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家族

セイジとエリーゼが結婚してからあっという間に月日は過ぎていった。

忙しい合間を縫って小さいながらも結婚式を上げた以外はいつも通りの日々


西国バリテール王国での研究及び後進育成のために講義を開き説明するセイジ

そして時折治療と研究成果の普及のため他国へと赴く

もちろんこの時はエリーゼも一緒だったのだが・・・ある時からエリーゼは家で留守番となっていた。


その代わりに雇われた護衛はいつもの闇夜の月のメンバーである。女王陛下からの直々の指名ということもありイヤなのだが断れず渋々受けたメンバーとセイジが南に東に時に北にと走り回る


その間エリーゼはというと、家で大きなお腹を抱えてセイジを待つ

一緒に行きたかったエリーゼだったのだが、このお腹では足手まとい、ということで渋々家で待つことに。

一人編み物をしながら待つのは今までの激動の日々を考えれば平穏そのものだったのだが


自分の居場所はセイジの隣だと思っていたエリーゼとしては寂しく不安な日々であった。

そんなエリーゼを想うようにセイジも仕事が終われば闇夜の月のメンバーの尻を叩いて急いで帰国する


ただ、一人身重なエリーゼを置いてくるのは危険と彼女にも護衛が着くことに


「それでどうして貴女様が来るのですかね?私としては色々と危険を感じるのですが」

「セイジが信頼できて、かつ実力がある者といえば私くらいだろう」


遠路はるばる駆け付けたのはシャルロッテ王女であった。正確には公爵の位を受け今は女公爵として一代限り、かつ領地は無い貴族である


「女王陛下から直々の依頼とあれば断る訳にもいかないだろうーこの国もまだパタパタしていて内政が怪しいからな、頼む相手も難しいのだろう」


もちろんこれは王太子となったレティカの采配である。女王陛下に根回ししてシャルロッテをバリテール王国に呼びセイジ及びエリーゼの護衛としたのだ


「はぁ・・・まったくセイジさんもあの時しっかり断らないから」


家族が増えるということと、常駐する護衛もいるので今日は引っ越しで大忙し。

物件探しから新しい家具の手配にエリーゼが行っていたのだがいちいちシャルロッテが口を出してくるので二人して言い合いになることもしばしば


だが、それも傍から見れば楽しそうで

セイジ不在で一人なエリーゼにはシャルロッテの来訪はいいものであったろう

それが旦那を狙う女でなければさらに言うことはなかったのだが


帰ってきたセイジがシャルロッテが護衛に着き、しかも一緒の家に住んでる事実を知って驚くのも無理はなかったろう。

護衛を頼んだのはセイジなのだがまさかシャルロット王女が来るとは予想もしていないのだから。



そうこうしている間にエリーゼが無事赤ん坊を出産し、育児に勤しむ中

セイジが隣国へと出張する日が

当然のようにシャルロット王女が着いて行こうとするも、それはセイジとエリーゼに却下された。

当然だ、二人そろっての旅は危険だからとセイジは引いたのだから。

となるとセイジとエリーゼが一緒に行くのだが赤ん坊を残していくわけにもいかない


ということでシャルロット王女が直々に子守りのため残ることに

「おかしいだろう!私はまだ未婚だぞ、それが子育てなど。おいセイジ私にまずは仕込んでいけ!」


「子育てのマニュアルなら作っておきましたよ?ハチミツはダメですからねー」


何やら騒いでいるシャルロット王女を後にセイジとエリーゼは二人旅に出る。とはいえ子供もいるので旅は短期、行って数日で戻ってくるものだ。


そんな慌ただしい日々にもまた終わりを告げることに

各国の施設が出来上がり研究成果の共有もある程度しっかりできるようになったこと

さらに聖女の派遣が活発に行われセイジの代わりに研究治験の補助ができるようになったこと


意外なことにグロいのが苦手なディアナが国に留守番をして患者の治療を、そして全然大丈夫なローズ

はバリテール王国で外科治療のサポートに治験の補助とセイジとそん色ない活躍をしていったのが大きいだろう。


おかげでセイジは本来の仕事である整骨院を開業し患者の治療をする日々

時折国を移るのだが、今は馬一頭でふらっと二人で移動することもできず


レンタルで馬車を借りて護衛も多く付けての大所帯で移動となっていた。もちろん荷物は最低限なので驀進するのは変わらないのだが。


「振り落とされないようにしっかり捕まってるんですよ、落ちたらセイジさんにゴキゴキ骨鳴らしてもらいますからね」


『はーい!』

元気よく返事をする子供の声

エリーゼは馬車に乗る4人の子供に言い聞かせるように喋る。

二人はエリーゼの子供、そしてもう一人は・・・シャルロッテの子供である


こうして家族総出で住居を変えては癒しの奇跡と整復で人々を癒す聖人セイジの事は各国の歴史書に名前が載ることとなる。

そして死後もなお、その整復の技術は脈々と人々の間に受け継がれた。

聖人式人体整復術として癒しの奇跡が使えないものでもできる民間治療法として。






初作品となりますがいかがでしょうか?

ブックマーク、いいね!と星頂けると喜んでもっと早く投稿できますのでぜひお願いします


予想よりも大分長くなってしまったのですが、どうだったでしょう。自分としては書きたい展開は書けたので良かったなぁ~と思っています。

また機会があったら何か書きたいなぁ~


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― 新着の感想 ―
完結お疲れ様です。 しかし最後に特大の謎が。 「エリーゼは馬車に乗る4人の子供に言い聞かせるように喋る。」と書かれている。 四人の子供の内の二人はエリーゼ、一人はシャルロッテとの子供、三人までしか書か…
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