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神殿大騒動(因果応報)

それはセイジが登城する日の朝


早朝、いつもならもっと遅くにゆっくり起きていた聖女ローズは朝も早い時間から起こされていた。

「既に患者様がお待ちで長蛇の列です。速やかに身支度を整え就業を」


淡々と聖女を起こしたのはエリーゼであった。明らかに寝起きの悪い、不機嫌な聖女を起こすのを誰もが嫌がり、結果久しぶりに王都へと戻ってきたある種新米のエリーゼが担当させられたのである。


「もぉーっ!朝くらいゆっくり寝かせてよ、こっちは連日朝から晩まで仕事しっぱなしなのよ?あの男はどうしたの、それにディアナは!?」

本来ローズの担当は高位貴族専門の治療なのだが・・・なんせ現在ディアナは王都不在、セイジも一日やったきり神殿へは来ず。

となると残ったローズが一人で大量の患者を診るしかないのだ、もちろん仕事なのでえり好みなど許されない、それが聖女というものなのだから。


「ということでローズ様しかおりませんので。食事は診察室へお持ちしておりますのでそちらで」

それだけ言いエリーゼは部屋を出る。侍女なりメイドのように着替えを手伝うことなどない

彼女はシスター、別の仕事があるのだから。今も本来ならセイジの護衛をしているはずだったのだが、人手不足と神官長の指示により仕方なくローズ付きとなっている


全く面白くないらしく、もともと感情を表にあまり出さないエリーゼはさらに終始仏頂面であった。


そんな朝、神殿へと使いの者が。要件はセイジ登城につき要人も来るようにとのこと

「私は今ここから離れられん。副官長、君が代わりに行ってくれ」

人員配置やら患者関連の処理にあたふたしている神官長が代わりに副官を王城へと行かせることに


ただこの副官、実はかなりの上昇志向の持ち主。いずれ神官長になりたいと思いこれを機に王へ顔を覚えてもらいたいらしく喜び承諾した、まさか青ざめるような断罪があるとは知らずに。

ただ結局神官長も裁かれるので誰が行こうと一緒なのだが。


「聖女ローズ様もとのこと、外に馬車が止めてありますので。どうぞこちらに」

「あら、そう?それでは仕方ないわね。神官長様、後の患者様たちのことよろしくお願いしますね」

と、まるでエスコートされるようにローズの手を取り、護衛の騎士はローズを連れていく。


仕事から解放されるんるん気分で行くローズを神官長は恨めしそうに見ていた・・・この大量の患者を聖女なしでどうしろと、と。


そして・・・王城から帰った副官や聖女の顔は絶望の色で染まっていた。色でいうなら青から土気色ほどに


「王は恩人であるセイジへの目に余る対応を酷くお怒りである、よって今回の件に関わったものを全て処罰することとなった。温情はないと思えとの仰せだ」


一緒にきた使者からの言葉に神殿内部はざわついた、一部シスター含めセイジへろくな飯を出しもしなかったものも処罰の対象なのだから。自分らは普通の飯をゆっくり食い、セイジには粗末なものを平然と出した者も


そしてローズも絶望している、なんせセイジが神殿に来なくていいと王直々に決めてしまったのだから。あと何日この勤務をしなければならないのか、それを考えるだけで頭が痛く休みたいけど、聖女故自分で治せてしまうから休めない!

どうすればいいのよー!と診察室に入れられて頭を抱えているのだ


そして神殿には王城より査察が入り、関係者並びに金銭に関しての厳しい調査が入ったのだが。その調査は驚くほどスムーズに行われた。

なんせ黒幕の神官長がろくに帳簿など隠しておらず、あっさり見つかってしまったのだから。

難航したといえば誰の指示でセイジに粗末な飯をやったのかくらいだったが、それはシェフ、ではなく運んだ一人のシスターを地方に飛ばすことで収束することに


そのシスターが自分が勝手にやったと言ってしまえばそこまでなのだ。この一件でさすがに拷問してまで口を割らせることでもないだろう、と担当者が決め問題は終わりとなる。


ただ最後に残った問題が一つ

お偉いさんが軒並み断罪され不在となってしまったのだ、神官長及び副官は地方へ。その補佐をしていたものたちも少なからず甘い汁を吸っていたので地方へ

となると残るは平ばかり。後任をどうしようかと思っているも残った面々で手を上げるものがいないのだ。


ここで新人のエリーゼをと、いう声もあったのだが

『しばらく王都不在で伝手なども少ない私が上に立っても何もできませんが?』

とのことであっさり却下。特に指示もないのでさっさとセイジの護衛を名乗り出て神殿を出てしまった


結果、家を出たとはいえ身分の高かった公爵家の三男だった者が神官長に収まることに

ただこれもまた問題で、家は違えど公爵家のものが二人、神殿のトップに君臨してしまったのだ。


公爵家令嬢ローズと公爵家三男デュースの二人が






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