75/156
閑話 IF小唄
普通に間違えた
下から物音が……。
いいや、無視しよう。
話したくないし。
「リア、おはよーー」
布団を頭まで被り、居ないふりをする。
だがこの作戦はすぐにばれ、ベッドから落ちた。
「何しにきたの。また、切らしたの?」
「まあ……、そんなとこだな。冷蔵庫の中は変わり映えないし、食べてくうちに飽きが生じたってこと。だからさ……」
そ、それは……。
「どうした? 何かまずいものでもあるのか」
「それいくらしたと思ってんの? まさか、売るつもり?」
「半々にしてやるから、売らせろ」
「いやーーーー」
レプリカだけど、オレにとっては大事な絵画……。
夜が怖い時は、これ見て癒されてるのに……。
「じゃあ、他に売れるやつは? 着ない服とか」
「あー……、それならある」
クローゼットを開けると、お父さんは舌打ちした。
ロクなのしか、なかったという事だろう。
「帰る」
ベランダから帰ったよ、この人……。
リアお気に入りの絵画はレプリカだけど、ゴッホの「星月夜」という作品。
私が好きなのは、「夜のカフェテラス」。




