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外科手術

「確かにお姉さんの価値、見させていただきましたよ。ただお金は成功報酬にしていますので後程いただきます。それでは時間ももったいないので早速治療を始めましょう。ただ今回異物の除去になりますのでナイフを貸していただけませんか?一応火で炙ってから持ってきていただけると助かるのですが」


こちらの要望に辺境伯が後ろにいた兵にナイフを持ってくるよう伝える。どうやら終わるまで見ているつもりらしい

パタパタと走り出す兵を後目に壁にもたれかかりこちらの動向を伺っていた。


「さてお姉さん、それでは治療しますので座ってください。ナイフが来次第開始しますので」

「ほ、本当に治るんでしょうね。治らなかったら化けて出てやるから」

なぜ死ぬ前提なのだろう・・・そして化けて出てこられると非常に困るのでやめて欲しい。


お姉さんにじっと睨まれながら待つこと数分、兵から殺菌されたナイフを受け取り治療を開始しようとするも・・・お姉さんがじっとナイフの切っ先を凝視していてやりにくい。


「あの、あまり見ないほうがいいと思いますよ。なかなかにグロテスクな映像になるので」

「あんたがちゃんとやるか見てるから。伊達に戦場にいなかったのよ、傷口くらい見慣れてるもの。さ、早くやって」


そうは言うがお姉さんの顔色は青い。ただやってくれというならやりましょう、軽く診てみたことろ、そこまで深くは刺さっていないので、ちょっと切開して引き抜けばいけるはず


「それじゃあ1,2,3で切開しますので。いきますよー1!」

のタイミングですっぱりと皮膚を切った。変に身体に力が入ると切っ先が狂ったりして危なかったりするらしいと聞いたことがあるが、どうなのだろう。とりあえずうまく切れたと思う。

ぎゃー!というお姉さんの悲鳴は聞かなかったことにしてあげた


切り口が良かったのか、長年皮膚に覆われていた矢じりはすぐに取り出せた。軽く内部を見るが残した異物はないようなので素早く癒しの奇跡で修復を


この間約1分!かなり手早くできたんじゃないだろうか初手術。いやぁー切った内部とかちょっとグロいよね。しばらく生肉は見たくないかな。


「ほら、治ったよお姉さん。しばらくろくに動かしてなかったんだ、まずはストレッチからゆっくりとな。やり方は教えてあげるから。まずはこうして腕の付け根を揉んで固まった筋肉をほぐしていくーって聞いてるお姉さん?」


こちらの問いかけを聞いていないのか、お姉さんは矢じりのあった部分をぺたぺたと左手で何度も触っている。無くなった矢じりを見たいのだろうか

持っていた血まみれの矢じりをお姉さんに見せてあげると再びぎゃー!と叫ばれた。

一体どうしたというのだ・・・これを見たかったのじゃないのか。


ひとしきり騒いで喚いて、軽く腕をマッサージしてようやくお姉さんが落ち着いた。

「本当に・・・治った・・・んだ」

「落ちた筋肉とか固まった筋はほぐしていかないとダメだけどね」

「・・・ありがとう・・・本当にありがとう・・・これでまた兵として戦える」


一度前線に出た兵士として、ここに燻っているのがどれだけ辛かったのか、俺にはわからない。ただ、俺が思うのは治ってよかった。それだけだ

テーブルに何十枚も置かれた銀貨を俺は10枚だけもらって懐にしまう。これくらいもらってもいいだけの仕事はしたろう。


「さて、それで俺は辺境伯領に入れてもらえるのかい?それとも帰ったほうがいいかな?」

その疑問に答えたのは辺境伯だった


「もちろん歓迎します聖人様。どうか怪我や病に苦しむ領民をお助けください」

深々と今度は辺境伯様が頭を下げた。全く持って恐ろしいことをするものだ・・・俺は慌てて頭を下げる。貴族相手に頭を下げられてふんぞり返るなどできるものか


初作品となりますがいかがでしょうか?

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