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美味い飯の出る酒場

夜も大分深まった街の中、酒場に見慣れぬ自分が一人入る。大体顔見知りばかりが入るような大衆酒場、こういうとこによそ者が入ると警戒されるものだが・・・これくらい遅くなり酔いがある程度回れば後はもう仲間内で固まって楽しく飲んでるからかこちらに目線を向ける者も少ない

おかげで無事カウンター席に座り店主に話しかけることができた。


「ここで美味い飯を出すって話を聞いたんだけど合ってるかな?」

もちろんそんな話を聞いたことはない。だが最初から酒は飲めない飯を出せ水を出せでは本当に欲しいものも出てこないだろう


「なんだ誰だそんなこと言ったやつ、ここは酒場だぞ?」

そうは言うが店主は少しうれしそうに笑う。飯が美味いと言われてうれしくない店もそうないだろう。


「誰だろうな?ただ美味い飯があるなら食べたいと思って。大分遅くなったけど大丈夫かな?店主おすすめのをお願いしたいのだけれど」

「へっ、いいぜ。美味い飯出してやるから待ってな」


しばらくして出てきたのは本当に美味しそうな飯だった。時間もあるせいかあまりがっつりコッテリはせず、食べやすく手が止まらない美味しさのメニュー。

「おぉー本当に美味しい!ありがとう店主さん」

「いいってことよ。しかしあんた見ない顔だが最近この街に来たのか?」


やはり馴染みの客が多いからかこちらの情報を店主は欲しがる。特に隠すことでもないが、ここで正直に話すとこちらの話が進まないのでちょっとだけはぐらかすことに。


「ああ、この街でいい仕事があるって聞いて来てみたんだ。ただ急いで飛び出してきたからどんな仕事があるか聞いてないんだけど店主さん何か知ってる?」


「おいおい大丈夫かあんた。確かにいい仕事はあるが・・・傭兵だぞ募集してるの」

と、いうことらしい。やっぱり戦争でもしようとしてるのかね。となると治してる連中は戦争の犠牲者以外にも雇った傭兵もいるのだろうか


「なんだ傭兵か?俺戦えないぞ。しかし辺境で傭兵集めてるって・・・まさか戦争始める気じゃないだろうな」

「その通りだって噂だ。そりゃ隣国に隣接する国が兵を集めるっていったらソレしかないだろう。俺も聞いた話だが聖女様がきて前の戦争の負傷者を癒してくれてるんだと。それで傭兵連中にも古傷治す代わりに参加しろって誘ったらしいぞ。そりゃ酷い傷タダで治してくれて戦後は金くれるっていうなら参加するわな」


戦争ということもあり、店主は話している様子から戦争をあまり好意的に思ってはいないようだ。以前の戦争がどうだったか分からないが、場合によってはリベンジだ、今度こそ隣国を!みたいな風潮もあるのだろうが、この店主は違うらしい。平和に暮らせるなら一番だろうしな


「あんたも悪いことは言わない、戦争が始まる前に出ていったほうがいい」

「店主さんは出て行かないのかい?」

「俺が?俺は家に年老いた両親がいる。二人は長い旅路に耐えられないだろう・・・それに俺にはこの店もあるしな!」


笑う店主だが・・・本当笑ってなきゃやってられないような状況だろう。

必要な話は聞けたので、俺はごはんをしっかり食べてから店を出た。しかし俺に何ができるだろう・・・

治療を止めて逃げ出せば戦争は回避できるだろうか?

もうかなりの人数治療してしまっている、今更止めてどうなるだろうか


店を出て少し考えるも答えは逃げ出す一択だった。

だが・・・俺の勘が合っているなら・・・

「いつまで尾行してるんだい?どうせなら横を歩きなよ、護衛でもあるんだろう」

後ろを振り返らずそう語りかけると、暗闇から一人の女性が姿を現した。


「まさかバレてるとは思いませんでした、いつからお気づきに?」

出てきた女性はメイドの一人、残念ながら名前はわからないけれども





初作品となりますがいかがでしょうか?

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