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王城よりの使い

決して穏便に済ませようとは思わないセイジと、ただ立ち尽くす騎士

そんな二人の空気に神官長とエリーゼが間に入ろうにもセイジも穏やかな雰囲気などではなく目は見開かれ眉間に皺を作り今にも殴り合いに発展しそうな様子に何もできずにいた


そんな空気を破ったのはノックの音であった。


「神官長様、王城より使いの者が参ったのですが」

神官の一人だろうか、男性の声がドアの外から聞こえてくる

が、俺には関係のない話だ、と思いはすれど、おそらく俺に関係があるのではないかと少しだけ思っている。一応王族と顔見知りでもあるので


「お、おぉーそうかそうか。それはお待たせするわけにはいかない。入ってもらいなさい」

ほっとしたような顔をした神官長が使いの者とやらを中へ招く。それを邪魔しないよう今まで邪魔だった騎士がさっと横へ退けたのを見て、俺も対峙するように反対側へと避けた。


「失礼します、こちらにセイジ様はいらっしゃいますか?」

入ってきた細身の男性はもちろん見たことがない人物だった。ただ一つ思ったのは、関わり合いになるべきではない人物だ、と

薄ら笑いを浮かべたその顔は見た目からして信用ができなさそうで

そしてその上等な衣類からしておそらく貴族、となればもう関わり合いになどなりたくない


「おやおや~あまりいい雰囲気ではありませんが何かありましたかね?」

呑気にそんなことを言う使いの者に答えたのは神官長であった。額に冷や汗を流しながらいきさつを話す


「あーそれは酷い。タダ働きをして怒らないものはいないでしょう。それも支払う約束もしていたのでしょう?私だって穏やかではいられませんよ」

ねえとこちらを向くが俺はそちらを見ない。目の前にいる甲冑の騎士から目を離すのは不味い、本能がそう告げているからだ


さっと、ドアノブに手を掛けようとすると騎士が動きバン!とドアに手を押し当て開かないようにする始末。どうやらどうあっても俺を出さないつもりらしい

いい度胸だこの騎士。神殿の床の材質は堅そうな石でできている。それに相手の甲冑も重いだろう、そんなヤツをろくに受け身を取らせず叩きつけたらどうなるか楽しみだ。


ドアノブとドアに手を当てながら双方が睨み合う

どちらも全く引く気がないのは誰がどう見てもわかった。


「はぁ、もう。いつまでそうしてるつもりですか姉上。彼はレティカ姉さまの恩人ですよ?手厚く扱うならまだしもこのような雑な扱いなど僕が怒られます。セイジ様、先日はレティカ姉さまの治療をしていただきありがとうございます。その後みるみる回復していき、今では何とか一人で歩かれているのですよ」


「申し訳ありませんが私はレティカという名前の知り合いはいません。人違いではないでしょうか」


セイジの回答に使いの者はおーと感心したように目と口を開いた。

「いいですねー貴方のように賢い人、嫌いじゃないですよ」


レティカ姫を治療したことは他言無用、守秘義務もあって話すつもりはない。よって俺が答えられたのは知らない、だった。それをこの使いの者は察したのだろう


そして一つ驚いたのはこの目の前にいる騎士は女性らしい。俺と大差ない体格の女性とはなかなかに大きい。








初作品となりますがいかがでしょうか?



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