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旅は道連れ世は金だ

辺境伯領へ向かう馬車に揺られること2時間・・・一行の尻はもう痛くなっていた。

これから次の休憩までこの痛みを耐え続けなければならないのだ。俺以外は!


馬車に乗っているのは御者と5人の男女。一組は母と小さなと子供、他はおじさんが三人とまあまあむさい。そのおじさんの中に俺も入っているのだろうからこの母親と子供には申し訳ないとは思っている


さてこの尻の痛みだが、これはビジネスチャンスなのだ。自分は早々に癒しの奇跡を使って治してるからいいのだが、これを他の面々にもしないのは可哀そうというもの


「ということで皆さん銀貨1枚でお尻の痛みをお取りしますがいかがですか?」


いきなり何を言い出すんだこの男は?と全員が半信半疑、というかほぼ信用せず疑いの眼差しを向けてくる、前に座る御者までが鼻で笑う始末


「そうですか、まあ必要になったら言ってください。治療は成功報酬でいいので」


そう告げるとセイジはさっさと目を瞑って眠りだす、依頼がないならやることがない。となると眠るしかないのだろう。もっとも他の人たちは尻の痛みで仮眠すらままならないのだが


「おいあんちゃん、治療後でいいのか?ならちょっと試しだやってみてくれないか」

「やめときな、何もないだけならまだしも余計痛くなったりしたら困るだろうが」

「なぁに物は試しだ。人生チャレンジが大事なんだよ」


何の問題もないかのように眠るセイジに、一人の痩せたおじさんが声を掛けた。そして他の太ったおじさんがそれを止めた。やはりどう考えても怪しい勧誘文句なのだろう。


「それで、どうします。こちらから治させてくださいと言うわけでもないのですよ、信用されてないのもわかっていますので治療の代金は成功報酬でいただきます、これが私が示せる精いっぱいの誠意ですので」

「わかっているよ、だから頼むんだ。話のタネにもなるしなっ!」

と、痩せた男性は楽しそうに笑いだす。酒のツマミに話すのだろう。

止めていた太った男性ももう後は好きにしろと、止めなくなった。


「それではお手を拝借」

痩せたおじさんの手を取りさっさと尻の痛みを取る。肩の様子も怪しいが、今はそこまでのサービスは無しにしよう。治療に使う寝台もないし


セイジがおじさんの肩に手を当てた瞬間、その手が光輝き全員の視線がセイジと手に集中した。

もちろん驚きのあまり全員の目が点に

これ光るのはいいけどちょっと眩しいんだよな


「お・・・おぉ!?尻の痛みがなくなった!?」

まるで尻が無くなったのかと確かめるよう痩せたおじさんは自分の尻を撫でまわす。

その光景を見てようやく他の面々は半信半疑となっているようだ。このおじさんもグルで詐欺をしようとしてる可能性を疑っているのだ。




初作品となりますがいかがでしょうか?

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