王都到着!
聖女一行と別れたセイジたち、その後は毎日野宿の連日ではあったものの、なんと王都に着くまでしたのは5日だけだった。
馬と水分補給&食事をするとき以外、日が沈むまで全力で走りっぱなしだったのだからそれくらいで着くというものなのだろう
その道中色々と護衛の二人に話を聞いたりもしたのだけれども、意識朦朧としてた部分もあるので正直あんまり覚えていない。
二人が左遷されて護衛役になったとかは聞いたりしたが、理由はなんだったのか・・・
「あのセイジ様、次からは馬車で寝てもいいのでゆっくり移動しましょう、ものすごい疲れました・・・」
一応護衛でもあったはずのエリーゼがなぜか疲れた表情をしていた。かなり早い速度で移動してたのもあって怖かったのかもしれない・・・ひいひい悲鳴にならない悲鳴を上げていた気がするが、こっちはこっちでしんどかったので気にしてられなかったのだ。申し訳ない!
「次がないことを祈ってるけどね。さてそれでここが王都なのか、さすがに人が多いなー。物見遊山ではないがついついあちらこちら見たくなってしまう。お!あの店の串焼き美味しそうだ!」
今にもふらふら行きそうなセイジを腕をエリーゼが掴んで止めた。
「店によってはあまりお勧めできない場合もあるのでとりあえず黙ってうろうろしないように」
王様のおひざ元というのにイマイチな店があるらしい、どういう意味かは置いといて
「ささ、それではお二人ともまずは神殿へと案内しますのでこちらに。歩いて数分で着きますからね」
さすがに二人も馬に乗り疲れたからか馬を降りて案内することに。ただ乗るだけでも大変な馬を操るのはより神経を使って疲れたのだろう。
いくらセイジが癒しの奇跡で身体を治しても精神的な疲労まではどうにもならない
「本当に悪いようにはされないんだろうねー?されたら俺すぐ帰りたいんだけど」
「まぁあまり期待はしないほうがいいでしょう。本当にいい扱いなら私は王都行きを進めていましたよ」
・・・エリーゼの言葉が俺の足を止めさせる、が。腕を取って前に前に引っ張られてるので止めることができない!
「そういうこと先に言ってよ!そしたら三人を振り払ってこっそり逃げたのに!」
「今更逃げられたら私たちの首が飛ぶので言えるわけがないでしょう、恨むなら拉致される自分の軽率な行動を恨むことですね」
だって辺境伯のとこいたら戦争待ったなしだったろうし、こうするしか。
セイジに足りないのは考える頭、ではなく信頼できる人だったのかもしれない。
情勢を知りある程度信頼できた人物がもしいたとすれば、商人のルンボだけだったろう。
ただ彼も商人、金になる話があればすぐにそちらへ行ってしまう。残念ながら拘束されたり足止めされていたセイジが辺境伯の領地へとたどり着く頃には隣国へと旅立ってしまっていた。
とはいえ彼の功績がないわけではない、彼が辺境伯領でセイジの話をしていたからこそ、辺境伯の耳にも入りあの早い対応になったのだ。
そうでなければさらに拘束時間は伸びていたころだろう。
あぁ、ルンボさんや村のみんなは元気にしてるだろうか
エリーゼと、そしてもう反対の腕を護衛の騎士に抱えられ引きずられるようにして俺は神殿へと運搬されていく・・・俺一応聖人様なのよな?敬うような対象なんじゃ・・・
やっぱ女じゃなきゃダメか?
初作品となりますがいかがでしょうか?
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