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NO2聖女の目的

本当に聖女はこちらを拉致などするのだろうか


ふとその疑問に思い当たった。待っていればおそらく神官長なりが法をいじって男もOKにした書状を持ってまたここに戻ってくるだろう。そうすれば俺や辺境伯は拒否できず、しぶしぶ従うしかないのでは?


「と思うのだがどうだろうか?」

そう二人に聞いた俺への返答は・・・


『甘い』

だった


どうやら俺は甘いらしい。汗はしょっぱいのだが・・・どこから甘さが出てるのだろうか


「よろしいですか聖人様、王都、特に神殿というのは権力渦巻くとても面倒なところなのです。聖女は現在二人いますがこちらに来た聖女ディアナは聖女としてはナンバー2。ここで貴方を連れ帰れなかったとなれば今より扱いは酷いものにるでしょう。ナンバー1の聖女ローズ様が王都を出られるときの護衛の数はあの程度じゃ済まない数ですよ。私も一度ローズ様故郷に帰る際にちらりと見かけただけですが」


どうやら聖女というものには力関係があるらしい。何で決まるものなのかはさっぱりわからないが

しかしナンバー3がいないなら別にこれ以上下がりようがないのでは、と思ったが。俺が王都にいけば最悪彼女はそのナンバー3になるのか


というか俺がナンバー3になったらどうなるんだ?護衛を寄越せとは思わないがどんな扱いになるか想像するだけで恐ろしいのだけれども


「ということでおそらく聖人様は狙われますのでお気をつけて。ほうほい美人について行ったりしないように」

エリーゼがありがたい忠告をしてはくれるが。俺はそんな女について行ったりしないし、したこともないのだが。


「で、俺はこれからどうしたら?この屋敷にずっと籠っているわけにもいかないのでしょう」

「それはもちろん、聖人様には普段と変わらぬ生活をしていただければ。護衛はしっかりと用意しますので」


つまり・・・働けということらしい。

「はぁ次の方どうぞー」

こうして今日もまた俺は職場で治療をしている。違うことと言えば診察室のすぐ近くでエリーゼと護衛の騎士二人が見張っているというとこだ。

俺と俺を誘拐しないかを


その日も無事仕事を終えて、護衛三人で屋敷へと戻った。しかしこれでいいのか、何か打開策なり無いのかと辺境伯に聞きたいが・・・その辺境伯はまた仕事なのか屋敷に来る気配はない。

この状況どうにかするなら・・・やっぱり開戦かね?

さすがに戦争中となれば聖女様もわが身可愛さに逃げ帰るだろうし


となると俺としてはそれはそれで困るのだが、さてどうしたらいいのだ。

「なあエリーゼさんやどうしたらいいと思うかね?」

「そうですね、私としてはとりあえず屋敷に帰ってもらえますかね?」


エリーゼがこめかみに血管を浮かべ怒っているのも仕方ないのだろう

なんせ今セイジは・・・酒場に来ているのだから。


「だってここのご飯美味しいよ?エリーゼも一緒に食べよう」

「だから私は護衛ですから。あぁこんなことなら屋敷から出すんじゃなかった。今集団で襲われたらどうするんですか」

「酔っ払いばっかりだけど兵がゴロゴロいるここで襲うほどの度胸はないでしょ。相手は正規の騎士なりなら特に。雇われのならずものなりなら絶対正面から来れない。返り討ちにあいたくないから」


自信満々、ではないがたぶん当たっていると思う。それなりに明るく人も多いこの店内で人を誘拐などできるものか。やるなら騎士が多数きて正面から堂々と連行するくらいだろう

それも辺境伯所属の騎士たちを呼べば止まる

聖女もそんな失態したくないだろうから、結局できるのは帰り道にどうにかして俺たちを攫うことくらいだ。


「な?やっぱり来るなら帰り道だろ?」

「なじゃないですよ!どうするんですかこれ!?」

エリーゼが隠していたナイフを手に身構えるも多勢に無勢。周りには20人ほどの街人に扮した騎士たちが囲んでいる。


「大人しく連行されろ、悪いようにはしない。聖人も聖女様もいるのだ、手荒に拘束してもいいのだぞ?」

リーダー格の男の言葉に俺はエリーゼの肩を叩き武装解除するよう促した。

さて、これで俺の目的は達成、かな。



初作品となりますがいかがでしょうか?


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