご苦労さま〜!どう?サト婆は元気だった〜?」
どうやら目の前のこの子が噂のゆずちゃんらしい。
ずいぶん小さいが、俺が175cmだから…ゆずちゃんは145cmってとこか?
想像より、だいぶ幼い感じだな。
「………後20年は固い」
ゆずちゃんは、親指をビシッ!っと立て、無表情ながら、どこか満足そうな雰囲気で答える。
「そうかい、なら安心だね〜サト婆が腰を痛めたって聞いて心配だったけど〜良かった良かった♪あっ、そうそう!紹介がまだだったね?こちら今日から働いてもらう事になった小塚君だよ〜」
店長から紹介され、改めて自己紹介をする。
「えっと、小塚義人18才です!接客業は初めてなので迷惑かけるかもしれませんが、よろしくお願いします!(ニコッ)」
ゆずちゃんは年下だが、接客業に関しては先輩だ。
迷惑かけたり、教わる事は沢山あるだろう。
俺は出来るだけ爽やかかつ、にこやかに挨拶をした。
「………………ゆず」
のにもかかわらず、ゆずちゃんの反応はめっちゃドライだった…お兄さんちょっと傷ついちゃったぞ☆
やはり、初対面の時にギラついた欲望まみれの目で凝視したのがいけなかったのだろうか…否っ!あれは仕方ない!目の前の美少女に心をたぎらせないのは逆に失礼だっ!!
むしろ、異性に対しそんな不埒な感情をもたせてしまうほど美少女な、ゆずちゃんがいけないんではないのだろうか?そうです、いけないんです!
あぁ…ゆずちゃん…君は罪な女…いや罪な美少女だ…
と、自分の持つ最高かつ全力の爽やか挨拶が、なんの効力も発揮しなかった事に半ば絶望しながら現実から目を背けている俺に、見かねた店長が声をかけてくる。
「あ〜ゆずちゃんは恥ずかしがり屋さんだからね〜初対面の人にはこんな感じなんだよ〜。でも、大丈夫!慣れれば、その素敵スマイルを遺憾なく発揮してくれるよ〜、もお本当にゆずちゃんの笑顔は可愛いんだよ〜?想像してごらん?あのつぶらな瞳!笑った時に見える可愛らしい八重歯♪あぁ〜ゆずちゃん!可愛い!可愛いよ〜!!もお今日から世界3大美女を追い抜いて、世界1大美女ゆずちゃんとして君臨できちゃうよお〜!!クレオパトラも今頃、嫉妬の涙でエジプト辺りを潤してるよ〜!?」
うるせぇ!!
てか、短いフォローだな!中盤以降はただの親バカだし、後半にいたっては何が言いたいのか意味わからないし!
ほら、ゆずちゃん見て?完全にドン引き…いや、完全に心閉ざしちゃってるよ!?
「店長?星野店長!?とりあえず、落ち着きましょう?ねっ?はい、深呼吸〜。大丈夫、怖くない、怖くない…」
「…はぁはぁ…す〜は〜……ふう〜いやぁごめんごめん!ゆずちゃんの事になると、つい熱くなっちゃって☆」
「いやまぁ、いいですけど…それより」
ずっと放置してたから、怒ってるかもしれないと思いチラリとゆずちゃんを見る。話の輪に入れなくてきっと寂しい思いをしているはずだ。
ゆずちゃん!寂しい思いをさせてごめんね?
さぁ、義人お兄さんといっぱいお話ししようじゃないか!?
「…………………」
あっ、全然平気だ。
怒ってるどころか、なんの感情すら見えてこないや…
「…………お店…行っていい?」
もはや挨拶はすんだ。と言わんばかりに事務所を出ていこうとする、ゆずちゃん。
そんな冷めた態度の彼女を見て、ふいに気になる事を思い出した。
「あっ、ゆず…ちゃん?あのさ、さっき俺がお店に電話した時に、電話でたのってゆずちゃん何だよね?」
記憶に間違いがなければ、店長もそう言ってたし。
「……………(コクン)」
ゆずちゃんは店にでていこうとする足を止め、相変わらずの無表情で小さく頷いた。
やはり、電話の相手はゆずちゃんで合ってるらしい。
合ってるらしいのだが…
おかしい、明らかにおかしい。
俺が携帯越しに聞いた声は、日だまりのように暖かく澄んだ優しくも元気のある声だったはず。
失礼だけど、目の前の無機質で機械的な声を発する彼女とは似ても似つかない。
「そうなんだ…いや、ほらなんて言うか、女の子って電話だと声高くなったりするよね?だから、その、ちょっと印象と違うなぁって、もう少し朗らかな人なのかなぁって、でも、実際会ってみたら機械的と言うかクールって言うか…あれ?星野店長?どうしたんですか?そんな【これ以上、余計な口をきいたら、生きたまま電子レンジに詰め込んで加熱してやる】みたいなオーラをだしちゃって!!いやいや、責めてる訳じゃないんですよ!?ただ、電話越しに可愛いなぁとか、仲良くしたいなぁとか、俺的にドストライクの声だなぁとか、あれ俺、何言ってんだろ?いやもお本当、つまり星野店長の言うとおり、ゆずちゃん可愛いっ!!最高!!パーフェクト!!ビューティフォー!!ごめんなさい!!」
ダメだ!なんかいろいろとすいませんでした!
だって、会話の途中から店長がなにやら物騒な雰囲気をかもしだしまして!!はい!!
とても怖かったでぇぇす。
「あははw小塚君何を怯えてるんだい♪つまり、ゆずちゃんの印象が違うって言いたいんだよね〜?ん〜小塚君はまだわかってないな〜まぁ、見た方が早いかな〜ゆずちゃん♪ちょっとレジ対応の仕方を見せてくれるかな?」
俺が自らの不用意な発言によって、店長からの殺気を一身に浴び完全に混乱している間も、一切の感情を見せなかった、ゆずちゃんに店長が声をかける。
ゆずちゃんは軽く頷いた後…
「いらっしゃいませっ!お会計1200円になります。はい、1500円お預かり致します、少々お待ちくださいませ…はい、お返しが300円になります。お確かめ下さいませ。ありがとうございましたっ!また、お越しくださいませ!キラッ☆」キラッ☆!?
完璧だ!完璧な接客だ!
動作、言葉遣い…
そして何より笑顔!!
つぶらな瞳をと細め、ニコリと笑った口元から覗く可愛らしい八重歯、その姿は、先ほどまでの機械的な彼女とは違い、その…とても可愛らしい///
不覚にも、見惚れてしまうほどだ…
「はい!!いただきました〜!!いいよ〜ゆずちゃん!今日も可愛いよ〜!あ〜もお〜見てた!?小塚君見てたかい?最高だよね〜?笑顔が力強いよね〜?この笑顔があれば〜、クレーマーが来ても!ツンデレな妹が来てもぉ!腹ペコ騎士王が来ても〜!!絶対負けないよねぇ〜!!」
「…………スッ(無表情化)」
「いや意味わかんないですよ!特に後半が!確かにめっちゃ可愛いです!それは認めますけど、なんですかこの変わりようは!?見てください!ゆずちゃんまた戻っちゃいましたよ!?」
「ゆずちゃんはね〜接客のプロなんだよ〜プロフェッショナル♪私生活と仕事の区別をしっかりつけれるなんて普通の16歳には、なかなか出来ないよ〜流石ゆずちゃん!!ゆずちゃん流石〜☆fu〜fu〜fu〜!!ゆずちゃんフゥ〜!」
「ああ!うるせぇ!星野店長!ゆずちゃんの事になるとダメダメですね!主に親としてダメダメですよね!?」
「………仕事は…必ず完遂する…(ビシッ!)」
何故か満足げにサムズアップするゆずちゃん。
「いやいや、ゆずちゃん?いいよ?確かにそれでいいんだけど、もう少しこう何と言うか普段から……あぁ!くそっ!可愛いなこのやろう!!何でそんなに満足そうなんだよ!」
ささやすぎる胸をはり、ちょこんと親指を立てる姿はまるで「ゆずちゃん!こっち!こっち向いて!ヘイ!ヘ〜イ!」だから、うるせぇなこの人!
「いいよ〜!!そう!ナイスポージング!世界親指コンテストNo.1は間違いないよ〜!!はいっ!!今日もいただきました〜!次ぃそのまま、片足前に出して〜前傾姿勢〜膝の上に両手〜!はい!!だっちゅ〜のっ♪」
「おいこら!娘に何やらせてんだ!しかもポーズ古いわ!そして、どこから持ってきたその一眼レフ!本格的だなバカ親め!後で一枚売ってくださいませ!店長様!!…じゃない!てか、そんな事ゆずちゃんがするわけないでしょ!!」
サッ!ビシッ!キュッ!!
「…………キリッ!!」
「ゆずちゃぁん!?何してん!?やるの?やっちゃうの!?てか、だっちゅ〜のやり慣れてるな!!こんな完璧かつ無駄のないだっちゅ〜のっ初めて見たわ!!いいよ!!そのまま!こっちにも視線ください!!」
「小塚てめぇ!ウチの娘を写メで撮ろうとしやがったな…?」
「ヒィィ!すいません!星野店長!つい出来心で!すいません!ごめんなさい!許し…」
「そんなチャチなカメラで撮ってんじゃねぇよ!これ使え!墓場でヌード撮っちまうくれぇブッ飛んだ写真家も使ってるカメラだ!!さぁ!収めろ!!ゆずちゃんの魅力を遺憾なくレンズにおさめやがれ!そして後でくれ!」
「…星野…店長…ありがとうございます!まかせて下さい!中学時代、数々のアイドル写真集を読み漁り【淫書黙読】通称(淫デックス)の異名をとった私、小塚義人が、ゆずちゃんの魅力をワールドワイドにお伝え致します!!」
「頼もしい〜ね〜小塚くぅぅぅぅん!!さぁ!ゆずちゃん!もっと!もっといっぱいちょうだい!!」
「……ビシッ!……ニコッ♪……んぅ///……てへっ☆」
「素晴らしい!小塚義人!脱ニートをして良かったと心の底から思います!ありがとう!ゆずちゃん!ありがとう!」
カシャッ!カシャッ!カシャッ!カシャッ!
「あ〜も〜♪ゆずちゃぁぁぁぁぁぁん!何でそんなに可愛いの〜♪キレてる!今日はいつも以上にキレてるよ〜!小塚君がいるからかな〜?同年代の男の子の前だから張りきってるのかなぁ〜!?だったらお父さん凄く悲しい!でも、残念だけど過去最大級の魅力のかたまりでお父さん複雑だよ〜!?」
パシャ!パシャ!パシャパシャパシャ!
「……へへっ♪……チラッ☆……おにぃたん///ちゅ」
すっごい破壊力きたー!
「「ごちそうさまでぇぇぇぇぇぇすぅ!!!」」
…バタッッ!
「………任務完了…報酬3万は確実」
こうして俺と店長は、ゆずちゃんの魅力にKOされた。
2人が立ち直るまでの間、店はゆずちゃんが切り盛りし、後に店長は、時給を上乗せした給料&撮影代。
俺は、その日の給料&撮影代を、ゆずちゃんに支払う事になったんだが…
大丈夫だ…反省も後悔もしていない!安心しろっ!
俺は…俺は…
これから強く生きていけるから!!
先輩お疲れっした!
今日も凄まじい苦行を乗り越え後書きまでやって来た皆様に、僕は感動と感謝の気持ちでいっぱいです!
それと、質問なんですが…いつになったら事務所からでるんですか?
いつになったら働くんですか?
作者は何を考えてるんですか?




