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無能だと追放された王女、謎スキル【草生える】で緑の王国を作ります  作者: 灰猫さんきち
最終章

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118/118

118:草生えるあとがき


クロエ「というわけで、草生える建国記。完結したわ」


レオン「5月から8月いっぱいまで、足掛け4ヶ月にわたる長編連載だったが、俺たちの話を読んでくれて感謝している」


ヴェルグラード「キャラクター同士の会話という古の時代の形式で、あとがきをしますよ」


クロエ「なんであんたがここにいるのよ!」


ヴェルグラード「そりゃあ主要キャラですから」



+++



クロエ「この話はもともと『草生える』という一発ネタからアイディアをふくらませて、ファンタジーの話を書こうとしたのがきっかけだったの」


レオン「掴みはOKというやつで、序盤は多くの読者に読んでもらえた。途中でやや失速したが、最後まで付き合ってくれた皆には感謝だな」


ヴェルグラード「私は悪役ということで、途中までさんざんな感想をいただきましたが。全く反応がないよりも、何かしら読者の心を動かせたと思っておりますよ」※カクヨム掲載時


クロエ「作者はかなりへこんでいたけどね。こいつくらい図太ければいいものを」


レオン「豆腐メンタルを極めているからな」



+++



ヴェルグラード「ところで、裏話を一ついたしましょう。古代王国時代の人々が無気力になる話は、元ネタがありまして。『楽園実験』という、1960年代頃に行われたマウスの実験です」


クロエ「マウス? 人間と一緒にしないでほしいわね」


ヴェルグラード「ま、それはそうですが。楽園実験の内容はこうです。隔離された清潔で安全な場所を用意して、マウスを何匹か入れる。餌と水は十分に与え、外部の天敵も病気も入りこまない。マウスにとっては楽園のような環境です。マウスは当初、旺盛に繁殖を行って爆発的に数を増やします。ところがある時から繁殖の速度が遅くなり、活動そのものが鈍って、やがて終末期に至りました。終末期では出生率の著しい低下、親の育児放棄による新生児の高い死亡率、他個体に興味を示さずほとんど行動を起こさない個体の増加などが重なり、マウスは最終的に全滅しました」


レオン「その説明は端的だし、そもそもマウスと人間は違う。安易に当てはめるものではないだろう」


ヴェルグラード「そうですね。詳しく知りたい方は『楽園実験』『ユニバース25』で検索してみるとよろしいかと。まあとにかく、作者はこの実験からヒントを得て小説の土台を作ったわけです」


ローゼ「楽園実験は21世紀の人間社会に警鐘を鳴らすものと見る人もいますが、私は必ずしもそうではないと思います」


クロエ「え、誰?」


ローゼ(14歳の時の姿)「あっ、ごめんなさい。申し遅れました。ヴェルグラード叔父様の姪で、ローゼと申します」


レオン「ご先祖様か!」


ローゼ「はい、そうです! わあ、嬉しいな。こんなにかっこいい子孫に会えるなんて!」


クロエ「レオンはあげないわよ? ていうか、叔父があんなんなのに姪は可愛らしいじゃない」


ローゼ「ち、違います! 叔父様も悪い人ではないんです。本当は真面目で、人々の未来を考えた指導者だったんです!」


クロエ「トチ狂ったけどね」


ヴェルグラード「あっはっは」



+++



クロエ「そんなわけで、楽園実験やら草生えるやら異民族共存やらをごった煮にした小説だったわ。正直、作者の力量が足りないせいで不完全燃焼感がある」


レオン「共存については、ごく小規模な共同体、集団の理念より個人の交流が勝る規模でなければ描けなかった。異なる出自であっても個人的な友人であれば、むやみに憎しみを持つこともないだろうと」


ヴェルグラード「逆に言えば、相手を個人として捉えられない程度に大規模な集団の中にいれば、憎しみや対立は簡単に暴走するでしょうね」


レオン「貴様、仮にも聖職者の立場にありながら、冷たい言い方をするじゃないか」


ヴェルグラード「私が聖職者をやっているのは、理想の実現に便利だったからですよ。神なんかこれっぽっちも信じていません。カミなどいないとカミングアウト。なんちゃって」


ローゼ「叔父様………………」


クロエ「千年も生きると、老害通り越してこうなるのかしらね(呆れ)」


ローゼ「昔はこうじゃなかったんですよ! 本当に優しくて賢い人で!」


レオン「分かったから、落ち着いてくれ」



+++



クロエ「だいぶグダグダになってしまったわね」


ローゼ「うちの叔父がすみません」


レオン「ご先祖が謝ることではない。全部あいつが悪い」


ヴェルグラード「場を和ませようとジョークを言っただけなのに、裏目に出ましたねぇ。ま、何にせよこの物語は終わりました。最後まで読んでくださった読者の皆様には、私からもお礼を申し上げましょう」


クロエ「せっかくたくさん感想をもらったのに、作者がコミュ障で返事ができなくなって申し訳なかったわ」


ヴェルグラード「陽キャのギャルがたむろしている部屋に放り込んで、地獄のガールズトーク修行をすればコミュ障も改善すると思いますよ」


ローゼ「やめてあげて」


レオン「後で番外編をいくつか書くそうだ。とりあえずは裏設定の紹介になるだろう。それ以外の内容と時期は未定だが、その際はまたよろしく頼む」


クロエ「それじゃあ、またね!」



【幕】


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― 新着の感想 ―
完結おめでとうございます。 とても面白く、考えさせられる作品でした。 クロエ側とヴェルグラード側共に己の理想の為にぶつかりますが、双方の信条が理解出来るため納得の衝突で読んでいて違和感なかったです。 …
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