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専用の診療所

診察所ができるまでの数日、俺が外出するときは常に誰かが一緒だった。メイドさんだったり執事だったり・・・あの、朝に黙って出かけたのそんなに怒ってますかね?

結局朝はこの街を知るためにも外食したいと言ったら却下もされた。おかしい、俺に自由がろくに無いんだが?


そんなこんなで無事診察所は完成し、俺は作ってくれた辺境伯様に連れられて職場へと馬車で向かう

幸い職場は近いようで馬車で10分ほど走ったところにあった。


「お待たせして申し訳ありません、ですがなかなかに良いものが出来上がったと思います。ぜひ中をご覧っください」

と、辺境伯様にまるで手を引かれるように案内された診察所は外観はおそらくもとは何か商いに使っていたのだろう、看板以外は新築っぽくない色合い

さらに中を見ると綺麗に掃除はされているものの、やはり新築特融の匂いなどはない。

ずらりと並んだ10近いベッドに薬品棚、そして机に椅子が何個も並ぶ。確かに診察所っぽいが・・・なんだろう、何かが足りない気がする。


ふと元いた世界の病院を思い返してみる。そうしたらすぐに分かった、足りないものが。

「患者には服を脱いでもらうこともある、他人に見られるのを好むものもそういないだろう。衝立でいいから私が診察する場所を囲って周りから見えづらくして欲しい」


「ああ、そういうものも必要でしたか。気が周りませんで申し訳ありません。すぐに用意させましょう」


そう言う辺境伯様は少し笑っていた。何が楽しいというのだろう


衝立が来るのを待ってからの開業ということもあり、仕事は午後からとなった。さて患者はどれくらい来るのだろうと心配していたのだが・・・その心配は杞憂というものだった。なんせ長蛇の列、診察所の外までずらりと並んでいるのだから。


これ治療終わるの何時になるんだ?

徹夜も覚悟で俺は治療を開始する。

「はい、まずはお名前をお願いします。ほう、アレクさんですか。これからよろしくお願いします、今回に限らず何かありましたら診察を受けに来てください。さて今回ですが、なるほど腕の調子が。では診てみましょう・・・なるほど神経が傷ついているようです。これならすぐ治りますからね」


と言った具合にカルテを作成、とは言っても本職の医者のようには作れないので名前と大よその外見、それと治療箇所を書いていく。これで次来たとき少しでも何か役に立てば・・・いいんだけどどうだろうか。なんせ癒しの奇跡で大抵どうにかなってしまうしな。


それでも医者のような手順で名前を聞きカルテを作成しつつ、数えるのもイヤになるほどの患者を治していく。


今日の治療が終わったのは外が真っ暗になって、座っていたせいで痛くなった尻と腰が悲鳴を上げだしたころだった・・・


「聖人様、今日はこの辺にしておきましょう。外の患者は明日また来るよう手配しますので」

執事のトロンがそう言いにきたことでようやく治療は終わり、俺はトロンとともに屋敷へ帰宅する。

帰りも馬車なのだが・・・もしかして俺これからずっとこの生活じゃないだろうな。


朝から晩まで治療しっぱなしとか俺が倒れるぞ?

不安になって明日からのスケジュールをトロンに聞いてみた。すると返答は・・・


「スケジュール・・・でございますか?特に変更はなく明日は朝から治療をお願いします。患者はまだまだいます、皆が聖人様を必要としているのです」


とんだブラック企業に俺は雇われたらしい。この扱いじゃ王都にいる聖女もどんな扱いされてることか。

ちょっとだけ同情してしまったがこの同情、いらないことだと後で知ることになる


初作品となりますがいかがでしょうか?

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