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Yの創作倉庫  作者: もず
9/14

閑話 勝木冬路と染山夏子

「……ここに用があるのか?」

「うん。知り合いが入院してるんだ」


 知り合い……。


「たまーに様子見に行くんだけど、今回は真一郎くんと二人で来たかったんだ」

「初対面だけど、大丈夫か?」

「大丈夫。面会の時は、同伴者込みだから」


 同伴者?


「その人が押さえてくれるから、怪我することないよ」


 いやいやいや。


 かごめの大丈夫はアテにならねえし、病状が思ったより深刻だぞ……。


 これ以上続くと暗くなるから、明るい話をしよう。


「……ここの病院って、フードコートあったよな。面会でも、食べれたりすんのかな」

「思ったほど美味しくないよ。これ食べるなら、ココ◯チ行った方がマシ」


 ダメだ。

 何話しても暗くなる。


「どうしても食べたいなら、付き合ってあげてもいいけど」

「頼む」


 面会後、渋々付き合ってくれるようだ。


 *


「……お化け屋敷に来た気分だ」


 頭を床に叩きつける者。

 出された食事を手で触って楽しむ者。

 テーブルを齧る者と、様々。


 看護師の姿はなく、まともな者が俺らしか居ない。


「402号室……。ここだね」


 知らん婆さんに抱きつかれてるのに、かごめは全く気にしてない。


 いや、もしかしたら内心イラついてるかもしれないし、夜な夜な呪いに行くかもしれない。


「入るよ」


 2回ノックしてから、かごめは扉を開ける。


 布団の中に誰か居るようだが、顔が見えないので、性別が分からない。


「起きてる?」


 かごめが乱暴に布団を捲ると、性別が確定した。


 女の子だ。


「……かごにゃん……、かごにゃんなの」

冬路とうじさんは、まだ来てないの」


 ゆるい深緑のボブに、そばかす。

 前髪は真ん中で分けられていて、入院服を着せられている。

 わざとらしく聞こえるほど声が色っぽいが、普段からこうなのか、角田が居るからこうなのか……。


「来てもおかしくないんだけど……。後ろのババア何。かごにゃんに触れる身の程知らずは、キルしないと」

「大丈夫。後日、呪っとくから」


 満面な笑みで呪うとか言うな。


「……隣の人は誰? かごにゃんの友達?」

「多分」

「知り合いだ」

「知り合い……。友達以下ってやつなら、まあ安心かあ」


 バカで助かった。


「染山夏子。これが私の名前。それよりかごにゃん、冬路お義兄さん探してきてよ〜。私、寂しい〜」

「もう少ししたら、来るよ」

「すぐじゃないと、嫌! じゃないと、床に頭ぶつけるよ!」

「いいよ。ぶつけて」

「今のは、嘘! でも寂しいのは、ほんとだから〜」


「探してくるよ。お前の義兄さん」

「真一郎くん!?」


 かごめが驚いた顔をする。


「かごにゃん……は少しの間、ここで働いていた過去があるんだ。配属先くらいすぐ分かるだろ?」

「まあ……分からなくは、ないけど……。ここから少し歩くよ。それでもいいの」


 すると、夏子の顔がパアッと輝き。


「嬉しいっっ! 冬路お義兄さん時間にルーズだから、いつも待たされるの! 良い友達を持ったねえ〜、かごにゃん」

「だから知り合い」


 かごめは夏子のことが、苦手なのだろうか。

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