王と宰相(断罪回)
騎士の一人が去り、神官が青ざめる中、次は貴族への断罪だった
「さて、去った騎士に誰が命令を出したのか。心当たりはあるか宰相」
「どうでしょうか、厚遇しておくように金なら私の懐から出すと私の周りには伝えたいたのですが。騎士団長があの者を配置したので?たった一人だけを?」
その問いかけに騎士団長が困惑する。誰を選ぶかの権限は騎士団長にあるからだ、もちろん人数も
トイレなどに備え交代要員も無く、一人だけの配置。さらに選んだ者の理由を答えなければならない。
だが、この騎士団長にろくな答えがあるのだろうか。騎士団長になってはいるが、それは彼が公爵家の次男、かつ剣の腕でのし上がったからに過ぎず。残念ながら政治的な思考をろくにできるタイプではない
「それは、その急な要請で人員が避けず、それに短時間と思い一人だけは一を。あの者を指名したのは腕っぷしからです」
それっぽい内容であることはうわっつらだけ聞いたものならば納得できる話
だが、そうではないのくらい王らは知っていた。
「そうかこの王城にはその程度の騎士の人員しかいなかったか。それで、あの者はトップ10に入るくらいの腕なのか宰相」
「そうですね、以前あった大会では彼がトーナメントの上にはいませんでしたが。ここ最近腕を上げたのかもしれません。ただ人員ですがあの時間は訓練所で素振りをしている騎士が何人も確認できましたのでいたはずですが?あの者たちは騎士ではなかったのでしょうか?」
かしづく騎士団長の背中に冷や汗が流れる
騎士団長としては王に何かあるわけではないのだ。だが・・・セイジにはある
なぜなら聖女の一人ローズは公爵家の人間だから
そのローズに治せなかった王女や王を癒したセイジを良く思っていなかったのは確かだ
とはいえ殺すつもりなどなく、ただ誰かに危害を加えられるならそれも良しと思っていたのは事実。
そのためのお膳立ての一つがあの配置だ、追放された騎士の腕も大したことはない
「そうか、騎士の配置も人数も把握できていない者を騎士団長にしておくのは無理だな。せっかくだお前も東の辺境伯に行くといい。そのほうが思う存分その腕を発揮できるだろう。朗報を期待しているぞ」
公爵家との関係が悪くなる可能性ももちろんあったが、聖人への扱いを誤ったとなれば話は別だ。それだけこの国では聖女という存在は大きいはず、なのだが、やはりバックにいる貴族が大事ということもある
「時期騎士団長は再度選び直す。次は腕だけでは選ばないようにな」
実際脳みそ筋肉では戦には勝てない、もし彼が騎士団長のままでは王城は安心できる場所ではなかったろう。
こうして王の断罪が終わった結果、ある程度王都は住みやすい場所になったはずなのだが・・・それはセイジ以外の話だった
この結果でセイジは騎士一人と公爵家から恨みを買うことになったのだから。
初作品となりますがいかがでしょうか?
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