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王の意向と臣下の思惑

それからはまさに誰にとっても地獄としか言いようがなかった。

王様をベッドに寝かせた状態で整復していくのだが、骨がバキボキなる音がするたびに王様がうめき声をあげ、ちらちらを護衛の方々がこちらを殺気を込めた視線を向けてくる


いやこれれっきとした治療行為ですからね?

30分ほどで整復は完了し、腰の痛みも癒しの奇跡で取ったのだが・・・王様は疲れでぐったりして眠っている

これで治ったよ!と言っても信用してもらえないだろう


そのせいか、俺は王様が目覚めるまで客室に待機するように言われた・・・というかこれ軟禁だろう

牢屋でないだけいいんだろうけど、本当どこでも俺の扱いは酷いのな


昼を過ぎても飯は出ず、水ももらえない。誰かーと呼んでも誰もこない。部屋の外に人が立ってる気配はするというのに。無視しろとでも言われてるのか?


そして王様が目覚めたのは夕方過ぎという、もうかなり腹が減ってるのだが。

改めて王様に謁見の間へ呼ばれ行くも、俺の顔は不満そのものだったろう。申し訳ないが隠す気などさらさらない


「いやぁ、生まれ変わったような気分だ。ありがとうセイジよ」


そらあんだけ猫背だなんだ治したんだ、生まれ変わったような気分にもなりましょうよ。こちとら不満爆発で城の二つ三つ吹っ飛ばしそうな気分ですが


「改めて褒美を出そう、何が欲しい。遠慮せず言ってみよ」

と、王様のありがたいお言葉がいただけたので、俺は遠慮なく言ってみることに


「それでは王城から永久追放をお願いします、間違ってもこの平民が呼ばれないように」


俺の言葉にその場の空気は凍り付いた。褒美だというのに追放しろとは珍しい要求だからだろう

だが言いたいことは伝わったはずだ、二度とこんな面倒事に関わらせるな、そういうことだと


「無礼ものが!その首切り落としてくれる」

声を荒げて剣を抜こうとしたのは騎士としてなかなかな地位にいるのだろう、甲冑が明らかに金が掛かっている。そんな大柄な男性だった


この男はおそらく国にあるいは王に忠誠をささげているのだろうが、残念ながら俺は違う。この国にも王にも何の興味もない。何なら別の国に行くつもりですらあるのだから


「止せ騎士団長。俺は褒美をくれてやると言ったのだ、首を取る気はない。俺とレティカを癒した恩人を殺す気か」


王の制止に不満そうにこちらを睨みつつ騎士団長は剣から手を離す。だがひとたび声が掛かれば一足飛びにこちらに向かって剣を振るのだろう


「何が不満だ。あぁそうだな、いきなり呼び出したのはすまなかった。あまり時間がなくてな、数日すれば私は他国の結婚式に出ねばならん。その前に会いたかったのだ」


王の謝罪に俺は何も答えない。その権利があるか怪しいからだ。ならば促されるまで黙っているしかないだろう


その様子を見て王が促してようやく俺は口を開く


「軟禁され、水をくれ飯をくれと言っても誰も何も応えない、そんな城に二度と来たくない。それだけです」


その言葉にその場にいた全員が違う意味で凍り付いた。半数くらいは知らないことだったかもしれない

騎士団長も知らないことだったろう。

さて誰が知っていて誰が指示したことなのか。誰でもいいが俺はこの王の元に行くのは二度とご免だぞ



初作品となりますがいかがでしょうか?

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