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食事のありがたみ

エリーゼにケツを叩かれるようにして名残惜しくも部屋を出る。もちろん荷物は全部持って

出来ることなら王都出て行きたいわ・・・金がないし。


「おはよう店主さん。朝早いけど朝食お願いしてもいいですか?」

「おー早いなお兄さん、あいよすぐに出すから待っててな」


まだパタクタと準備する店主に申し訳なく思いつつ席に着く。30分以上待っても文句を言うつもりはない

店主だって大して寝てないだろうに・・・迷惑ではないだろうか


「ということであと1時間くらい寝てからでもいいんじゃないかいエリーゼさんや?」

「本当は朝抜きで神殿までお連れしようと思っていたのですが?」


この人シスターとは名ばかりの鬼か悪魔なんじゃないだろうか。というか鬼のほうがまだ慈悲ありそうなんだが


「聖女ディアナ様は朝も早くに神殿の診療所にお入りになっていたそうですよ。セイジ様も負けてはいられません、ディアナ様不在の間に実績を積み上げなくては」

どうやら彼女はマジらしい。ただその実績とやらを積み上げて俺になんの意味があるのだろうか?


このままだと身体はともかく俺の精神が壊れる気がするのだが。余裕のない生活は精神を病むのだぞ

なにもリッチな生活をしたいわけじゃない。一日8時間労働と8時間睡眠、あとはお腹いっぱいの食事。

これだけできればいいのだけれども


「はいよ、お待ち大盛のモーニング定食だ。おかわりもいいからしっかり食いなー」

待つこと数分、本当に大盛のご飯を店主は出してくれた。

こぶし大のパンが5こ。大皿にスープと目玉焼きにベーコンがいくつも。これは贅沢な飯だ!


「ありがとう店主さん!あぁ美味しそうな飯に涙でそうだわ」

昨日神殿で食ったものを考えると天と地とはこのことだ。


「いただきます!」

何やら祈るエリーゼを尻目に俺はもりもりと飯を食べていく。味付けも申し分ない。シンプルな塩コショウだけでなく香辛料も効いてる。スープはあっさりながらもコクがあって美味しい

ここを拠点に野良で働きたいわ。もう神殿に行きたくない


結局パンもスープもおかわりしてしまい、食べ終わるのに30分以上掛かっていた。

さっさと一人前の量を食べきったエリーゼは早く食べ終われとじーっと見てきたが・・・食事は数少ない楽しみなのだ。たっぷり楽しませて欲しい


「ご馳走様店主さん。美味しいごはんのお礼に身体悪そうなとこあったら治すけど体調はどうだですか?」

厨房で料理を作っている店主に話しかけると笑いながら首を傾げる


「はっはっは、そうだなーなんせ私も歳だ。身体のあちこちにガタが来てるよ。立ち仕事だから腰もちょっと痛かったりな。だけどそんなこと言って辞めるわけにもいかんよ」


どれどれ、と厨房の店主さんの腰に手を当ててみると、どうやらヘルニアの気配が。他にも膝やら肩肘も大分ガタがきてる。それに背中は整復も必要と治療の必要な箇所ばかり

とりあえず今は癒しの奇跡で治せるところだけ治して、整復は帰ってきてからだ。


「お・・・おぉ!?」

「ぱっと治せるとこは治したから。後は仕事から帰ってきてからね。朝ごはんありがとう、晩御飯も期待してるからね」

痛みから解放された店主が自分の身体を目を見開いて見ていた。たぶん長年辛かったろうに、膝なんか診ると数年は不便だったはず

帰ってきたらベットに寝かせて背中だなー


「ほら、早く行きますよ」

と、エリーゼに引っ張られながら俺は今夜の予定を考える。定時帰宅!それが目標だ




初作品となりますがいかがでしょうか?


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