聖人誕生
「さて、それでは私の世界に行くにあたり貴方に癒しの奇跡を授けましょう。いくらなんでも何も無しに向こうの世界に行っては色々と大変でしょうから」
この時、俺は何が大変かよくわかっていないかった。確かに時代やそも世界観によっては色々と違うのだろう・・・
「はい、それでは行ってらっしゃーい。世界を頼みましたよー」
と言うなり俺の足元に穴が!また穴かーい!!
その癒しの奇跡の使い方もろくに説明もなく、俺はいきなり異世界へと飛ばされた。
来た時同様に穴に落ちる中、周りは暗くなり・・・そして次第にまた明るく・・・
ゆっくりと瞼を開くと、そこには一面草原が広がっていた。・・・おいちょっと待て、ほぼ裸一貫の状態でこんなだだっ広い草原に置かれてどうしろと!?
この世界に来て早々、俺はアイツを恨んだ・・・せめて近くに町なりある場所とか、地図なりコンパスなりーはちょっと無理か。
いやでもせめて近くに人でもいる場所をだな
と思って周りを見渡すと第一人類発見!
「こんにちはーー!ちょっと色々伺いたいのですがよろしいでしょうかーー!」
大きな声ではきはきとあいさつ、手をブンブンと振ってアピールを忘れない
その人影もこっちに気付いてくれたのか、元気よくこちらに向かって走ってきた・・・けどちょっと待て
日本感覚で声掛けたけど相手が悪人の場合もあるんじゃ!?追いはぎとかふつうにあり得そうなんだが!?
間に合うかはわからないが逃げようと背を向けると今度は相手が大声でこちらに声をかけてきた。
『お願い人手がいるの!おじさんも手伝って!』
どうやらこちらの方角におじさんがいるらしい、私はお兄さんなので人違いだろう。さて逃げよう
そう思って走り出そうとした瞬間、何かがヒュっと頬を通り過ぎた・・・
ツーっと流れ落ちる赤い血・・・どうやら鋭利なモノを投げられたらしい。きっとこの先に獲物がいたのだろう。全く狙うなら私に当たらないようにしてほしいものだ。
と、改めて逃げ出すほどの度胸などないので大人しく両手を上げて降伏することに。人手がいるってことは殺されはしないだろう。すぐには・・・
初作品となりますがいかがでしょうか?
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