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診察室が汚い理由

ゴミを片付け終わり、床も拭いてようやく綺麗になったぞ、というところでそれは始まった


『午後の診察が始まりますので準備してください。』

ノックも無しに入ってきたのはエリーゼとは違う見たこともないシスターだった。どうやら聖人という話は聞いているのだろうが敬うつもりなど無いらしい。まぁここでは実績もないし敬えと言うつもりはないが、同僚のような扱いをするつもりはないらしい


まさかとは思うが格下扱いでもされてるのだろうか。それとも新米ということで立場が?


「なぁエリーゼ、もしかして聖女様という存在ってあんまり大事にされてなかったりするのか?俺はもしや奴隷のようにここに引っ張られたんじゃと不安で夜も眠れなさそうなんだが」


「そうですね、奴隷よりはいいと思いますが忙しいとも思いますよ。とはいえ辺境伯領でされていた時より少し忙しいくらいです」


それは奴隷以下なのではと俺は本気で思った。飯の時間以外ほぼ朝から晩まで働きっぱなしだったんだが?

それ以上ってなんだ!?寝ずに仕事かあるいは飯抜きか?俺本当に殺されるんじゃないかとこの時は本気で思った。

だがそれは杞憂というものだったらしい


「はい次の方ーあぁーおじいさん膝使いに使ってきた人生ですねー軟骨も靭帯もボロボロだ。しっかり治しておきますのでこれで死ぬまで元気に動けますよ。はい、次の人~」

とまぁこうして前のように治療をしていく。患者の顔ぶれは辺境伯領の頃とは違いふつうの街に住む平民ばかり。

兵隊さんかな?と思う人はほぼ来ない。たまにちらほらいる程度だろう。


午後から始まった治療もいよいよ外も暗くなり終わりかと思ったとき、また名も知らぬシスターが患者の代わりに入ってきた。

そしてその手にはお盆が・・・もちろんその上にはパンと水とスープが入った器がある


どうやら俺はここで飯を食うらしい。まさかとは思うが・・・

「もしかして食ったらすぐ働けなんて言わないでしょう?さすがに疲れたのですが」


「疲れたのでしたらご自身で癒してはいかがでしょう?ディアナ様はそうしていらっしゃったようですよ」

だそうな・・・どうやらディアナ様はここで飯を食っては治療に明け暮れる毎日だったらしい

まさかそれで部屋がこんな汚かったのか!?外出する間も惜しんで治療を!?それはそれでちょっとだけ見直してしまうけれども・・・にしたって部屋の中にポイ捨てって

掃除はさせていいだろうに。どうなってるんだディアナ様や

とはいえ・・・

「私はディアナ様ではないので暗くなったら治療を終えます。それが不満なのでしたら喜んでここを出ていきましょう」


そう答えるとシスターは不満そうに鼻を鳴らして乱暴にお盆を置いて部屋を出て行ってくれた。

あぁあぁ・・・乱暴に置くからスープもコップの水もこぼれちゃってるじゃないか。全くもったいないことするシスターだ。


お盆の水とスープをパンで拭くように掬って食べていく。しかし半日働いてもらえる食事がこれだけって。俺は給料もらえるんだろうか?

食後、部屋の外で待っている護衛の二人と業務終了を知らせるべく神官長の元へと向かった。


「お二人とも護衛お疲れ様。しかしまさか連日あの人数を治してるのかね聖女様は?身体がいくつあっても足りんだろうに」

「あの人数を相手してるのはディアナ様だけですよ。ローズ様は貴族担当なのでここまでの人数ではないようです」


あぁーそらそうだ。貴族なんて王都、それと近郊なら100人もいないんじゃないだろうか。配偶者や親類縁者含めてもそんな毎日診てもらいたいわけじゃないだろうし。


しかしこの人数、ディアナ様が不在だったツケもあるのかね?



初作品となりますがいかがでしょうか?

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