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閑話 月士とティラミ
「いつもありがとね〜、月士」
お返しは、アポロか……。
懐かしいな。
お昼休みに頂こう。
*
「……今日は、どこで食べようかな」
リアと食べると、あいつがうるさいし。
日によってお弁当を食べる場所を変えているが、暖房のないところは寒いな……。
「……あ、みよちゃん」
その声は……、ティラミちゃん?
「やっぱり、みよちゃんだ」
「先輩も一人ですか?」
「いや、ミカゲと食べてる」
あの、ナルシストか……。
「みよちゃんも食べない?」
「……いいんですか」
先輩に誘われて、美術室で食べることになった。
ティラミちゃんは、校門前に時々止まっているケバブ屋さんのケバブ。
ミカゲ先輩は食堂で食べれば良いものを、美術室に持ち込んだ。
カレーライスだ。
「みよちゃんは、梅おにぎりと豚汁なんだ」
「寒いと食欲出なくて」
「わかる。そういう日、あるよね」
暖房の効いた部屋で食べる食事は、美味しい……。
「はいこれ」
「……わざわざ、切ってくれたんですか」
「ミカゲも食べる?」
「半分頂こう」
一口サイズのケバブのお返しに、私はリアから貰ったアポロを二人に3粒ずつ分けた。




