閑話 クソ兄再び
「まい君ちに、お泊りできるなんて……。こりゃ、嫁確定だね」
スーツケース持ってこられたから、家に呼んだだけだ。
「あ、でも、がいち君が部屋にいるんだっけ……。がいち君には悪いけど、まい君と二人きりがいいなあ……」
「多分、了承してくれると思うぞ」
確実に。
「お邪魔しまーす」
「おかえり、真一郎」
「……無視?」
ももが首を傾げる。
「さっき、らいん送ったよな。分かってて、そこに突っ立ってるんだよな」
「ブサイクのくせに飲み込みが早いねえ。ま、大したもてなしは出来ないけど上がってよ」
台所から、天ぷらの匂いがする……。
「あ、まい兄おかえり。課題進んだ?」
「あとちょっとだな。もう少しペース上げて、ももの分も終わらせる」
「来るの分かってたから、部屋片付けといた。自由に使っていいよ」
「ありがとう。がいち君」
荷物を俺の部屋に運び、敷物に座って一息つく。
「お茶持ってくる」
台所から戻ると、ももはラフな格好に着替えていた。
「……ほんとに、汗かかないんだな」
「一応、洗濯機は使わせてもらうけど」
「風呂はどうするんだ? 入るのか」
「もちろん入るよ。まい君と二人っきりで」
「うち狭いから、二人も入れないぞ。近くに二軒銭湯あるから、そこで」
俺も入る前に、着替えた方が良さそうだな……。
ももにとっちゃオアシスなんだろうが、こっちはドキドキが止まらねえ……。