婦人病
翌日、ロッテン伯爵の屋敷を訪れた一行。ここで二人が外の見張り、そして中へは二人の護衛と別れて守ってくれることに。
「お待ちしておりました、ささまずは中へどうぞ」
今回対応してくれたロッテン伯爵はどこぞの貴族と違い腰が低く丁寧な対応だった。ここまでしてもらわなくともいいのだけれども、いかんせん居丈高にこられると気分は良くない
もしやこの高い服の影響もあるのだあろうか?
「先月あたりから妻の足の容態が悪くなり、ついに歩くのが困難に。それで聖女様のところへ向かう算段をつけていたところ聖人様の噂を聞きまして」
「私に癒せるかわかりませんが診ましょう。料金は成功報酬で支払いたいと思う金額で大丈夫です、もちろん患者さんの事は他で一切話しませんのでご安心ください」
おそらく不安に思う面を先に説明しておく。金額およびプライベートな情報、このあたりが一番気になる部分だろうから
「あぁ、ありがとうございます。やはり長く伏せっているなどあまり他人には知られたくないのが貴族というものですので。それではあの、申し訳ないのですが護衛の方は寝室の外でお待ちを、中へは聖人様とお付きのシスターのみということで」
案内されるまま通された部屋、そこで二手に分かれることに。護衛のガルバンさんたちとユリア様は外の見張り、そしてエリーゼさん二人で中へと入ることに
ユリア様がなんで外かというと・・・多分そっちのほうが安全だから。狭い室内に刺客がいたらエリーゼさん一人じゃ守りきるのは難しいだろうと
コンコン、とガルバンさんたちにユリア様を頼みセイジがドアをノックする
すると部屋の中から大人しそうな声で、どうぞと入室を許可する声が
ゆっくり扉を開きちらりと室内を見回すとそこにはたぶん隠れているような刺客の姿はない、と思う
いたのはベッドの上で気弱そうに起き上がっている40代ほどのご婦人が一人
どうやら今回の患者は彼女のよう
「本日は私のためにわざわざご足労いただきましてありがとうございます」
そういって頭を下げる彼女と同時にセイジも頭を下げた
「セイジと申します。本日は伯爵夫人の治療のためお呼びいただきありがとうございます。それでは早速ですが診察をしてもよろしいでしょうか」
そう言うと夫人は布団から足を出そうとするのでセイジはそれを制止する
「そのままで結構ですよ、今は手を触らせていただければ十分ですので」
ゆっくり近づき差し出された夫人の手を握る
元々なのか体温が低いその手を握り診察をすると・・・やはりこれも婦人病とも呼べるコルセット病であった。
年齢からか骨粗鬆症になりやすいのとコルセットの締め付け、あと食生活の問題だろう
「それでは伯爵、事前にお願いしていた方をお呼びしていただけますか?」
「え、あはいそれはかしこまりました。妹を今呼んで参ります」
「それと私が触れてもいい方もお願いしたいのですが。がっつりと触るのでそこら辺色々な意味で気にされない方を」
本来なら護衛のガルバンさんらの中の一人を予定していたのだが入室ダメらしい上の護衛で回りを見てるので・・・となると追加で一人欲しい
結果、伯爵が読んだのは60過ぎの執事で
そして室内にはご婦人と執事の苦悶の声が響くのであった・・・
「とまあこんな感じで大丈夫でしょう。歩けなくなって一か月とのことですので軽いリハビリでまた歩けるようになると思いますのでやり方をメモしてください。それとまた同じ病気にならないようアドバイスもしますので」
セイジの言葉を60歳の執事に代わって他の執事がメモをしていく。60歳の執事さんはそれどころではなくソファーの上でぐったりしていて無理だから
初作品となりますがいかがでしょうか?
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