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聖女と騎士とシスター

騎士たちに囲まれローブ姿の女性、どうやらこの人が聖女様らしい。年齢にして20代だろうか、顔つきがちょっとキツくてなんかコワイ。

しかしなぜ王都から出ないと言われる聖女がこんな辺境に?


もちろんその質問に答える人はおらず、というか質問すら下手にしたら不味いのは俺でもわかるのでとりあえず黙っておく。そしてメイドさんが聖女様を前に膝をついたので俺も倣って膝を


「貴女の働きに感謝を、シスターエリーゼ」

「もったいないお言葉。私はただ職務を全うしたにすぎません」


あのメイドさんの名前はエリーゼというらしい。他のメイドさんたちの名前も結局は聞くこともなかったなぁ・・・

何て思っていると今度はこちらに話が振られた。やはり俺に用事があるらしい


「そこの方がいやしの奇跡を使えるという男性でしょうか?」

「はい、すでにその力は数百人の人を治療していることから間違いないかと」

「実際に見せていただけますか」


ただ見せろと言われても困るのは聖女様とてわかると思うのだが、俺は顔を上げずそのまま言葉を返す


「見せようにも患者がおりません、それと私はこの癒しの奇跡を生業としています。報酬がなくてはパンも買えません」


つまり見せるのは構わないが金を寄越せと。聖女様は雇われの身っぽいがこちらは個人営業してるのだ。金を直接もらわなければどうにもならない。というか辺境伯からもまだもらってないのだが!?


「あぁそうでしたね。さすがに患者を用意はしてきませんでした。それでは・・・そこの貴方、ちょっとけが人を用意していただけます?」


傍に控えている騎士にそう告げると騎士は迷わず剣を抜き・・・そして跪くエリーゼに迷わずその剣を振り下ろした!

俺はエリーゼもそこそこの実力者なのだろうとは思っていた、尾行は上手かったし。

ただそれでもこの予想外の攻撃、それも跪いた体勢での受けなど想定していなかったのかもしれない。

彼女はとっさに身体を左に避けるも腕の肉を削がれるように切られてしまった。


「あらあら、シスターエリーゼ、避けてはいけませんよ。これは大切な神の試練です、大丈夫すぐに治しますから。そこの男性が」


この状況下で報酬のことなど言ってはいられない。俺は倒れたエリーゼの腕を急いで治療した。

幸い処置も早かったから出血はそこまで多くはなかったはず、だが・・・こんな残酷なことよくやるもんだ。

「これで昨夜の事はチャラにしてもらうよ」

卑猥なことも言うもんだな。と自分の中では終わらせる


しかしこれが聖女か、なるほど・・・ろくなもんじゃないな。

俺の中での聖女という存在がこの瞬間固まった。


俺はすっと立ち上がり聖女を見下ろす、本当は視界にすら入れたくないのだが


「それで俺になんの用だ。俺にはあんたらに用はないんだが?」

俺の態度にエリーゼを切った騎士が再び剣を振り上げようとするのを聖女が手を上げ止めた


「そう興奮なさらず、貴方の力は見せていただきました。男性なのに本当に癒しの奇跡が使えるのですね、驚きました。つきましては王都の神殿へ迎えるようと神官長様より賜っております」


「それはそれは、大変なお話だ。だが断る、俺は神殿なんぞで働く気はないからな」

俺が断ったことが以外だったのか、騎士や聖女は同様したのか少しざわつく。

むしろこの状況を見て行く!って人がいるのかと聞いてみたい。


「これはお願いではないのですよ。神官長様よりの命令です。ですので貴方を王都の神殿へと連行させていただきます」

「連行なんぞされて俺が力を使うと思うのか?」


俺の答えに聖女は笑って返してきた、聖女とは思えない笑顔で。

「無理やり力を使わせる手段なんていくらでもあるものですよ?」


聖女の視線はエリーゼに向いていた。治療しなきゃ死人がでるぞ、と

あいにくと俺は死なれて困る人なんぞこの世界にはほぼいない。だが・・・俺のせいで人が死ぬのを見て見ぬふりをするのができるとは言えない・・・



初作品となりますがいかがでしょうか?

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