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鍛冶屋さん

「ということで街中で治療を必要としてる人を探そうと思うんだけど店主さん、誰か心当たりない?生きてる人なら大抵治してあげられると思うよ」


子爵領の時同様、情報通そうな宿屋の店主へと話を聞くことに。というか他にろくな知り合いもいないし聞く人は店主さんしかいない


「そうさなぁ・・・一応はある程度神殿で治してもらえるけれど・・・それでも治りきらない人はいるから。例えば裏手にある鍛冶屋の店主は手の痺れが取れないって仕事を止めてしまったんだ。もし治せればきっと大喜びすると思うが」


とのことで早速裏手のお店に伺うことに

ただお店と言っても店主が仕事を止めたのでそこに置いてあるのは過去に作ったであろう武器やら防具。しかも最近掃除もしてないのかホコリを被っている始末。

仕事道具の手が動かないんじゃそりゃなんもする気がなくなるよなー。



「こんにちはー、ご店主さんいらっしゃいませんかー?」

店の中に入り声を掛けるもカウンターにも人はおらず、居住スペースのある方に向かって再び声を掛けるも返事がない


もしかして寝てたりちょっと声が届きにくいところにいるのかもしれないと思い、ちょっと大きめの声で呼ぶと


「うるせぇー!聞こえとるわ!今行くからちょっと待ってろあほ!!」

どうやら思った以上に元気な人らしい。気落ちしてヘロヘロになってたりしないかと心配はしてみたけれど杞憂だったか。


「ったく、でなんの用だ。欲しいもんがあるならそこから選べ、オーダーメイドが欲しいなら他所へ行きな。うちはもう打ってねえんだ」


よっこらしょっと、カウンターの中にある椅子に座りながらおっちゃん。特に欲しいものもないが、旅をするなら干し肉を切るナイフなりがあってもいいような気がする。ちょこっとだけ懐も温かいわけだし。


「旅をするのに便利なナイフが欲しいんだけどありますか?」

「旅用のか・・・ならそこにほれ一本だけ余ってるだろ。ホコリ被ってるから安くしとくぞ、最近客なんぞ来やしないしな。お前もこんな王都のはずれにある店なんぞよく来たもんだ」

「ええ、実は裏手にある宿屋の店主さんから紹介されまして。腕がいい鍛冶屋なのに手を壊して困っている、と」


そのセイジの言葉に店主は利かない右手を恨めしそうに睨む。軽く握るも力はやはり入らないようだった。


「神殿で治してもらっても治りはしなかった。だからもう廃業よ、残念だがな」

まだまだ他の部分は動くのに、と悔しそうなその顔は彼が間違いなく職人だという証だった。


「その手治しましょうか。もし治せたらこのナイフタダで譲ってください」

その言葉に店主はポカンとした表情でこちらを見返す

ナイフの値段は銀貨5枚。それと引き換えに手が治るなら安いものだ、ということなのか

それとも何バカなことを言ってるんだ、ということか


初作品となりますがいかがでしょうか?

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