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朝一番のお別れを

早朝、まだみんなが寝静まっている時間に、こっそりと村長の家を出た。

されるかはともかく、見送りとかは不要だったから。滞在したのは10日も満たない時間だったけれど・・・腰痛に悩む爺さんや股関節が固いばあさん。みんなに良くしてもらった。

村長にも飯に宿に、本当に・・・


できることならここでゆっくりしたい、そんな気持ちはある。だけどな、それじゃあダメだよなジョナサン。

一歩一歩、足を踏みしめながら村の入口へと向かうと、そこに一人の人影が

背格好からしてたぶん


「やっぱり、朝一番に行くと思った。行ってきますも言わずに行くのは水臭いと思わない?」

「ふふ、それもそうだな。そのために朝早く待っててくれたのか?」

「当たり前でしょ。私がこの村に連れてきたんだから。見送るのもやりたかったの」


そういうとレイラは籠から焼きたてのパンを取り出しセイジへと手渡した。

「はい、道中お腹減るだろうから。私にできるのは今はこれくらいだからね」

「こんな暖かいパンを・・・何時に起きて焼いたんだよ。・・・ありがとう、その色々と」


こうやって世話かけたくなかったから朝早く出ていこうと思ったのにな。

でも・・・すごくうれしいのは事実。本当ありがとう。


「じゃあまたなレイラ。次に会うまで元気にしてろよ」

「うん、ストレッチもちゃんとやる」


こうしてレイラに見送られながら俺は村を出た。俺が見えなくなるまでレイラは手を振って見送ってくれて・・・あぁ歳をとったのかな、涙が出そうだわ。

レイラが焼いてくれた暖かいパンはちょっとだけしょっぱかった・・・



「そうか、行ってしまったか・・・別れの前にもう一度感謝を伝えたかったのに」

セイジが旅立ったことをレイラが村長へ村の人と伝えた。ちゃんと自分が見送りしたことも


「セイジなら大丈夫!きっとなにかあったら村に帰ってきてくれるから。でも何もないよう私たちも頑張って仕事しなきゃ。みんなストレッチ忘れないんだよ!」


こうして村はセイジが来る前より少しだけ人を減らしながら、前までの日常へと戻る。

人は減っても人は元気になった、それはセイジの大きな功績。


今頃何をしてるだろう、と村人は時折セイジを思い出す。立派な体格をした優しい聖人のことを

どこにいっても彼ならきっと大丈夫だろう、そんな村人の思いとは裏腹に

セイジは・・・


「聖女様を語るとは、不信人者め!」

行先の村でトラブルに巻き込まれていた。




初作品となりますがいかがでしょうか?

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