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威風堂々

最悪な空気ともいえる中で、メイドがお茶を全員の前へと配っていく

そのお茶を最初に口にしたのは誰であろう第一王子。

もう王太子ではないということもあったのだろう。だがそれでも客人より先に飲むことで安心だと自分の身を使ってアピールして見せたのだ


ほぼ同じくセイジが口を付ける。もちろん自分なら何があっても大丈夫ということ、それと隣にいるエリーゼを安心させたかったのがあるのだろう。


この二人の姿勢に対して、第二第三王子はと言うと安全と思ってからようやくお茶に口を付ける

それは相応の地位にいるものならば当然のこと、決して間違ってなどいない

だが・・・怯えるようでは今後の未来は決して明るいものではないだろう。


「やれやれ。さて聖人様、先ほどの戯言は聞かなかったことにしていただいてもよろしいですかな?」


第三王子を遮るように場所を移動しホアン王子がその前に立つ。戯言と言われて眉を吊り上げる第三王子だったが、何か言おうとするのを第二王子が止めた。

第二王子も戯言だと思ったからに他ならないだろう


「ええ、構いませんよ。昨日聞いたので」

昨日のは忘れないからな、と釘を刺すセイジに苦笑いのホアン。襟を正すように改めて話を切り出した


「では聖人様。聖人様はまたこの国にお越しいただくのは可能でしょうか?」

それは大事な事であった、この聖女から見捨てられたといわれた国においてはとても。

せっかく来てもらったのに、さらに失礼なことを言ってしまったのだこの国の王が

もしかしたらまた来なくなってしまうのではないかと、不安に思うのは当然だろう


「それはもちろん、必要があれば来ましょう。ただ命を狙われるようなのであれば考えますが」

ちらりと第二王子を見るとセイジの視線から顔を背ける。


あぁコイツもなんかやらかしたのか、とホアン王子が額を抑えた。


「ええもちろん、そのようなことが無いようキツく言い聞かせておきましょう。我が国にそのような愚かものは居ないとは思いますが」


とはいえその愚か者がいなければ第三王子は回復しなかったろうことから、今回は言い聞かせるに留まる。

その後第二王子は語る、あんなに理路整然と喋る人だとは思わなかった、と


「それとこちらが本題です、聖人様が不在の時そして大勢の民を救うため西国のように医療を発展させたいのですがご助力願えないでしょうか。そのための費用、聖人様の居留地のお世話などももちろん全て私が自費で整えます」


これもまたある意味でセイジをその土地に縛るものではあるが、王や第三王子の提案とはまるで違う。国に力を貸して欲しい、いる間の金はこっちが払うというだけで出て行くのであればご自由になスタンスなのだ。

そしてこれならばセイジには聞く用意がある


「もちろん、それは私のすべき仕事ですので力を貸しましょう」

この言葉にホアン王子は頭を下げ、そして手を差し出す。その手をセイジも握りようやくこの国は一歩前へと進めたのだ。



「それについて実は考えがありまして、聞いていただけますか?」

改めて席に着くとセイジは対面に座るようホアン王子を促す


第三王子でもなく知った第二王子でもない。話し合いのできるホアン王子にだ


「聞こう。テンスよフリードの代わりにしっかり聞いておくのだぞ」

第二王子テンスへとホアンが注意する。今の第三王子フリードは戯言呼ばわりされた自分の提案に頭に血を昇らせ話を聞くところではないからだろう


「この国の医療技術の発展にはまず研究者の育成並びに研究施設の開発と建設が必要になります。ですがどちらも結果がでるまで相応に時間と費用がかかる代物。ですので西国に技術者派遣と支援を求めてはいかがでしょうか。代わりにこの国特有の植物などの研究成果の共有など医療関連で手を組むのです」


今一番医療関連で進んでいるのが西国、もちろんやり方はアレではあったのだがそれでも力を入れているのは事実。

この国もまた独自に進めているのだがやり方を選んでいたのと王の方針からかあまり予算等も割いていないためあまり進んでいるとは言い難い。で、あるならば


「西国に、か・・・あまり国交もなく俺が文をしたためた所で通るかどうか」

ホアン王子の懸念も最もだろう。隣国ではないため国交もあまり無く、そんなところに自分らの成果を貸せと言われても困るだろう

だからこそ、セイジが話を切り出したのだ


「そこは私が繋ぎ役になりましょう。研究所開発の資金と場所の確保お願いしますね」


セイジにはしっかり考えがあった、それは元々の考え

それはこの国だけではなく、他国をも考えた自分がこの世界に来た意味であった。


ホアン王子との謁見を終え、セイジはエリーゼと共に西国へと走る


「やれやれ、本当に慌ただしい日々ですね。セイジ様と一緒にいると退屈する暇もないですよ」

「退屈な人生じゃなくて良かったねー!」

「それと隣国ケリュンテ帝国まで護衛無しなので交代で火の番ですからね」

「やだー!夜はしっかり寝たいんだー!」


残念ながら信頼できるギルドの知り合いがいないためマルボロンでは護衛を調達できなかった二人。

となれば当然・・・夜はどちらか一人が起きてることに。

ただ来るときのように大急ぎではないため街や村で寝ることはできたのである程度楽だったろう。





初作品となりますがいかがでしょうか?

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