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王都での患者探し難航中

手のリハビリに加え、どうせなら一緒にやってしまおうとバランスの狂った身体の整復も終わらせると・・・店主はぐったりして倒れてしまった。


「うーん・・・やることやったしリハビリのやり方も教えたから・・・報酬のナイフはもらってもいいよね?」


疲れ切ったものの気持ちよさそうに眠る店主を他所に俺はナイフ片手にそのまま店を出る。

しかし困った、これでまた患者がいなくなってしまったではないか。働かねば!仕事せねば!金を稼がねば!


ということでのぼりを掲げながら王都の大通りを歩くことに

人通りも多く、人の視線をちらちら感じるものの、神殿にいけば治してもらえるということもあってか声がかからない。

神殿のほうが信用がある以上仕方ないのかもしれないけれども、これでは金は稼げない!

やはり王都を出るほうがいいか。それも王都からある程度離れた場所に。

そうでないと結局患者は見つからないと思うんだよ、近場ならちょっと頑張って王都行こう、となってしまうから。


じゃあ北なり南なり西なりの辺境まで足を延ばそうかなぁー?東以外の方向に向かってどうするか考えていると誰かに肩を叩かれた。

お、お客さんか!と思って振り向くとそこにいたのは・・・


「患者さんが見つからずお困りでしょう?さ神殿に行きましょう」

声を掛けてきたのはエリーゼさんでした・・・

客がいなくて困ってるというのに、笑顔で声掛けてくるあたりなんかもう詐欺の勧誘のように感じる。


「俺は金を稼ぎたいの、慈善事業をしたいわけじゃないから。神殿なんぞ行きません」

「そうは言ってもただ歩いててもしょうがないですよ?ただ働きしても信用と実績は得られますよ」


信用と実績をただ働きして得たいとは全く思わないので結構です

そうやって得られたものは大抵ろくでもない結果しかもたらさない。


「やっぱり聖女が常時いる王都じゃ仕事にならんよ。ということで他所に行きますね、エリーゼさん今までありがとうございましたおたっしゃで!」


じゃ!と手を上げると再び肩を掴まれた、今度は強い力で・・・


「だからダメですって、逃げようとしたら捕獲しますからね。今貴方は王族の返答待ちということで自由に動くことを許されてます、それを逃げたりしたらどうなっても知りませんから」

「はぁ・・・わかったよエリーゼ。君の求婚を受けれよう、さあ愛の逃避行だ東以外どこに行く?」

「じゃあ神殿に」


こんな不毛なやり取りをしている間に俺の貴重な一日は終わりを告げた。客がいないんだ、仕方ない・・・


「ただいまー店主さーん。裏手の鍛冶屋の店主さんはばっちり治療してきましたよ」

まだ夕方になりててといった時間で店主が急いでごはんの準備しているところだった。

「知ってるよー?さっき鍛冶屋の店主が嬉しそうに喜んで話にきたから。これでまた気軽に包丁やら金物を頼める。あいつ腕は確かだからな」


ご近所さんだけあり仲がいいのか店主も嬉しそうに話す。さすがに仕事に復帰まで少し時間はかかるだろうけど、あの職人気質な店主ならリハビリ頑張るだろう


「それとアイツがアンタのこと探してたよ。報酬をまだ渡してないーってさ」

「?それならもうナイフを頂いているから良かったのですけれど。一応明日また顔出してみますね。それより他に病んでる人知りませんか?あれからずっと大通りをのぼり担いで歩いたのですが全然声がかからなくって」

「あぁまあそりゃーね。聖女様がいらっしゃるんだ、仕方ない。となると患者か、聖女様も治せない・・・そんな患者いてもあまり表には出てこれないだろうからね」


聖女の癒しの奇跡というのはそれだけのモノなのだ。それが治ってない、などそうそう言えないというものらしい

とはいえ治ってないもんは治ってないんだからなー。困ってる人は少しはいるのだろうに








初作品となりますがいかがでしょうか?

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