ボクスク村到着。歓迎は・・・
ルンボさんたちと一緒に場所に揺られ、ついに新しい村へともう少しというところで俺はここで降ろしてもらうことを頼んだ。
「なぜです?あと少しで着くのでどうせならこのまま一緒に」
ルンボさんの言うことももっともだが、俺としては万一のトラブルにみんなを巻き込みたくなかった。
「前のヘインス村では苛烈な歓迎を受けまして、万一皆さんを巻き込むのもイヤなので別々に入ろうかと。この世界では聖女を熱烈に信仰している人もいるようですので」
「あぁそうでしたか・・・確かにあの村は少々特殊な村ですので、大変だったかもしれませんね。ただ次のボクスク村はのどかな村ですので大丈夫だとは思いますよ?」
「それでも一応用心を。何事もないようでしたら話しかけてください。それまで知らないふりで大丈夫ですので」
万一の時ルンボさんらに迷惑をかけてまで助けてもらおうとは思わない。結局は自分で切り抜ける力を身に着けないとこの先やっていけないだろうし
「わかりました・・・それでは先に行っていますのでまたあとで会いましょう!」
そういって手を振るルンボさんらと別れ、一人一時間ほど歩いて新しい村、ボクスク村へとたどり着いた。
今回は門番もおらず、そのまま素通りできた。
やっぱりあの村が特殊だったのかね。
「すいません、村長さんの家を知りたいのですがどこにあるでしょうか?」
農作業中の麦わら帽子の50歳ほどの男性に声をかけた。こういうときってやっぱり威圧的じゃない人に声掛けるよね。
「んぁ~?村長だー?村長の家さなんの用だー?村長さ今留守だど?なんせおらが村長だかんな」
はっはっはーと楽しそうに笑う
はっはっはーそらー留守だな。ここにいるんじゃ!
「そうでしたか、初めまして、私セイジと申しまして、けが人病人の治療を行って旅をしています。こちらの村にけが人などいらっしゃいませんか?」
治療と聞いて村長の目が一瞬鋭くなったのを俺は見逃さなかった。これは・・・不味いパターンか?
「おめさ治療できるってか!んならおらの娘の治療さしてくんれ!もうしばらく足さ動かないんだ・・・」
「わかりました、診てみましょう。それでは娘さんの場所へ案内してもらえますか?」
「おうおらの家はこっちだ!」
持っていた鍬をぽいと畑に放り出すと村長は俺の腕を掴み走り出した。さすが畑仕事してる人は体力が違う、50過ぎだろうに足の速さと腕を掴む力は半端じゃない。
「こっちだぁ!イリーナ、おめさ見てくれる人連れてきた」
「もうお父さん、そんなに騒いで。自称聖女を名乗る変な人じゃないでしょうね?」
村長に連れてこられた家のベッドには最近外に出ていないのか色白の15歳ほどの少女が上体を起こし本を読んでいた。
とりあえず俺は男なので聖女とは思われないだろう
初作品となりますがいかがでしょうか?
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