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報酬は何と!

エリーゼの操る馬の後ろに乗り神殿に着いたものの・・・そこには既に長蛇の列ができていた。

この人たちいつから並んでいたのだろうか?

朝も早く、というか真夜中から並んでいたんじゃ。


「わかりましたかセイジ様、皆癒しの奇跡を待っているのです。これを見たらゆっくり食事などしていられないというもの」

「か、どうかは人によるんだろう。俺にできるのは仕事の時間の間で見れる人を診るだけだ。後は知らん、それは上の人が考えることだ」


まだ早朝で神官長もどうせ来ていないのだろう。俺は患者達を尻目にさっさと神殿の中へと向かう。

向かった先は神官長の部屋である

そもそも昨日の話では聖人かどうか見極めるために治療をさせられたのだ。そも一人治して見せればよかったと思うのだが

その先の話をしなくては何も進まない以上俺は仕事はしない。金すらもらっていないのだ、まだ仕事にすらなっていない


「ということで俺のスタンスは知っているだろう?何をするにもまずは神官長が来てからだ」

神官長の部屋にある何やら上等なソファーに寝転がり俺は再び眠ることに。何時に神官長が出勤するかはわからないが、数時間眠れるだろう。


「はぁ・・・あの長蛇の列を見ても何もしないとは。あの時私を癒してくれた貴方はどこへ行ったのですか」

「目の前にいるだろう目の前に。俺は恩は返す、少しの恩でもな。だから宿屋の店主は無償で癒した。だが今神殿の前にいる患者たちは俺とは関係のない人たちだ。彼らが直接金を払う、ということになるのなら俺は仕事をしよう。そうでないならまずは金を出す人と話をつけなければ仕事になどならないだろう」


セイジの言葉にエリーゼは頭を抱える。長蛇の列の患者ら一人一人に説明して回っていくこと、それと金銭をどの程度の設定にするべきかを悩んでいたのだ。


「その、神官長が来てから話すというのでは?」

「金も払わず仕事してる俺を放って帰ったやつを信用はしないよ。まずは向こうが動く番だ。俺はやることをやったんだからな」


エリーゼとしても他にどうしようもなかったのだろう、眠り出す俺を止めることはなかった。

そして眠りにつくこと数時間。俺は再びエリーゼに起こされた

理由はもちろん神官長が来たからだ。


「これはこれは、どうやらお待たせしてしまったようで。昨日は申し訳ありません、大事な用で少し神殿を離れまして。帰ってきたときにはセイジ様は宿に向かわれたと」


エリーゼから話を聞いたのだろうがその答えとしては実に白々しく笑ってしまいそうになるのを堪える


「それで、私への報酬はどうなりましたか?」

答えに神官長は気まずそうに視線を逸らす。この瞬間金は出てこないと悟った


「それがーその、昨日の治療で大量のシーツを使われたようでして。その洗濯代でセイジ様への報酬は無くなってしまいました」


確かに大量に替えてもらった。仕方ないんだ、患者を寝台に寝かせ整復するのに同じシーツを使いまわすわけにもいかず。そこまで清潔というわけでもない以上交換しなければ下手をすれば皮膚病なりが流行りかねない。

が、その結果が報酬なしとなると話は終わりだ


「そうですか、では話も終わりましたので私はここを出ていきます。ここで治療していては私は無報酬で働くことになりますので。そんなの冗談じゃない」


さてそれではどこで働くかと、もう頭を切り替えて俺は部屋を出ようとすると一人の騎士が立ちはだかった。もちろん気の知れた護衛の二人ではない。


「どいてくれますか?あなたにも用はないので」

こちらの言葉は全く聞こえていないのか話は無視された。さて耳が聞こえないのか言葉が通じないのか、それとも通したくないのか




初作品となりますがいかがでしょうか?



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