打開策は・・・
メイドさんに部屋に押し込まれてから、俺は一晩考えた。これからどうするべきか
このまま辺境伯に従い治療をしていればおそらく間違いなく開戦する。そして怪我をした兵たちを治療させられることだろう。
戦争の規模にもよるが毎日100人無傷の兵が出来上がるのは結構な戦力になるのではないだろうか。
ただ・・・この力で戦争に加担させるのは間違ってるのはわかる。
故に辺境伯に協力はできない!今更といえば今更だが。
さてそうなるとどうするべきだ?このままここにはいられない、話し合いができればいいがメイドさん曰く俺が居ようが居まいがもう開戦するらしい
となると辺境伯と話し合いするにしてもどう話すべきか、もう治療はしない!と言っても駆け引きにはならない。じゃあ隣国に行く!と言えば・・・普通に監禁拘束待ったなしだろう。
・・・おいどうしたらいいんだ!?本当に戦争を止めるのは俺には無理な気がする。
となるともう本当に逃げるしかない。
ただ・・・逃げようにも監視がついてる、今から逃げようとしてもたぶん誰かしら見張ってる気がするんだ。というか見張ってなかったらちょっと笑ってしまう、さっきのメイドさんはなぜ尾行してたんだと
人混みに何かに紛れて逃げるのはどうだろう、そう思い昼にでもなんとか職場を抜け出す算段を
そう考えているうちに眠りについた・・・せめて何か答えを出してから寝たかったが疲れてるんだ!
翌朝、目を覚ましたのはメイドに起こされたわけでも鳥の鳴き声で起きたわけでもない
ガンガンガンガン!!
と早朝だというのに騒々しく屋敷の玄関のドアを叩く者がいたからだ。
なんだ一揆か!?と目を覚まし窓の外を見るとまず目に着いたのはなんだか豪華な馬車。
そしてその前に何人もいるしっかり甲冑を来た騎士が十人ほど、そしてローブを着た女性が一人
これを見て俺はチャンスだと思った。この騒ぎに乗じて!と
静かに窓を開け、昨日のように木を伝って庭に
「逃がしませんからね?」
庭に降りると昨夜のメイドさんがにっこり笑って迎えてくれた・・・俺はどうやら選択を間違えたらしい。本当はベッドの下に隠れて騒動をやり過ごしてから逃げることも考えていたんだ。
昨夜のこともありメイドが外に逃げたと判断するかもしれないから
「ごめん、やり直してくる」
そう言って木を登ろうとすると・・・メイドに後ろから服を思いっきり掴まれた。
「あの、離してくれませんか?逃げませんから、むしろ部屋でおとなしくしてるので」
「いえいえ、どうせお迎えに行くとろこでしたので。手間が省けてなにより、さすが聖人様ですね」
何がさすがか全くわからないがとりあえず俺は彼女に捕まったのは確かだろう。
「逃走した罪で俺はきっとこの後彼女に筆舌に尽くし難い卑猥な拷問をされるのだろう・・・。俺の清い身体が汚される!」
「何バカなこと言ってるんですか、聖女様一行が貴方を迎えに来たんです。大人しく連行されてください」
「ふつう迎えに来た人を連行しないから」
「では昨夜私に卑猥なことを聞いた罪で連行してもらいましょう」
余計なこと言わなきゃよかったわ・・・
俺は改めて彼女に昨夜のように腕を取られながら聖女様やら一行の前に連れていかれた。
初作品となりますがいかがでしょうか?
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