目標達成、いざ行かん辺境伯領
昼飯時を過ぎているからか、町の食堂に行くと店内は大分空いていた。もう大半の人は食べ終わって出て行ってるのだろう
そのおかげもあって席には待たずに座れ注文はすぐにできたのだが・・・
「あぁーそれはもう品切れだね。残ってるのはこの気まぐれ定食かおまかせ定食の二つだよ」
ということで人気のメニューは無く、おそらくあまり売れない二つが残っているらしい
おのれモーロック子爵め!
「じゃあお姉さんのおすすめで」
「あいよ!じゃあお姉さんがおすすめするの持ってくるから」
お姉さんというにはいささか年齢が・・・かもしれないお姉さんは笑顔で注文を受けカウンターの中へ引っ込む
さて一体何が出てくるのか・・・そう不安に思っていたのもつかの間、出てきたのはパンに卵スープにサラダにベーコンだった。まるでモーニングだな
「今日の気まぐれはモーニンの残りになりまーす」
それ気まぐれか?とも思いつつ食べるとふつうに美味しいので文句は何もない
「ま、それだけじゃつまらないからコレも付けとくよ。たんと食べて行きなお兄さん」
去り際にお姉さんが置いて行ってくれたのはフルーツ盛りだった。オレンジやらリンゴやらなかなかに美味しそう
というかこれやっぱりモーニングの残りなんじゃ!?
ただおまかせしといて文句など言うわけもなく。ありがたく美味しいモーニングランチをいただいていると、このガラガラの店内だというのに男が対面に座った。
「よお兄ちゃん、先日はやっかいになったな。無事あの屋敷を出たってことはアノ治療は成功したんだろ」
いきなり座ってきて挨拶もなく話しかける内容に特に返すこともなく、それよりも飯だと無視して食事を進めることに。
相手の男の顔をちらりと見ると見おぼえがあるような気がする、がどこだったか
「だんまりか、まあそれが賢明だ。下手に話せば首が飛ぶもんな?」
もぐもぐもぐもぐ・・・
「あんたの活躍を受けて辺境伯領への通行証を発行することになった。後で役所に来な、すぐ発行してやる。それに、治療ありがとよ。おかげで背中の痛みが取れたからな」
言うだけ言って男は銀貨二枚をテーブルに置いて去った。・・・どこかで見た気がしたと思ったら役所の受付の人であり、街中で治療したのに治ってないと難癖つけた人だ。と思う
何はともあれ、通行証が発行されるというなら食後にでも行こうか。この町でのやることも終わったろうし
本来はお貴族様と関わりになどなる予定はなかったのだけれども、困ってる人を治療できたのだから良しとしようか。おかげで辺境伯領にも行けそうだし。
早速役所で通行証を貰い、セイジはいくつか買い物を済ませると辺境伯領へと向かう。もちろん宿で一泊してから。理由はもちろん野宿を少しでも減らしたいからである
「そっかー、明日出るのかい。寂しくなるね。あんたの噂を聞いて来た客もいたんだよ?」
「とはいえ大した人数じゃないので、俺も稼がにゃならないしいつまでもこの宿に厄介になるわけにもいかないですよ。」
「それで、乗り合いの馬車で行くのかい?辺境伯様のところなら銀貨4枚だったかね」
女将さん曰くどうやら乗り合いの馬車があるらしい、徒歩で向かうつもりではあったんだけど、聞くと徒歩だと10日以上かかるとか・・・それを聞いたら馬車しかないだろう!ケツ痛くなるけど
自前の馬と乗り合いなりの馬車を使っての移動だったらどっちのが安いのだろう。馬の食費ってそもどれくらいだ?
初作品となりますがいかがでしょうか?
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