商人ルンボと護衛たち
もちろん治療は外傷だけではない、というか本職はこちらだ
「ルンボさんはちょっと猫背の様子、そのままですと何かと不便ですし悪化するとあまりよくないので治してさしあげたいのですが」
大体の人が外傷はないのだが、骨格が歪んでいるのだ。護衛の方々も見れば職業柄なのか身体が偏っている。ルンボさんもおそらくそうなのだろう
「猫背・・・ですか?猫のようになっていると?」
「あぁ確かにルンボさん横から見るとちょっと身体が前に倒れてるわ。自分としてはまっすぐなつもりなのでは?」
護衛の人から見てもルンボさんの身体は少し猫背なのが見てわかるようだ。そういう貴方も猫背ですが
「放置しておくとまずいのでしょうか?」
「毎日美味しくご飯を食べて太りにくくなりたいなら治療をおすすめしますよ」
というと大抵の人は望んで治療を受ける。誰だって太りたくないしごはんは美味しく食べたいものだから。
とくにルンボさんは体型を少々気にしていたようで、意を決したようにこちらへ頭を下げた。
「どうか私を痩せさせてください!」
いや劇的に痩せさせるもんじゃーないんだが
とりあえず護衛の人たちを青ざめた表情にさせるストレッチをルンボさんに施術し終える。時間にして10分程度だが、見てる護衛の人たちは音やルンボさんの姿勢にかなり驚いていたろう。見るからに関節技を掛けられてるんじゃないかと思われかねないだろうし
ばきぼき!とか鳴らしてルンボさん自身も『んごっ!?』とか言って苦しんで?いたわけだし
「はい、これでストレッチは完了です。ただこういった身体の状態は日々の生活の上で徐々に歪んでいくものですので、これからは姿勢に気を付けて生活してください。それと簡単なストレッチを教えますので朝晩やるように。それでもダメな時はまたお声がけください」
こればかりは患者さん自身に気を付けてもらうしかない、もちろんダメだったらまた施術するのみ。
その方が懐は温まるのだけれども、どうせなら患者はいないほうがいいというもの。
「いやぁ・・・こんな変わるものなのですね」
ルンボさん自身変化を感じたのか、よさげな表情を浮かべる。疲れはするけど心地よい疲れなのがこの施術というもの。痛いだけじゃ誰だって受けたくないからね
「護衛の方々もどうです?お代は払いたい分だけでお任せしますから」
怖いもの見たさ、というのもあるのか、ルンボさんの表情を見てなのか、護衛の方々も代わる代わる受けることに。
やってみてから思ったけど、護衛の人が護衛中に施術受けてぼーっとするのはどうなのだろう
平和な場所だったからよかったけれども
初作品となりますがいかがでしょうか?
ブックマーク、いいね!と星頂けると喜んでもっと早く投稿できますのでぜひお願いします