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騎士様の手腕

さて、王城でエルレイ侯爵が王都追放されているなどつゆ知らずなセイジはというと

朝も早くにシャルロッテ王女殿下直々に起こされ朝ごはんを一緒に食べていた。


「あのーですね騎士様、私としてはもう少し惰眠を貪ってからゆっくりと起きて。それから美味しいご飯をゆったりと食べて仕事に向かいたいのですが」

「だからこうして私がゆっくり起こしにきただろう。それに仕事が詰まってるんだ、早く食べて向かおう、患者が待っているからな」


どうやら騎士様は伝手を使って患者を探してくれたみたいだ。ただ・・・十中八九その患者さんってお貴族様・・・ですよね?

と上目遣いで見てみると、にこりと笑って返してはくれたが目が笑っていない。いいからさっさと飯を食えと言わんばかりの力強い目線だ。


「これでも神殿関係者の口を割らせるのは苦労したんだぞ。なんせ迂闊に口にすれば聖女の機嫌を損ねかねない上に威光も失われかねない話だ。曰く千人に一人くらいは神に見放された者も出ます、との話でな」

「私が見たケースでは神が見放したのではなく聖女様が痛みの原因を理解できてないのが問題なのですよ。剣が刺さったまま傷口を治療したって剣が動けば痛いんですから。まずは原因を取らないと」


ただこればかりは当事者になってみないとわからないのかもしれない。現代と違って人体模型などないわけだし


「なるほど、そういうものか。要は聖女様の知識なりの不足が原因か」

癒しの奇跡というものは学問なり修行を得て得られるものではなく、ある日突然発現するのが普通らしく。それゆえにその後も学びようがないらしい、確かに俺もあの神様から何も教えてもらわなかった!なんで教えなかったし神様


「でだ、そういう訳でこの話は神殿側はもちろん他の者には内密に進めるためこうやって朝早くに出かけていくわけだ。人目につかないように適当な馬車も借りてきた。どうだ準備万端だろう」

「確かにたった一晩で情報収集に馬車なりの手配に騎士様の手腕には脱帽としか言いようがありません。ただできれば貴族様以外の患者さんをですね・・・」

「よし、食事も終わったな?行くぞ!」


確かに今最後のスープを飲み終えたところなのだが、どうやら騎士様の辞書に余韻とか食後の休憩とかそういう言葉は載ってないらしい。とても大事なので付け加えて欲しい

腕を取られ立たせられ、俺はちょっと粗末な馬車の中へと乗せられた。これも腰痛の原因なんだよなー、どう改善すればいいかはわからないけれども。とりあえず馬車降り場に座って『その痛み即完治!』治療しますとか書いてればぼろ儲けできそうな気もするんだけれども


ぱっかぱっかと馬に連れられながら俺は仕事のことをぼーっと考えていた。そして願う

今度は普通にお金払って治療受けてくれる人でありますようにと

初作品となりますがいかがでしょうか?

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