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寝ずの番を一週間

「おはよう!」

開口一番天候にも恵まれ快晴の朝に騎士がセイジとエリーゼへと挨拶をする

母国の宿屋でぐっすり眠ったことが大分気分を晴れやかなものにしているのだろう

しかし、この後この騎士はまたどん底へと落とされることになる


「それで、次はどこへ向かうのですか。目的地なりもう少し教えてもらわないと私たちも準備する必要があるならしたいのですが」


エリーゼの最もな言葉に騎士は少しだけ考え二人へこそっと小声で話す。あまり大声では話せない内容らしい


「実は聖人に癒して欲しいのはこの国の第三王子でな・・・病で伏せっていて余命いくばくかもないと言われている。それで急いで連れてきたのだ・・・」


第三王子がどの程度の地位かは分からないがまた王族の治療ということらしい。しかもこの国の医療では治せないレベルときた

しかしここでセイジとエリーゼはふと疑問に思うことが一つ


「その第三王子様を癒すことで何か政敵に不都合なりありませんか?もしあるとすれば妨害なりが予想されるのですが、ご存じの通りセイジ様はその能力が故に敵に狙われやすいのです。貴方のような方とか」


エリーゼの言葉に騎士はハッとする。第三王子という事は当然上に二人ほど王子はいるのだ、そして第三王子が有能なり有用な人物であれば王太子は消そうとする可能性もある


「しかも昨日聖人が入国したことは検問所の人が話して広まってそうですからねー。もし第三王子を速やかに癒すのであれば・・・急いだほうがいいでしょう。宿に泊まらず野宿する程度には」


「うそだろーーー!!?」

こうして王都までの7日ほど野宿を繰り返すことになったセイジたち

もちろん野宿の見張りは騎士一人がやることになるのは言うまでもない


結果、一週間寝ずに過ごした彼は王都に着いてからセイジらに宣言した

「もう二度とお前らと三人で旅はしない、絶対にだ!・・・次は見張り交代してくれるヤツと一緒にいく」


よほど堪えたのだろう、体調は万全なはずの騎士がよろよろとおぼつかない足取りであった


「はぁ~私もゆっくり宿のベッドで寝たいよ。野宿は背中が痛くなってな」

「まぁまぁそう贅沢を言わないものですよ。寝れもしない人もいるのですから」


後ろで楽しそうに雑談を交わす二人にほんのり殺意を覚える騎士であったが、あと少しの我慢だと自分に言い聞かせ、二人を王城へと案内する


「その特に手続き等無しで入っても大丈夫なのでしょうか。もしや貴方はただの騎士ではないとか?」

案内されるまま着いてきたセイジとエリーゼだがここまでほぼ顔パスのノリで通されることに疑問があった。

城の前で警備する騎士も軽く頭を下げるだけで通してくれるのだ


「ああ、それもそうか。だが安心しろ第二王子が連れてきてるのだ、謁見の間に勝手に行くのは無理でも王城内を軽く連れ歩く程度問題ない」


どうやらこの不眠の騎士様は第二王子様らしい・・・

「エリーゼさん大丈夫かな、第二王子様を寝ずの番させちゃったんだけど」

「彼はあと数日寝ないくらいではヘコタレないほどの猛者ですので大丈夫でしょう」


お前が俺の何を知ってるんだと、怒りで拳を震わせながら第二王子は王城を進む

目的地はただ一つ第三王子のいる自室だ


弟を治すまでの我慢だ、と踏み出す足に力を込め彼は前へと進む


初作品となりますがいかがでしょうか?

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